採用さいよう面接めんせつで嘘うそをついて入社にゅうしゃ、バレると解雇かいこや損害そんがい賠償ばいしょう！結婚けっこん前まえの嘘うそ、バレても離婚りこんは困難こんなん？

「Thinkstock」より

　今年ことし3月がつ、ショーンKこと経営けいえいコンサルタントのショーン・マクアードル川上かわかみ氏しの学歴がくれき・職歴しょくれき・業績ぎょうせき詐称さしょうが「週刊文春しゅうかんぶんしゅん」（文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう）によって報ほうじられ、大おおきな話題わだいとなった。ショーン氏しは一連いちれんの詐称さしょうについて認みとめ、複数ふくすうの出演しゅつえん番組ばんぐみを降板こうばんするなど、波紋はもんを呼よんだことは記憶きおくに新あたらしい。

　3月16日にち付づけ当とうサイト記事きじ『ショーンKの学歴がくれき＆業績ぎょうせき詐称さしょう、軽犯罪法けいはんざいほう違反いはんの疑うたがい…逮捕たいほ・拘留こうりゅうの可能かのう性せいは？』では、弁護士べんごし法人ほうじんALG＆Associates弁護士べんごしの渡部わたなべ貴之たかゆき氏しに話はなしを聞きき、ショーン氏しが軽犯罪法けいはんざいほう違反いはんに該当がいとうする可能かのう性せいについて言及げんきゅうしている。

　翻ひるがえって、我々われわれ一般人いっぱんじんの場合ばあいはどうだろうか。例たとえば、事実じじつと異ことなる学歴がくれきや職歴しょくれきを述のべて企業きぎょうに入社にゅうしゃした場合ばあい、法的ほうてき責任せきにんに問とわれる可能かのう性せいはあるのか。嘘うそがバレて会社かいしゃ側がわが解雇かいこや減給げんきゅうなどの処分しょぶんを行おこなった場合ばあい、それは正当せいとうといえるのか。

　採用さいよう面接めんせつなどでは、自分じぶんの功績こうせきや業績ぎょうせきを多少たしょう“盛もる”こともあるかもしれない。しかし、どのあたりが越こえてはいけない“一線いっせん”になるのだろうか。再ふたたび、渡部わたなべ氏しに聞きいた。

入社にゅうしゃ時じの嘘うそで解雇かいこや損害そんがい賠償ばいしょうの可能かのう性せいも

「経歴けいれきを詐称さしょうした場合ばあい、社会しゃかい的てき非難ひなんを受うけるのみではなく、法的ほうてきにも不利益ふりえきを被こうむる可能かのう性せいがあります。例たとえば、会社かいしゃへの入社にゅうしゃ後ごに経歴けいれき詐称さしょうが発覚はっかくし、それが『重要じゅうような経歴けいれきの詐称さしょう』であった場合ばあい、裁判さいばん例れい上じょう、懲戒ちょうかい事由じゆうに該当がいとうします。

　個別こべつ具体ぐたい的てきな判断はんだんにはなりますが、雇用こよう者しゃが正ただしい経歴けいれきを認識にんしきしていた場合ばあいには労働ろうどう契約けいやくを締結ていけつしなかったほどの詐称さしょうであれば、『重要じゅうような経歴けいれきの詐称さしょう』に該当がいとうする可能かのう性せいが高たかいと考かんがえられます。

　過去かこの裁判さいばん例れいにおいては、試用しよう期間きかん中ちゅうの事案じあんではありますが、応募おうぼ者しゃが以前いぜん勤つとめていた会社かいしゃと解雇かいこなどを争あらそう訴訟そしょうを行おこなっている事実じじつを隠かくし、『フリーランスであった』など虚偽きょぎの事実じじつを伝つたえていた事案じあんにおいて、採用さいよう選考せんこうの結果けっかに多大ただいな影響えいきょうを与あたえる『重要じゅうような経歴けいれきの詐称さしょう』を行おこなったとして、勤務きんむ態度たいどなども踏ふまえつつ、同人どうじんに対たいする解雇かいこを有効ゆうこうとしたものがあります。

　また、単たんに経歴けいれきを詐称さしょうするだけでなく、より積極せっきょく的てきに、一定いっていの能力のうりょくがある旨むねなど虚偽きょぎの申告しんこくを行おこない、月給げっきゅうの上乗うわのせを求もとめたり、なんらかの支出ししゅつをさせたりした点てんが詐欺さぎにあたるとして、会社かいしゃから労働ろうどう者しゃに対たいする不法ふほう行為こういに基もとづく損害そんがい賠償ばいしょう請求せいきゅうを認みとめた裁判さいばん例れいがあります。

　そのため、学歴がくれきや職歴しょくれきを偽いつわる場合ばあい、申告しんこくの内容ないようや実際じっさいの就業しゅうぎょう状じょう況きょうなどに左右さゆうされますが、懲戒ちょうかい解雇かいこや損害そんがい賠償ばいしょう請求せいきゅうを受うける可能かのう性せいまで覚悟かくごしなければならないかもしれません」（渡部わたなべ氏し）