平昌五輪のレセプションの様子(写真:ロイター/アフロ)
2月9日に開会式が開かれる平昌オリンピック。すでに8日から一部の競技が始まっているが、本格的に幕を開ける。
アジアで冬季五輪が開催されるのは、1972年の札幌、98年の長野に続く3回目で、韓国では初となる。そんな4年に一度の祭典を前に、外務省の異例の注意喚起が波紋を呼んでいる。
「外務省 海外安全ホームページ」が2月1日に公開した「2018平昌冬季オリンピック・パラリンピック大会開催に伴う注意喚起」だ。これには安全対策として韓国の治安や犯罪状況が載っているのだが、「近年、大規模なテロ事件等は発生していません。年間の犯罪発生件数は約185万件で、ほぼ横ばいで推移しており、韓国の治安は比較的安定した状況にあります」とする一方で、「しかしながら、主な犯罪の発生リスクを日本と比較すると、韓国は殺人が約2.5倍、強盗が約1.2倍多く発生しています」と啓発している。
また、「競技会場などの大勢の人が集まる場所や公共交通機関等では、周囲の状況に注意を払うなど、犯罪等にまきこまれないようご注意下さい」「平昌地域は韓国内でも最も厳しい寒冷地であり、大会期間中の2月、3月は夜間にマイナス20度近くまで冷え込むこともあります。観戦に当たっては万全の防寒対策をとるようにして下さい」「現在、韓国では鳥インフルエンザが発生しており、当局による家畜農家に対する防疫対策が取られています」と防寒や感染症の対策にも触れている。
さらに、「緊急事態発生時の対応」として、「北朝鮮との関係において朝鮮半島情勢が引き続き予断を許さない状況にあることを踏まえ、渡航先の最新安全情報や、緊急時の大使館等からの連絡を受け取ることができるよう、外務省海外旅行登録『たびレジ』に登録してください」と促している。
これらの外務省の発表内容に、インターネット上では「もっと早くからこうした情報を公開して呼びかけてほしかった」「安倍首相も開会式に出席しないほうがいいのでは」という声が上がっている。
「これは『スポット情報』といわれる速報的なものです。これまでも、他国のテロや自然災害、治安情勢などについて適宜公開されています。韓国については、昨年4月にも北朝鮮情勢の緊迫化を受けて『北朝鮮は核実験や弾道ミサイル発射を繰り返している』として、『韓国に滞在・渡航される方へのお知らせ』が発表されています」(政治ジャーナリスト)
強姦は日本の10倍?気温はマイナス23℃…
実際、平昌五輪は苦難続きだ。韓国気象庁によると、開会式会場の「平昌オリンピックスタジアム」がある大関嶺は7日にマイナス23.4℃を記録しており、「史上もっとも寒い五輪」ともいわれている。極寒に加え、宿舎に洗濯機が足りなかったり温水シャワーが出なかったりといった劣悪な環境が響いたのか、大会の運営を支えるボランティアスタッフが2000人以上離脱していることも報じられた。
また、選手の感染こそ確認されていないが、現地では五輪関係者にノロウイルス感染が拡大しており、確定しただけでも128人に上っている。
「韓国は強姦が多いことでも知られており、『強姦件数は日本の約10倍』『過去10年間で強姦を含めた性暴力犯罪が50%以上増加』という見方も伝えられています。
また、現地では予期せぬトラブルに巻き込まれる可能性もあります。以前から、主に保守派の団体が北朝鮮の五輪参加に対する反対デモを行っており、北朝鮮の国旗を燃やしたり金正恩の顔写真を丸めて踏み潰したりしているのです。8日には訪韓した北朝鮮の芸術団が公演するなかでデモが行われ、警官隊と押し合いになるなど混乱が発生しています。
すでにマスコミでも、フジテレビの三田友梨佳アナがデモと警官の衝突やアイスホッケー女子南北合同チームの賛成派と反対派の乱闘に巻き込まれたことを明かしており、『韓国メディアと間違われて暴力をふるわれるシーンもあった』と語っています」(同)
開会式には安倍晋三首相やアメリカのマイク・ペンス副大統領などの要人が出席するほか、北朝鮮からは金正恩朝鮮労働党委員長の妹である金与正氏らが出席する。何事もなく、純粋なスポーツのみに関心が集まる大会になってほしいものだ。
(文=編集部)