ついに山口組分裂問題も、この8月で丸7年を迎える。
2015年の夏に起こった、誰しもが耳を疑った山口組の分裂劇。離脱組織による、同じ菱の代紋を使用した神戸山口組の発足は、業界関係者のみならず、世間の大きな注目を集めることになったのだった。
だが、歳月の流れとともに、六代目山口組と神戸山口組の対立は、完全な解決こそ見ないままではあるが、はっきりと明暗を分けることになる。日を追うごとに、神戸山口組からは組織や組員が離脱し、そうした勢力の多くは六代目山口組へと復帰することになったのだ。
「勝敗はすでに決しているとさえいえるだろう。最近は、六代目山口組がさまざまな攻撃を仕掛けても、神戸山口組からの反撃は起きていない。それを見兼ねた他団体が神戸山口組サイドに接触したという噂もあったが、劣勢にありながらも神戸山口組は存続している。つまりは、分裂問題はすっきりとした形でまだ解消はされていない」(業界関係者)
そんな神戸山口組だが、業界内では新たな噂が囁かれているというのである。それは、またしても神戸山口組のある最高幹部が引退するのではないかというものだ。
「業界関係者の間では、この最高幹部について、さまざま情報が錯綜しています。本当に引退となった場合、残った組員らは六代目山口組サイドに復帰するのではないかという見方もある。裏付けは取れていませんが、こうした情報が六代目、神戸の両陣営で錯綜しているのは事実です」(ヤクザ事情に詳しいジャーナリスト)
もし、この最高幹部が引退した場合、神戸山口組にとってのダメージは計り知れないことになるだろう。だが、それでも分裂問題が即決着するかといえば、そうではないのではないか、とある事情通は話す。
「これまでも、神戸山口組の最高幹部は何人もが引退や離脱をして、同団体から去っている。それでも、神戸山口組のトップである井上邦雄組長が引退しない限り、分裂問題に終止符を打たれることはないのではないか。一方で、ここまで力を削がれつつも、神戸山口組を存続させること自体の意味がわからないとする声が業界内にはある。井上組長の引退を含めて、分裂問題の解決までには、何かしらの大きな動きがない限り、時間がかかるのではないか」
その井上組長は、周囲に対して、引退はしないと明言したといわれている。だが、神戸山口組を支えてきた幹部たちがこれ以上、組を離れるようなことがあれば、状況が変わることもあるかもしれない。
大義を掲げて発足した神戸山口組には、7年間という歳月の重みが強くのしかかっていると言えるのではないだろうか。