首都しゅと直下ちょっか地震じしん、いつ起おきても不思議ふしぎではない状態じょうたい…すでに千葉ちばでM6級きゅうが頻発ひんぱつ

渋谷しぶやのスクランブル交差点こうさてん（「Wikipedia」より／Chensiyuan）

　大阪おおさか北部ほくぶ地震じしんから約やく1週間しゅうかん後ごに政府せいふの地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいが発表はっぴょうした「全国ぜんこく地震動じしんどう予よ測地そくち図ず2018年版ねんばん」は大おおきな波紋はもんを呼よんだ。同どう地図ちずでは「今後こんご30年間ねんかんに大だい地震じしん（震度しんど6弱じゃく以上いじょう）が起おきる確かく率りつ」が示しめされているが、北海道ほっかいどう南東なんとう部ぶでリスクが高たかまったほか、都道府県とどうふけん庁ちょう所在地しょざいちでは千葉ちば市しが85％で最高さいこうを記録きろくし、横浜よこはま市しが82％、水戸みと市しが81％と、関東かんとう地方ちほうの危険きけん度どの高たかさもあらためて浮うき彫ぼりになっている。

　東北大学とうほくだいがく災害さいがい科学かがく国際こくさい研究所けんきゅうじょの遠田えんだ晋すすむ次じ教授きょうじゅは、「平均へいきんすると25年ねん程度ていどの間隔かんかくで発生はっせいする首都しゅと圏けん直下ちょっかの大だい規模きぼな地震じしんは、いつ起おきても不思議ふしぎではない状態じょうたい。そもそも、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい以降いこう、関東かんとうでは小規模しょうきぼな地震じしんの発生はっせいペースが速はやい状態じょうたいが続つづいている。普段ふだんから警戒けいかいしておくことが必要ひつよう」と指摘してきする。

　千葉ちばでは、同どう地図ちずが公表こうひょうされた当日とうじつに南部なんぶで震度しんど4、7月がつ7日にちにも北東ほくとう部ぶで震度しんど5弱じゃくの地震じしんが発生はっせいした。首都しゅと圏けんを襲おそう地震じしんリスクについて、遠田えんだ教授きょうじゅに聞きいた。

首都しゅと直下ちょっか地震じしんはいつ起おきても不思議ふしぎではない

――地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいの「全国ぜんこく地震動じしんどう予よ測地そくち図ず」の最新さいしん結果けっかをどうとらえていますか。

遠田えんだ晋すすむ次じ氏し（以下いか、遠田えんだ）　基本きほん的てきに、関東かんとう地方ちほうではいろいろなタイプの地震じしんが発生はっせいする可能かのう性せいがあります。相模さがみトラフ沿ぞいにフィリピン海うみプレートと太平洋たいへいようプレートなどが沈しずみ込こんでおり、少すくなくとも3枚まいのプレートがひしめき合あっているからです。そんななかで、依然いぜんとして「関東かんとうでは震度しんど6弱じゃく以上いじょうの地震じしんが発生はっせいする確かく率りつが高たかい」との見方みかたが示しめされました。

　7日にちに千葉ちば北東ほくとう部ぶで震度しんど5弱じゃくの地震じしんが起おきましたが、千葉ちばに目立めだった活かつ断層だんそうはありません。しかし、3枚まいのプレートの境界きょうかいやそれぞれの内部ないぶでいろいろな地震じしんが発生はっせいするのです。深ふかさもさまざまです。

　一方いっぽう、過去かこに関東大震災かんとうだいしんさいを引ひき起おこした相模さがみトラフについては、200年ねんから400年ねん間隔かんかくで大だい地震じしんが起おきており、最後さいごに発生はっせいしたのが1923年ねんなので、まだ発生はっせい確かく率りつはそれほど高たかいとは評価ひょうかされていません。

――千葉ちば市しの85％という確かく率りつは衝撃しょうげき的てきでした。これは、かつての安政あんせい江戸えど地震じしんのようなタイプが想定そうていされているのでしょうか。

遠田えんだ　震源しんげん地ちにもよりますが、地震じしんの規模きぼが大おおきくなれば必然ひつぜん的てきに震度しんど6弱じゃく以上いじょうになるため、必かならずしも安政あんせい江戸えど地震じしんのタイプだけを想定そうていしたわけではないでしょう。そもそも、安政あんせい江戸えど地震じしんに関かんしては、震源しんげん地ちが千葉ちば市内しないなのかもう少すこし東京とうきょう寄よりなのか、規模きぼも本当ほんとうにマグニチュード（M）7クラスだったのか、はっきりしていない部分ぶぶんがあります。

　また、同様どうように首都しゅと直下ちょっか地震じしんについても、東京とうきょう都との被害ひがい想定そうていでは「東京湾とうきょうわん北部ほくぶ地震じしん」などとして想定そうていされていますが、まだどのような地震じしんとなり得えるか、メカニズムも含ふくめてわかっていません。

　ただ、1880年代ねんだい以降いこうに起おきたM6.7以上いじょうの首都しゅと直下ちょっか地震じしんは5つしかなく、平均へいきんすると25年ねんくらいの周期しゅうきで発生はっせいしています。確率かくりつ論ろんで考かんがえると、「30年ねんに1回かいくらいは首都しゅと圏けんでM6.7クラスの地震じしんが発生はっせいするだろう」と予想よそうできます。この場合ばあいの首都しゅと圏けんとは、東京とうきょう都と、神奈川かながわ県けん、埼玉さいたま県けん、千葉ちば県けんあたりです。東京とうきょうの真下ましたは地盤じばんが弱よわいので、震源しんげん地ちによっては震度しんど6クラスの地震じしんが首都しゅとを直撃ちょくげきする可能かのう性せいもあるでしょう。