自転車じてんしゃ事故じこで損害そんがい賠償ばいしょう1億おく円えん！危険きけん運転うんてんの取とり締しまり強化きょうか＆賠償ばいしょう高額こうがく化かか

　自転車じてんしゃの危険きけんな運転うんてんによる事故じこが多発たはつしていることに対応たいおうして6月がつ1日にちから道路どうろ交通こうつう法ほうが改正かいせいされ、自転車じてんしゃ利用りように対たいする規制きせいが追加ついかされた。14歳さい以上いじょうの人ひとが、指定していされた14種類しゅるいの危険きけん行為こういのうちのいずれかを行おこない、3年ねん以内いないに2回かい摘発てきはつを受うけた場合ばあい、3時じ間あいだの自転車じてんしゃ運転うんてん者しゃ講習こうしゅうを受うける義務ぎむを負おう。その際さいの受講じゅこう料りょうは5700円えんで、受講じゅこう命令めいれいに反はんした場合ばあい、5万まん円えん以下いかの罰金ばっきんという刑事けいじ罰ばつを負おうことも定さだめられた。

　7月がつ13日にち付づけ朝日新聞あさひしんぶん記事きじによると、この改正かいせいも影響えいきょうしてか、自転車じてんしゃで人ひとにけがをさせたときなどに補償ほしょうを受うけられる自転車じてんしゃ保険ほけんの契約けいやく件数けんすうが、前年ぜんねんの2倍ばい以上いじょうのペースで伸のびているという。

　道路どうろ交通こうつう法ほう上じょう、自転車じてんしゃは「軽けい車両しゃりょう」に分類ぶんるいされる、れっきとした車両しゃりょうである。今回こんかいの道路どうろ交通こうつう法ほうの改正かいせいによって定さだめられた、講習こうしゅう受講じゅこう義務ぎむの原因げんいんとなる危険きけん行為こういについても、罰則ばっそく自体じたいは以前いぜんから定さだめられていた。ところが、今いままでは違反いはん行為こういがあっても摘発てきはつをしてしまうと、煩雑はんざつな裁判さいばん手続てつづきを前提ぜんていとした赤切符あかぎっぷを切きることになり、そうすると摘発てきはつを受うけた人ひとには前科ぜんかがつき、いきなり刑事けいじ罰ばつが科かされることになるため、警察けいさつもよほど悪質あくしつな場合ばあいでなければ注意ちゅういにとどめることがほとんどだった。

　しかし、今回こんかいの道路どうろ交通こうつう法ほう改正かいせいにより、14種類しゅるいの危険きけん行為こういに対たいしては、自動車じどうしゃでの違反いはんと同様どうように裁判さいばん手続てつづきを前提ぜんていとしない規制きせいを行おこなうことができるようになったのだ。

自転車じてんしゃ事故じこの賠償金ばいしょうきん高額こうがく化かの傾向けいこうは、さらに加速かそくする？

　この改正かいせいを受うけて、自転車じてんしゃ事故じこが発生はっせいした際さいの法的ほうてき責任せきにんなどは変化へんかするのだろうか？　保険ほけんに関かんする案件あんけんを多数たすう扱あつかう、西口にしぐち竜司りゅうじ弁護士べんごしは次つぎのように話はなす。

「今回こんかい定さだめられた14種類しゅるいの危険きけん行為こういは大変たいへん危険きけんな運転うんてんであり、法律ほうりつで明確めいかくにされたことで警察けいさつも積極せっきょく的てきに取とり締しまるようになります。スマートフォンをいじりながらの運転うんてん、ヘッドフォンをしての運転うんてん、傘かさを差さしての運転うんてんはもちろん、事実じじつ上じょう形骸けいがい化かしていた歩道ほどう走行そうこうの規制きせいも、厳きびしく取とり締しまられることになったのです。これにより、国民こくみんはこれらの危険きけんを認識にんしきしている前提ぜんていで責任せきにんを問とわれることになります」

　危険きけんを認識にんしきしている前提ぜんていでの責任せきにんとは、具体ぐたい的てきにどういうことだろうか？

「自転車じてんしゃで人身じんしん事故じこを発生はっせいさせた場合ばあい、過失かしつ責任せきにんが問とわれることになります。過失かしつとは、結果けっかを予見よけんする可能かのう性せいがあった場合ばあいに、その結果けっかを回避かいひする義務ぎむに違反いはんすることを意味いみします。14種類しゅるいの危険きけん行為こういに該当がいとうする運転うんてんが原因げんいんで事故じこが起おきた場合ばあい、運転うんてん者しゃは歩行ほこう者しゃ等とうの生命せいめい・身体しんたいに対たいして危害きがいを加くわえることの予見よけんが可能かのうであったと裁判所さいばんしょに判断はんだんされ、過失かしつが認みとめられやすくなってきます。結果けっか、運転うんてん者しゃは高額こうがくの賠償ばいしょう義務ぎむを課かせられる可能かのう性せいが増大ぞうだいするのです」（西口にしぐち弁護士べんごし）