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オリジナル『おっとおっと小説しょうせつ』 推奨すいしょう肉食にくしょくけい時代じだいげき。オールド上海しゃんはい薩摩さつまはんふう男子だんしだか現代げんだいモノ。完結かんけつ作品さくひん多数たすうあり!

おとこおとこ情愛じょうあいやら肉欲にくよくやらをはらんだ娯楽ごらく小説しょうせつ目指めざしております。 キャラの猛禽もうきんケモノりつたかめ。衆道しゅどうしょくいめ。おとこしゅう、きつめ。情愛じょうあい、うざいほど! 作品さくひんは「江戸えどもの」「上海しゃんはいもの」など。たのしんでもらえたらさいわいです。

神永かみながけい
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2011/05/21

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  • ふうみちろく> ―ふうみち兵庫ひょうごとおはんシリーズ)―

    しかれば、黒部くろべさまを……あのようなお姿すがたえたのは、頼近よりちかさまはん太夫たゆうむねにつかえていた疑念ぎねんくちにした。水滴すいてきにぬめるやみ壁面へきめん縄梯子なわばしごつたいながらそこそこへとりてゆく。地上ちじょう極寒ごっかんであるも、鍾乳洞しょうにゅうどううちは仄あたたかくさえある。 さきをゆく兵庫ひょうごかいが、「ちがう」ときっぱりかえした。「頼近よりちかは、じいたましいむくろもどしてくれたのだ。それゆえちるとじいきあがり、写経しゃきょうをし、わしにけん稽古けいこをつけ、炊事すいじをし、ち、散歩さんぽもした。な...

  • ふうみち> ―ふうみち兵庫ひょうごとおはんシリーズ)―

    頼近よりちかにとっていつ年嵩としかさよりゆきひさ(よりひさ)は、自慢じまんあにであった。右肩みぎかたかげかりたかしょうたる繊魄(せんぱく・ほそつき)のあざがあった。後見こうけんをつとめるぬままもる(ぬえ)の年寄としよりしゅさとのものも頼近よりちかも、体格たいかくめぐまれ武芸ぶげいひいでたあに次代じだいかげかりたかとなることをうたがわなかったし、よりゆきひさ自身じしんもその覚悟かくごをもっていた。さらにはつよたのもしい女房にょうぼうもいた。かかわるすべてのものたちが大望たいぼうたくしたよりゆきひさはだが、あっけなくんだ。たかねつがそのいのちをもつき...

  • ふうみちよん> ―ふうみち兵庫ひょうごとおはんシリーズ)―

    くろどうえました」 はだ冷気れいきのなか、まえあるいていたまるこえをあげる。兵庫ひょうごかいは、はっとしてかえった。「おもうしておりました」 龕灯がんどうのあかりにづいた祭司さいしが、ゆきもんよりてくる。くろどうは、紅葉山もみじやまうしとら(うしとら・東北とうほく)の鬼門きもん守護しゅごするくろおきなかんである。中腹ちゅうふく木々きぎおおわれた岩場いわばにあり、いのどうたる須弥どう地下ちかほらへとつう全貌ぜんぼうはかれぬ。「さあ、こちらへ。おきなよりお指図さしずたまわっておりまする」 出迎でむかえ...

  • ふうみちさん> ―ふうみち兵庫ひょうごとおはんシリーズ)―

    まる龕灯がんどう(がんどう)のあかりが、しるべ(しるべ)のごとくゆきやみらす。そうじて足腰あしこしよわぬえしゅだがまる頭抜ずぬけた健脚けんきゃくぬしで、かんく、聡明そうめいさは見張みはるものがある。されども兵庫ひょうごかいとてくろどうへゆけるし、らぬ。本心ほんしんではまるなどらしたいところであるも、ここであばれたらはん太夫たゆうをまたこまらせることになる。さらにははん太夫たゆうれしいつるふとし(こげんた)の態度たいどはなはらぬが、はん太夫たゆうから乱暴らんぼう狼藉ろうぜきゆるし...

  • ふうみち> ―ふうみち兵庫ひょうごとおはんシリーズ)―

    パチパチとぜるかこえうらが、つるふとし(こげんた)のめたほおくら火影ほかげらす。「頼近よりちかさまは……おまえらをれていともうされた。なんぞくわだて(くわだて)があるのやも……」 するどながが、ほのおうつしてはん太夫たゆうる。「ぼう左様さようぞんずる。あめがつまるとかもうす妖(あやかし)の暗鬼あんき(くらやみおに)とのげんけませぬ」 せんくら眼差まなざしをけわしくする。はん太夫たゆううなずいた。「たしかめねばならぬ。まこと頼近よりちかさまが……」 言葉ことばむ。...

  • ふうみちいち>―ふうみち兵庫ひょうごとおはんシリーズ)―

    半次郎はんじろう殿どの頼近よりちかさまのおねつはまだがりませぬのか」「さきかりでのつかれがえぬのだ。もうしばら養生ようじょうせぬばなりませぬ」「なんと脆弱ぜいじゃくな。やすんでばかりではないか。紀伊きい山村さんそんで、村人むらびといちばんえたとのしらせがはいもうしたおり、かような有様ありさまではとてもかげかりたかとはべませぬぞ」 ふすまへだてた隣室りんしつ頼近よりちかせっているというのに、つまる(なじる)こえ遠慮えんりょはない。こえあるじは、たかねつによるさわ頼近よりちかみみがほとんどこえないことを承知しょうち...

  • 迎春げいしゅん 2023

    初春しょしゅんのおよろこびをもうげますみなさま、いかがおごしですか?半年はんとしほども更新こうしんとどこおっていますが……(;^ωおめが^)わたしおおむ元気げんきです。昨年さくねんわたしにとって激動げきどうとしでした。去年きょねんわたしなにかんがえていたのかな? と「迎春げいしゅん記事きじ2022」をむと、ずいぶんとおくへてしまったな、というかんじです。とおくというより、方向ほうこうはぐれた、というほうただしいかな? (;^ωおめが^)このとしはつ挑戦ちょうせん仕事しごと×3かいですよ~わがながら年末ねんまつまでよくおよぎきったねって、さすがに自分じぶんを褒...

  • たかはちしょう完結かんけつ! ―ふうみち兵庫ひょうごとおはんシリーズ)―

    かせてくれ」 小家おいえもどるなり、はん太夫たゆうつるふとしをうながした。せんくら同席どうせきしている。 兵庫ひょうごかいはん太夫たゆうわれて上座かみざすわったもののつまらなそうにからだらしだし、つるふとし不快ふかいそうにまゆせる。「じゅんってはなす」 苦虫にがむしつぶたいはなしした。 将軍家しょうぐんけへの呪詛じゅそかかわっているとおぼしきあおおきなかんられた結界けっかいを、ぬえ(ぬえ)のおきなたちがいたこと。呪詛じゅそみなもとつため瑞木みずきふとしおおとり(たほう)、ろうしのびたちととも結界けっかいない...

  • たかなな> ―ふうみち兵庫ひょうごとおはんシリーズ)―

    「ご無事ぶじで」 雪明ゆきあかりのなかせんぞうがにこにこかおあるいてくる。「さきにおえを。はなしはそのにいたしましょう」 せんぞううながされ、はん太夫たゆうふんどし一本いっぽん兵庫ひょうごかいともなつづいた。 かげたかとのあのような死闘しとう目前もくぜんにしても、このおとこいにはなんのみだれもられない。はん太夫たゆう火炙ひあぶりにするとせかけてほのおけむり掌握しょうあくし、攪乱かくらんしてはん太夫たゆうがし追手おってをもさえぎる。せんぞうがなにゆえいという(あざな)をもつのか、てきらなかっ...

  • 迎春げいしゅん 2022

    おくればせながら~けましておめでとうございます。本年ほんねんもよろしくおねがいいたします。では。恒例こうれいの「昨年さくねん一体いったいなにをやっていたんでしょうね?」です。昨年さくねんは、サイト創設そうせつじゅう周年しゅうねん節目ふしめでしたので、特別とくべつ企画きかく進撃しんげき半兵衛はんべえw』をいたり、『ふうみち』のしょうたか」をスタートさせ、ろくまでがんばってすすめましたが、職場しょくばのすったもんだで執筆しっぴつどころではなくなり・・・・・・(;^ωおめが^)会社かいしゃめてバカンスに突入とつにゅう~~~そのいきおいで、疑惑ぎわく...

  • 「ハリエンジュのもり」×「疑惑ぎわく」スペシャルコラボ♡ ハリエンジュのもり それから ~ななねんなつ(4)~

    「ヒロは、どっちがき?」 陽二ようじは、だいのバイクに目顔めがおける。フルカウルのなバイクとしぶかんじのシルバーのバイクだ。 朝食ちょうしょくをとった二人ふたりは、ダムへとかうべく駐車ちゅうしゃじょうにいる。涼風すずかぜにんかみらしてける。秘境ひきょうそらくもひとつないいちめんあおだ。びるこずえらして小鳥ことりさえずり、木陰こかげせみきしめている。きゃくたちは早朝そうちょうったようで、駐車ちゅうしゃじょうには二人ふたりってたレンタカーと、バイクがだいとままってい...

  • 「ハリエンジュのもり」×「疑惑ぎわく」スペシャルコラボ♡ ハリエンジュのもり それから ~ななねんなつ(3)~

    リーリーリーリーリーリーリーリー リーリーリーリーリーリーリーリー よるけて、むし合唱がっしょうもいよいよにぎやかになってくる。 博道ひろみちあたまうしろで円筒えんとうがたのナイトランプがともされ、下腹かふくまたが裸体らたいこうぞしょくひかりらしだされる。 和紙わしシェードごしのやわらかなひかりびながら、陽二ようじ懸命けんめいこしる。騎乗きじょうは、おのれの貧弱ひんじゃくからださらされるところが難点なんてんであるも、かんじている博道ひろみちかおがよくえるので、陽二ようじきらいではない。うしろ...

  • 「ハリエンジュのもり」×「疑惑ぎわく」スペシャルコラボ♡ ハリエンジュのもり それから ~ななねんなつ(2)~

    しあわせだなぁ~♪ おれはおまえといるとき一番いちばんしあわせなんだ~ おれはぬまでおまえをはなさないぞ~ いいだろう? スパークリング地酒じざけにしたたかった博道ひろみちが、コテージのまどからほしながめつつ、おいカラオケ大会たいかいでご隠居いんきょさんがうたった“きみといつまでも”を上機嫌じょうきげんうたっている。ちなみに原曲げんきょくのセリフは「おれとおまえ」ではなく「ぼくきみ」である。 コテージは母屋もやからはなれているので、陽二ようじしずかにしろと文句もんくわない。こえのいい...

  • 「ハリエンジュのもり」×「疑惑ぎわく」スペシャルコラボ♡ ハリエンジュのもり それから ~ななねんなつ(1)~

    「おつかれさま」 佐伯さえき陽二ようじ(さえきようじ)と幸田こうだ博道ひろみち(こうだひろみち)はくつろいだ浴衣ゆかた姿すがたで、えたビールをなみなみとそそいだジョッキをカチンとわせ、あがりのかわいたのどうるおす。 チリンチリーン、廊下ろうかのきられた風鈴ふうりんすずしげなおとかなでる。 越後えちご駒ヶ岳こまがだけをはじめとする〇〇〇メートルきゅう高山こうざんかこまれた盆地ぼんち夕暮ゆうぐれははやい。山脈さんみゃく西日にしびかくれ、稜線りょうせんゆうあきらまっている。阿賀野川あがのがわ水系すいけい只見川ただみがわ北ノ又川きたのまたがわ上流じょうりゅう位置いちし、...

  • 湖上こじょう疑惑ぎわく2)~10ねん真実しんじつ~(-6)

    おれははなかごりかかり、浴衣ゆかたえり左右さゆういた。昼間ひるまベロベロにめてキスマークをつけまくったちいさな乳首ちくびふたつ、あいらしいかおせる。こいつの乳首ちくびちちふくむ)がみよりちいさいのは、じゅうねんものあいだ、ワイシャツしにこっそり見分けんぶんしていたので承知之助しょうちのすけである。その高嶺たかね乳首ちくびくちをつけ、唾液だえきをのせたしたでぐりっとつぶし、えんえがくようにころがしつつ、もう片方かたがた乳首ちくびゆびはさんで愛撫あいぶする。丹精たんせいされた乳首ちくびには成熟せいじゅくしたエ...

  • 湖上こじょう疑惑ぎわく2)~10ねん真実しんじつ~(-5)

    「へえ……おぼえてた」「まあね」 はなかごが、いよ、というふうにおれへとなおる。 ヤッター、と小躍こおどりしたいくらいのよろこびを、渾身こんしん演技えんぎりょくかおにも挙動きょどうにもさず、かたわらへってよこになるおれ。はなかごがおれのかおせてキスする。みがいてよかった。ながれのままアダルトなディープキス。 そう、さけつぶれたこいつを介抱かいほうしたのは度目どめである。いち度目どめじゅうねんまえ新人しんじん研修けんしゅうげのよる。こいつに予約よやくされ (笑)かっこわらい、おんぶしておわり...

  • 湖上こじょう疑惑ぎわく2)~10ねん真実しんじつ~(-4)

    ――そして、スパークリング地酒じざけつぶれたはなかごをおんぶして、コテージへもどるおれ。 じゅうきゅうぎたばかりだが、盆地ぼんちなのであたりはもうくらだ。 リーリーリーリーリーリーリーリー 四方八方しほうはっぽうからのにぎやかすぎるむしこえかえるこえこえる。ちかくにぬまでもあるのかもしれない。心地ここちよいいにまかせ、フットライトにらされた小道こみち下駄げたらしてあゆむ。なつそうこうばしいにおい。よるふうがおれのかみらす。桁違けたちがいのむしおとされながら...

  • 湖上こじょう疑惑ぎわく2)~10ねん真実しんじつ~(-3)

    ――そして、やっと夕食ゆうしょくである。 スーさんから「こえかけてね~」とわれていたのにってちし、そのまま温泉おんせんったものだから、結局けっきょく蕎麦そばにありつけなかったおれたちだ。バイクにっていると振動しんどうのせいか空腹くうふくかんじにくくなるのだが、あさメシをべたきりみずしかんでいないのではらペコである。はなかご同様どうようのようだ。 食堂しょくどうは、母屋もやかいにあるさんじゅうじょうほどの座敷ざしきで、グループごとに天然てんねんたくならべられていた。登山とざんぐみらし...

  • 湖上こじょう疑惑ぎわく2)~10ねん真実しんじつ~(-2)

    ――そして。 怒涛どとう逆転ぎゃくてんホームランをさんはつげたおれとはなかごちしてしまい、夕方ゆうがたになってやっと温泉おんせんかった。途中とちゅういち度目どめめたが、はなかごていたのでまたをつむり、そのまま蕎麦そばべずにだいばくねむとなったのである。スーさんから内線ないせん電話でんわをもらわなかったら、まだねむりこけていただろう。 遅蒔おそまきながらあしれた浴場よくじょう露天風呂ろてんぶろも、きゃく一緒いっしょになり、さすがにエロいことはできない。(残念ざんねん――いや、そうで...

  • 湖上こじょう疑惑ぎわく2)~10ねん真実しんじつ~(ちゅう

    バックミラーで、後方こうほうのドゥカティを確認かくにんする。 おれは相棒あいぼう太股ふとももはさんでホールドし、スロットルをあけた。のぼりであろうとくだりであろうと、ブラインドカーブの鉄則てっそくはアウト・イン・アウトだ。コーナーにしかかったらアウトへ。旋回せんかいしつつ減速げんそくしてイン。がりると同時どうじにアウトへと加速かそくあらしのほかにも、スリップの要因よういんとなる落葉らくようこけ小石こいし砂利じゃりにも注意ちゅういする。雨粒あまつぶがシールドをたたいて視界しかいがさらに悪化あっかする。バックミラ...

  • 湖上こじょう疑惑ぎわく2)~10ねん真実しんじつ~(じょう

    ――このなつ。 おれは会社かいしゃめてたびる。 ブァァーン ブァァーン ブァァーン ドゥルンドゥルンドゥルンドゥルンドゥルンドゥルン たび相棒あいぼうは、スズキGSX1100Sカタナ。 日本にっぽんがたなさきをイメージしたといううつくしいスタイリング。いろいぶぎんおもわせるシルバー&ブラック。重厚じゅうこうなボディーと重厚じゅうこう心地ごこちはち年代ねんだい正統せいとうロードスポーツスピリッツを踏襲とうしゅうしつつ、現代げんだいてき洗練せんれんされたおれこのみのバイクだ。「久住ひさずみ(くすみ)...

  • たかろく> ―ふうみち兵庫ひょうごとおはんシリーズ)―

    しろけむりのなかで、はん太夫たゆうかた関節かんせつはずしてうでなわけ、すすめていたなわせんった。うしこしから爪白つまじろき、ちょうむくろたたむがごとくげてあしなわとす。おともなくたきぎうえった。 せんぞうはじめから、ころなどなかったらしい。そうでなければ、くそうずとしょうして火傷かしょうやくけたり、足許あしもとれたたきぎんだりはしない。がすことを想定そうていして、はん太夫たゆうこしつましろもどし、おにつままるれたたきぎうえよこたえたのだ。さらには外側そとがわ...

  • たか> ―ふうみち兵庫ひょうごとおはんシリーズ)―

    (どうなっているのだ……) つるふとしは、山荘さんそうにわ見渡みわたせるゆきこうむったうえにいる。 じゅうさんだいかげかりたか鷹見たかみ頼近よりちかいのちけ、兵庫ひょうごかいはん太夫たゆうもとへとさんじたのだが、そのうつったのは、兵庫ひょうごかいへと射掛いかけられ、はん太夫たゆう火炙ひあぶりにされているこの有様ありさまだ。「りゅうはじめ殿どのッ!」 よろける法衣ほうえ姿すがた入道にゅうどうに、陣笠じんがさこうむった武士ぶしる。ひざをついた入道にゅうどうはらに、粗末そまつ竹槍たけやりさっている。「おぬれ……謀反むほんじんが……」 入道にゅうどうみにくかおをさらに...

  • かげさまで10周年しゅうねん\(^o^)/特別とくべつ企画きかく(?)進撃しんげき半兵衛はんべえw

    初夏しょかむかえた名賀ながうらの、あるうららかなあさ突如とつじょ、ズシーン、ズシーンとれて、がる土埃つちぼこりにあたりがかすむ。「なんでえ、なんでえ! なにきたんだい?」 のきからわらわらとてきた町人ちょうにんたちのに、てん巨大きょだいにくはしらほん。しかもはしらうえにはどうがあり、ほんついていてあたままである。「でっ、でっかいおとこだ! でっかいおとこがいるぞ~~」 そして、船宿ふなやどかいまどから、面倒めんどうくさそうにそとうかが伊十郎いじゅうろうである。「...

  • たかよん> ―ふうみち兵庫ひょうごとおはんシリーズ)―

    おびただしいかずとりれが、黒雲くろくものごとく雪空ゆきぞらおおってゆく。そのてられるかのようなつばさ背後はいごに、野獣やじゅうのごとくやまける兵庫ひょうごかい姿すがたがあった。には竹槍たけやり藁沓わらぐつこそいているが下帯したおびひとつの裸体らたいである。やま寒気さむけ容赦ようしゃなく皮膚ひふすも、兵庫ひょうごかいわかからだあせれ、湯気ゆげげている。――よいか、ぬしをりに役人やくにんどもが、ぬしの女房にょうぼうころそうとしておる。ぬしの不遇ふぐうも、黒部くろべじい怨念おんねんも、すべては鷹見たかみいえ勝手かってが招...

  • たかさん> ―ふうみち兵庫ひょうごとおはんシリーズ)―

    「いいのこすことがあれば、うかがもうす」 せんぞうが、丸木まるきばしらしばられたはん太夫たゆうへとちかづいてくる。粉雪こゆきがまた、ちらちらといだした。 目付めつけいちぎょう到着とうちゃくし、無数むすう篝火かがりびかこまれた山荘さんそうは、真昼まひるのごとくあかるい。生垣いけがきそとではたたかえそなえをしたひゃくにんほどの武士ぶしたちが物々ものものしくうごめいている。はん太夫たゆうしばられたまま、さんしゃくたかいところからそれらをていた。もはや見分けんぶんというより、討伐とうばつという風情ふぜいである。「これはしかり。それではこえせませぬな」 せん...

  • たか> ―ふうみち兵庫ひょうごとおはんシリーズ)―

    ったがけ沿よる雪路ゆきじみっつの人影ひとかげがある。ししでも難渋なんじゅうしそうなけわしいみちはや足取あしどりで蓑笠みのかさ姿すがたのいずれもが、上背うわぜいのある屈強くっきょうそうな若者わかものだ。「つるふとしさま、きついようなら、ぼうひとりでまいります」 さきをゆく巨漢きょかんが、心配しんぱいがおける。いしきりぐみふとしおおとり(たほう)である。をゆくおとことてろくしゃく大男おおおとこであるも、それよりさらにすんほどもたかい。としじゅうとまだわかく、いかつい体躯たいく似合にあわずかおはふっくらして愛嬌あいきょうがある。瘴...

  • たかいち> ―ふうみち兵庫ひょうごとおはんシリーズ)―

    ゆきんでいたが、暗黒あんこくそらはつつきえない。 はん太夫たゆうった痩身そうしん罪人ざいにんのごとく丸木まるきばしらしばられ、篝火かがりびともされた中庭なかにわた。その足許あしもとに、イぐみしゅによってたきぎげられてゆく。イぐみあたまであるいのせんぞうは、はん太夫たゆう火炙ひあぶりにするつもりらしい。 はん太夫たゆうは、さんしゃくほどたか場所ばしょから、生垣いけがきめぐらせたはちじゅうつぼほどのゆきにわ見渡みわたす。たきぎ二人ふたりほか人影ひとかげはないが、イぐみ面子めんつはちにんいているから、おそらくどこかにる...

  • 謹賀きんが新年しんねん2021

    けましておめでとうございます。昨年さくねんちゅうはご贔屓ひいきたまわり、ありがとうございました。本年ほんねんもひきつづき、よろしくおねがいいたします。けないよるいといますが、コロナちゅうでもとしけるんですね。昨年さくねん世界中せかいじゅうがコロナに震撼しんかんした未曾有みぞうとしでありました。東京とうきょうオリンピックは延期えんき私事しじでは、ようがあって帰省きせいすれど実家じっか敷居しきいまたげないという状況じょうきょうがつづいております。今年ことしはごくあたりまえの日常にちじょうもどせる希望きぼうとしであってよく...

  • 月夜つきよ枇杷びわ(4)完結かんけつ

    「なれば、おれがむすびのかみか」 伊十郎いじゅうろうかえって、ニヤッとわらう。 半兵衛はんべえは、じゅうよんねんまえおもいからかえった。 うすくもれて、つきひかりがあたりをえとらす。「まなかったな。折角せっかく逢瀬おうせをぶちこわしてしまった」「なんの、半兵衛はんべえうれしゅうござりましたぞ。おまえさまけむたがられているとばかり」「けむたがっておるわ」「左様さようで」「それゆえ、はよよめをもろうてやらねばと、戸田とだむすめったのだ」 あるした伊十郎いじゅうろう...

  • 月夜つきよ枇杷びわ(3)

    (なにゆえ……) 半兵衛はんべえは、伊十郎いじゅうろうってあつ戸外こがいた。こともあろうにわたるきち交合こうごうしていたとなり部屋へや伊十郎いじゅうろうたのだ。(からぬ) とおざかる白絣しろがすりに、門前もんぜまちのき提灯ぢょうちんかりがあわ火色ひいろらしてえる。やみにまぎれてゆくわか姿すがたいながら、半兵衛はんべえ胸中きょうちゅう反芻はんすうする。伊十郎いじゅうろう今日きょう懇意こんいにしている町道場まちどうじょうったはずだった。ゆけばかなら馴染なじみの門弟もんていたちとよるおそくまで酒盛さかもりとなる。途中とちゅうけてたとはおもえぬ。...

  • 月夜つきよ枇杷びわ(2)

    「して、あのものはよくまいるのか?」「いいえ……そんなには……頻繁ひんぱんなときでも……つきいちくらいで……半年はんとしほども姿すがたせないときのほうが」「おまえは此所にきてななねんだともうしたが、それよりまえから、あのものわたるきちねんごろだったのか?」「へえ……じゅうすうねんごしのなかだと……わたるこれの哥さんは」 ふすまごしにひびわかこえきながら、わたるきちまくら行燈あんどんをそっとともした。(なにをしにたのやら?) わかさむらいはぼそぼそとひくたずねるばかりで、一向いっこういろっぽい...

  • 月夜つきよ枇杷びわ(1)

    わたるこれの哥さん。さけならわたしが——」「いや、おいらがゆくよ。おまえは、みな仕度したく手伝てつだっておやり」 おくからてきた下働したばたらきのみねが、もうしわけなさそうなかおをする。 わたるきちしぶ色目いろめ唐桟とうざんすそをまくって、素足すあしきぬいとぐち下駄げたっかけた。「それじゃあ、あんた。すぐもどってくるから、かいがってっていてくんねえ」 返事へんじをしないおおきな背中せなかみをくれ、わたるきちひょうた。無愛想ぶあいそうなのはいつものことだ。一言ひとことくちかぬこ...

  • 上海しゃんはいサレル(6)最終さいしゅうかい

    「エル!」 出迎でむかえたエロールをるなり、ジョンがまるくする。くちひげがなくなっている。「どうだ、若返わかがえっただろう?」 すっきりしたはなしたでながらエロールがにやっとわらう。バスを使つかったばかりらしく、ローブの胸元むなもとしずくがついている。れた前髪まえがみ無造作むぞうさらした風貌ふうぼう学寮がくりょうにいたころのようだ。「どういう心境しんきょう変化へんかだ? ゆうべはにそうなかおをしてたのに……」 エロールのって、ジョンが室内しつないはいる。天井てんじょうからゆかまで...

  • 上海しゃんはいサレル(5)

    「ここで……さんにんで……ホテルのきゃく相手あいてに……売春ばいしゅんしているのかい?」「ユーラン、一番いちばんかせぎます。つぎ、ホンウー。ぼく、あまりかせげません」「あのおとこを……此処ここられてこようとしていたのかい?」 フェイシェがくびる。「かれき、ありません。チップ沢山だくさん、でも乱暴らんぼう、いやだったら、なぐりました。あなたたすけてくれた、いいじんさんドルでいいです」「どうして……ぼくが」「あなた、ぼく、やさしいです。うといつも微笑ほほえむ。あなた、...

  • 上海しゃんはいサレル(4)

    「ぼくのいえ」 フェイシェがこしてゆびす。おおきなやなぎ木陰こかげに、いまにもしずみそうな中国ちゅうごくしきふるびた小舟こぶね夜霧よぎりまとう昏い水面すいめんうかんでいる。小柄こがらうし姿すがたが、れた動作どうさ肩幅かたはばほどのせまくてきゅう石段いしだんりる。ぼろぶね舳先へさきにひょいとった。「フェイシェ。明日あした食堂しょくどうえるかな?」 エロールは石段いしだんなかほどでいた。「かおなおるまで、えません」 フェイシェがふねうえからくびる。「だったら、此処ここらいにていいか...

  • 上海しゃんはいサレル(3)

    濃厚のうこうみどり息吹いぶき静寂しじまよる庭園ていえんつつんでいた。 エロールはやみたたずみ、ものかなしさをみしめた。 と、後方こうほうからみじかさけびがこえ、はっとする。みみますと、くるしげなうめきが途切とぎ途切とぎれにこえてくる。「どうかしましたか?」 こえをかけたが返事へんじはない。エロールはベンチからこしをあげ、かべのようにそびえる月桂樹げっけいじゅ生垣いけがきこうがわへとはしった。四角しかくんだ生垣いけがき途切とぎれたところで、してきた大柄おおがらおとことぶつかりそうになる。...

  • 上海しゃんはいサレル(2)

    エロールは、さそわれるように敷石しきいしんであゆした。ひらけたしばにわさき円錐えんすいがた赤松あかまつのコニファーがならんでおり、しげみにはオールドローズがつよ芳香ほうこうはなってみだれている。 うつくしい英国えいこくしき庭園ていえんゆうするこのホテルは、もと英国えいこくじん船長せんちょう中国人ちゅうごくじんつまきゅうにんどもたちのためてた私邸していであったという。エロールはオールドローズの垣根かきね見上みあげながら、英国えいこくじん社会しゃかいつよ反対はんたい中国人ちゅうごくじん女性じょせいつまむかえたかれ勇気ゆうき憧憬どうけいねんを...

  • 上海しゃんはいサレル(1)

    舞踏ぶとうしつのちにしたエロールは、客室きゃくしつかう廊下ろうか途中とちゅううしろからきつかれた。「上海しゃんはいしてやる」 ころしたひくこえだったが、友人ゆうじんのジョン・バーシーだとぐにわかった。かれはケンブリッジの学寮がくりょう同期生どうきせいで、卒業そつぎょう、ロンドンの香港ほんこん上海しゃんはい銀行ぎんこう入行にゅうこうし、上海しゃんはい赴任ふにんしている。旅行りょこうしゃであるエロールにたいして、世話せわやくをかってていた。「どこのふねせるんだい? さむしょはごめんだよ」 大男おおおとこのジョンをかえしながら、エロールはほけ...

  • おとこどう男鹿おが用心ようじん<14>最終さいしゅうかい

    伊達だてさん?」 沈黙ちんもくするしろ横顔よこがおをのぞきこみ、おれはぎょっとした。 うっとりとしたあやしいつき、半開はんびらきの脣……(麝香じゃこうスイッチはいってる〜〜!)「伊達だてさん、しっかりっ! しっかりしてください〜〜 伊達だてさんっ!」 伊達だてさんのかた猛然もうぜんとゆすると、伊達だてさんがはっとしたふうにぴくっとふるえる。「おれ……また……やった?」「いいえ、セーフです。セ〜〜フ」 伊達だてさんが両手りょうてでピシャリと自分じぶんほおる。ズボンのまえ全開ぜんかいにし...

  • おとこどう男鹿おが用心ようじん<13>

    「かっ……じますか?」「うっ、ん……はあ、かんじる」 こしらしながら、伊達だてさんがれにう。 おれはくちびる使つかいつつ、懸命けんめいしたうごかした。キスだけは! キスだけは! 上手じょうずになったとめられたのだっ!「あっ、あっ、あっ、ぁあっ……ダメ、てつ……イクっ!」 しろ太股ふとももをつっぱらせ、伊達だてさんがおれのかみをつかんで胴震どうぶるいする。 おれは———ついに、(んだっ〜〜)「ハァ、ハァ……ばか、そんなに、うから……ハァ……イっちゃっ...

  • おとこどう男鹿おが用心ようじん<12>

    「んじゃ、やるか」 沈黙ちんもくをやぶって、伊達だてさんがぽつりとう。「ならあのう……」「おう」「ならあのう……おれ」「おう」 伊達だてさんがレジャーシートにだいになってをつぶる。「じゃあ、あのう、ハァ、ハァ……失礼しつれい、しますぅ〜〜」 うがはやいか、ふんどしひとつのしろからだにむしゃぶりつく。すべすべののどいつき、鎖骨さこついつき、ハァハァとししのようないききながら、悲願ひがんのかわいらしいちっちゃな乳首ちくびいつく。 したさわるとつん...

  • 謹賀きんが新年しんねん2020

    元年がんねんけて、れいねんとなりました。元号げんごうみっまたぐなんて、昭和しょうわとおくなってゆく〜〜は、さてき。昨年さくねんちゅうはご贔屓ひいきたまわり、しんよりおれいもうげます。本年ほんねんつづき、おいただけましたらうれしいです。さて。今年ことし久々ひさびさ関東かんとう年越としこしをしました。ここすうねん実家じっかっておりましたので、年末ねんまつ掃除そうじまったくしておらず(あせ)なもので、今年ことしこそはとマジで掃除そうじをした結果けっか翌日よくじつ筋肉きんにくつううごけませんでした(;∇;)(なさけなや〜)...

  • おとこどう男鹿おが用心ようじん<11>

    「へくしっ!」 寒気さむけにぶるっとふるわせ、おれはガラスとびらしてオトコメロンの温室おんしつもどった。 室内しつないにおいと植物しょくぶつにおいで充満じゅうまんしているものの、ガラスをかせて月光げっこうがそそぎ、ほかほかとあたたかく、布団ふとんとまではいかないけれど、レジャーシートと毛布もうふがあったはずだ。 おれは寝床ねどこをつくるべく、たなからレジャーシートをして、戸口とぐちわきいているスペースにいそいそといた。 伊達だてさんは通路つうろにしゃがんでオトコメ...

  • おとこどう男鹿おが用心ようじん<10>

    伊達だてさん。そういうときは、これからはおれをんでください。それから麝香じゃこうしゅうえるまで、伊達だてさんはそとちゃ駄目だめです! 大体だいたいそんな大事だいじなこと、どうしておれにってくれないんです? 水臭みずくさいじゃないですかっ!」「すまん。なんか……カッコわるくて……おこってるか?」「おこってますよ」 おれはひくった。 えたおおかみのごとくむらがってきた密命みつめいだんまえで、伊達だてさんがあのだい満月まんげつ蠢惑悪魔あくまになったのではないかとおもうと、ドロドロとし...

  • おとこどう男鹿おが用心ようじん<9>

    おれは行進こうしんする男鹿おがたちをいこし、木々きぎにおおわれたよる山道さんどうがった。冬枯ふゆがれたこずえかられる月明つきあかりをたよりに、つまづきながらものぼってゆくと、徐々じょじょふえおとちかづいて、さむらいダウンジャケットのバックプリント〈SAMURAI〉のしろ文字もじ鹿しかかげから垣間見かいまみえる。「伊達だてさんっ!」 男鹿おが軍団ぐんだんけ、伊達だてさんのよこにならぶ。けれども伊達だてさんは、おれにもくれず、横笛よこぶえらしながらよる山道さんどうのぼってゆく。「伊達だてさん!...

  • おとこどう男鹿おが用心ようじん<8>

    謙一けんいち目障めざわりだ、みだせ!」 バルコニーから、明智あけちさんのこえぶ。「目障めざわりなら、あなたがせばよいでしょう。大友おおともくんには文句もんく権利けんりがある」 上杉うえすぎがきっぱりとかえす。明智あけちさんにさからう上杉うえすぎをおれははじめてた。「問答もんどう無用むよううわけか」「男鹿おがまどわされたあなたとかたれるのは、もはやけんのみ」 上杉うえすぎさむらいダウンジャケットをすてて、竹刀しないく。表情ひょうじょうしたつめたいかお。こんな上杉うえすぎたことない。「いいだろう」...

  • おとこどう男鹿おが用心ようじん<7>

    ケーン! ケーン! ケ〜〜ン! だい満月まんげつひかりにそまった鶴丸つるまる中央ちゅうおう広場ひろば)は、すうじゅうとうもの男鹿おがたちでひしめいていた。せつなくいてはかくわせ、しばべたりそべったりしてがものかおでのしあるいている。 晩秋ばんしゅうのキンとえた、糞尿ふんにょうくさい(麝香じゃこうくさい)夜気やきなか、おれと毛利もうり男鹿おがをよけて鶴丸つるまるっきり、冬枯ふゆがれたはやしはいった。だい満月まんげつひかり木々きぎかしてさえ、かなりあかるく、そのぶんくろ々としたかげをくっきりといて...

  • おとこどう男鹿おが用心ようじん<6>

    むかえに?」「そのめえにひとっておく。このさわぎ、おめえの所為せいだぜ。みなみな、おめえみてえなわけじゃあねえ。あぶれチゴもいれば、てチゴもいる」 毛利もうりひくって、おれはいきんだ。 《あぶれチゴ》は、文字通もじどおりあぶれたチゴのことで学年がくねんよんにんいる。そして《てチゴ》は、ちぎっていながらニセにかえりみられないチゴのことだ。(別所べっしょは……てチゴなのか?) 別所べっしょのニセの曽我部そがべさんは、ぜんゆうげきたいだ。ごつくて一見いっけんこわそう...

  • おとこどう男鹿おが用心ようじん<5>

    「ふっ……ざけんなっ!」 うでをつっぱらせてかえす。けれどもやつは、ものすごちからでおれをさえつけ、むしいきおいでおれのベルトをはずそうとする。「やめろっ! はなせっ!」 やみなかい、ひざる。 やつが、うっとうめいて、おれのこしからはなす。「はァ、はァ……ふ、ざけんな馬鹿ばかげっ!」 苛立いらだちと自己じこ嫌悪けんおに、おれは怒鳴どなった。手探てさぐりでベッドからり、かべをつたって廊下ろうかる。 と、背後はいごからタックルされ、つんのめって廊下ろうかに...

  • おとこどう男鹿おが用心ようじん<4>

    おそろしいほど巨大きょだいな、無気味ぶきみなほどあおだい満月まんげつが、晩秋ばんしゅう夜空よぞらのぼる。 ケーン! 秩父ちちぶ麝香じゃこう男鹿おがが、つきむかって力強ちからづよく。 ケーン! (やりてえ!) ケーン! (やりてえ!) ケ〜〜〜ン! (やりてえぇぇよぉぉ〜〜〜〜!) 朗読ろうどくテープのおかげでバイリンガルのうになったらしいおれには、男鹿おがこえがはっきりこえた。 あたりいちめんものすごい糞尿ふんにょうしゅうというか、ケモノしゅうというか、るかのようなすさまじい麝香じゃこうしゅうにむせかえし...

  • おとこどう男鹿おが用心ようじん<3>

    「けど……毛利もうりが」 おれはてっきりたけしょう夜襲やしゅうをしかけてくるのかと。(たしかに、夜襲やしゅう戒厳かいげんれいいたらたたかえないよな……)「戒厳かいげんれいかないよ。それぞれがさむらいとして自身じしんりっしていれば、問題もんだいこらないはずなんだ」「なら、なんで毛利もうりがあそこまで?」「毛利もうりくんが懸念けねんしたのは、今夜こんやだい満月まんげつだからだよ」 上杉うえすぎおも溜息ためいきをついてうでむ。「戒厳かいげんれいとまではいかなくとも、戸外こがいるのは自粛じしゅくしたほうがいいね」「戸外こがい?」「うん...

  • おとこどう男鹿おが用心ようじん<2>

    「……ないね」 探知たんちうごかしながら、上杉うえすぎう。「そんなはずはない!」 おれははなあなふくらませてった。 翌日よくじつ放課後ほうかごである。まどそと晩秋ばんしゅうはや夕暮ゆうぐれがせまりつつあり、カラスたちがきながらせわしなくばたいている。「けど、反応はんのうしないよ。これ警視庁けいしちょう使つかっている最新さいしんがたなんだけどな」 おれの部屋へや見回みまわしながら、上杉うえすぎ溜息ためいきをつく。色白いろじろのきりっとしたかしこそうなかお銀縁ぎんぶち眼鏡めがねをかけている。中肉ちゅうにく中背ちゅうぜいでどちらかとえ...

  • 男鹿おが用心ようじん<1>

    山里やまざとあきこそことにわびしけれ 鹿しかおとをさましつつ びとらず『古今ここん和歌集わかしゅう』 〈鹿しか〉は、あき季語きごだ。 なぜかとえば、あき鹿しかこいぶし交尾こうびぶし)。男鹿おが独特どくとくんだたかこえき、かくわせて、こい縄張なわばりのためたたかうので動物どうぶつたちより目立めだったらしい。 だからむかしから、あきといえば男鹿おが。 そして、ここ秩父山ちちぶやまちゅうにある全寮ぜんりょうせい男子校だんしこう武徳ぶとく学園がくえんあきといえば、《男鹿おが》なのである———が、し...

  • 伊十郎いじゅうろう執念しゅうねんこいもよう<さん完結かんけつ

    「おおおおおおお」 伊十郎いじゅうろう瞠目どうもくしたままえた。ひかりしょうりゅう体長たいちょうは、二丈にじょうやく6.06メートル)ほどもあろうか。薄闇うすやみしゅきんうろこがきらきらとかがやいてまばゆいばかりである。と、きをえ、伊十郎いじゅうろうへとこうせまってくる。「おッ」 こえはなった刹那せつな伊十郎いじゅうろうしょうりゅうがおのれのからだとおけるのがわかった。つぎ刹那せつな伊十郎いじゅうろう戸外こがいにいた。しょうりゅうにつかまり、夜空よぞら飛翔ひしょうしている。すこしふっくらしたつきが、うすくもながれる夜空よぞらかって...

  • 伊十郎いじゅうろう執念しゅうねんこいもよう<

    天狗てんぐは、そうもうしていた」「天狗てんぐ……おぬしをそだてたとう?」「まだ鼻血はなぢまらぬのか?」 こいぞうあんじるように眉根まゆねせる。 伊十郎いじゅうろうおよがせながらうなずいた。こいぞう背中せなかのそれがあざではなく、きているりゅうであることはたしかに伊十郎いじゅうろうおどろかせたが、鬼火おにびとう轟音ごうおんとどろくしおうずしずめたこいぞうであれば、りゅう化身けしんであったとて今更いまさらおどろきはしない。それよりけてこいぞうの、小豆色あずきいろ下帯したおびむすんだちいさなしろしりしりあらたな鼻血はなぢ...

  • 伊十郎いじゅうろう執念しゅうねんこいもよう<いち

    おとこいだくのははじめてではない。かずこそすくないが、陰間かげまあがりの玄人くろうとからいちとおりのことはおそわった。とはいえ、まないたっただけ、とえなくもない。いや、最後さいご伊十郎いじゅうろう主導しゅどうにぎり、おとこたちをよろこばせてやった。いや、上手じょうずにおだてられ、そうなるよう仕向しむけられただけ、だったのやもしれぬ。なににせよ相手あいて陰間かげまあがりであるから、そこらへんをあるいているふつうのおとことちがってなよやかで、言葉ことば所作しょさ万事ばんじがやさしくいろっぽかった。 ...

  • 伊十郎いじゅうろう執念しゅうねんこいもよう<なか

    「おや、鷹見たかみさま。ずいぶんおそもどりで」 きよしくもてら門前もんぜんで、檀家だんか寄合よりあいからもどってきたという住職じゅうしょくとばったりう。はん午後ごごきゅう)をぎていたから、たがいに提灯ちょうちんげている。「知人ちじんいえでいささか馳走ちそうになりもうした」 伊十郎いじゅうろうかくさずにかえした。たますけおくっていった筑前ちくぜんもり屋敷やしきで、その筑前ちくぜんもり鉢合はちあわせし、そのままぜひれいをしたいとめられたのである。「それはようござりましたな」 ろう住職じゅうしょく鷹揚おうようかえす。伊十郎いじゅうろうつ...

  • 伊十郎いじゅうろう執念しゅうねんこいもよう<うえ

    鷹見たかみ伊十郎いじゅうろうが、木船きふねまちにさしかかったのは、夕暮ゆうぐちかくになってからである。 木船きふねまちさかまちさかいとなる山那やまな彦神しゃ参道さんどううめ多数たすうえられ、した白梅はくばいが、にちかたむきだした往来おうらいはるめいたあまやかな芳香ほうこうたしていた。 はるってもまだゆきのちらつく時節じせつであるから、伊十郎いじゅうろう編笠あみがさこうむり、着流きながした黒羽くろはじゅう小袖こそで江戸えどふうまんすじ文様もんようめぬいたはいあおちょう羽織はおりをつけていた。かたまでびた断髪だんぱつくびうしろでわえ、しろ献上けんじょうおび...

  • はな月夜づきよ>―兵庫ひょうごとおはんシリーズ・七郎しちろう外伝がいでん

    (※ちゅう登場とうじょうする七郎しちろう女房にょうぼうめいは「はん太夫たゆう」ですが、『兵庫ひょうごとおはん』の「はん太夫たゆう」と混同こんどうしそうなので「七郎しちろう」と表記ひょうきしております。 ややこしくてすみません。(;´∀`) さんおおっていた瘴気しょうきはらわれ、枝葉えだはかせて十三夜じゅうさんやがつあかるいひかりしていた。 七郎しちろううしなったげん也をりょううでいて、いた山道さんどうへともどる。(おかるくなった……) もともと丈夫じょうぶしつではないうえに、体力たいりょくのみならず精神せいしんりょくをも酷使こくしするかげかりたびを、なな...

  • はな月夜づきよまえ>―兵庫ひょうごとおはんシリーズ・七郎しちろう外伝がいでん

    (※ちゅう登場とうじょうする七郎しちろう女房にょうぼうめいは「はん太夫たゆう」ですが、『兵庫ひょうごとおはん』の「はん太夫たゆう」と混同こんどうしそうなので「七郎しちろう」と表記ひょうきしております。 ややこしくてすみません。(;´∀`) 「く」 れた山道さんどうあゆんでいたげん也が、ふいにこえはっしてどまる。 みちふさえだくさはらいながらさきあるいていた七郎しちろうは、むっわかい、おのがおもへとかえった。そらには十三夜じゅうさんやがつかっていたが原生げんせいする巨木きょぼく放題ほうだいえだ々にさえぎられ、そのしろい、凛々りりしい...

  • 薩摩さつま秩父ちちぶカルテット+御館みたてさま♪(Slow Luv♡勝手かって応援おうえん企画きかく

    薩摩さつま秩父ちちぶカルテット+御館みたてさま?) おれはくばられたチラシに見入みいる。(カルテットって……よん人組にんぐみのことだよな?)(プラスおやかたさまって……なに?) りバスにられながら、おれはくびかしげる。 車窓しゃそうそとあめ――あめ――あめ―― ひさしぶりの東京とうきょうどんよりした雨雲あまぐもおおわれ、時折ときおりつよあめれて、くらくじめっとしている。 ヨハネス・ブラームスさく ピアノ重奏じゅうそうきょく短調たんちょう作品さくひん34
 数多すうたのピアノ重奏じゅうそうきょくなかでも最高さいこう傑作けっさくひょうされる...

  • 暗黒あんこくじゅういちよんしょう完結かんけつ! ―ふうみち兵庫ひょうごとおはんシリーズ)―

    けてはならぬ!」 つるふとし背後はいごから、のごとくするどい、えた声音こわねんだ。棺桶かんおけをとりかこものどもの、血走ちばしった眸子ぼうし一斉いっせいにそちらをつぎ瞬間しゅんかん、ぞっとはだあわてる。 いつからたのか、つるふとしのすぐうしろ、一間いっけんほどはなれたさききょうしたがえた若武者わかむしゃっている。いろしろい、ほっそりした若者わかものである。総髪そうはつにしているも、火影ほかげにうかぶやさしげな貌は若衆わかしゅといってもとおることだろう。ふっくらとったあかるい色目いろめ上等じょうとう小袖こそで綾織あやおり...

  • ばれんたいん秘話ひわあるまわぐみ完結かんけつへん

    神永かみながです。ヴァレンタインデイ、ぎてしまいましたね……( ;∀;)あいだいませんでしたが、めげずにおとどけいたします。さて。『あるまわぐみ』 ☜おぼえておられますか?前編ぜんぺん(?)をおとどけしてから、はやろくねんっ!!!今年ことしこそはとおもいつつ、なかなかおとどけすることができなかった後編こうへんを、前編ぜんぺんともども一挙いっきょ掲載けいさいいたします。たのしんでいただけましたら、うれしいです(≧◇≦) あるまわぐみ(ばれんたいん秘話ひわ) ちよこらあとなるしな...

  • みたいCP投票とうひょう企画きかく発表はっぴょう!ヾ( ̄∇ ̄=ノ ☆*:.。.

    神永かみながです。「迎春げいしゅん2019」の記事きじから唐突とうとつまれた『みたいCP投票とうひょう企画きかく』(笑)投票とうひょう期間きかん終了しゅうりょうしましたので、結果けっか発表はっぴょうさせていただきますね。そう投票とうひょうすう、656ひょう。スゴイです。そしてチャンピオンCPにかがやいたのは、なんと「鷹見たかみげん也と七郎しちろう」☆*:.。. 順位じゅんい以下いかとおり。1 鷹見たかみげん也と七郎しちろうかげかりたか」200ひょう 2 久住ひさずみはなこめ疑惑ぎわく」85ひょう 3 羽仁はにとゆき「かくれ」71ひょう 4 柘とリュイ「上海しゃんはいてき情人じょうにん」67ひょう5 ...

  • 伊十郎いじゅうろうへの100の質問しつもん<ファイナル> ―鷹見たかみ伊十郎いじゅうろうシリーズ―

    またしても、あっという日々ひびぎ、スポンサー広告こうこくてしまいました〜(;^ωおめが^) リアルはすっかり日常にちじょうですが、「みたいCP投票とうひょう企画きかく\(◎o◎)/」がおもいのほかがっていてたのしませていただいております。 現在げんざいだんトツトップCPは、なんと「鷹見たかみげん也と七郎しちろう」!!! まさに意外いがい(笑) あのどシリアスなスプラッタ―時代じだいげきふうみち』をたのしんでくださっているほうおもっているよりおおいということでしょうか? しかも「序章じょしょう...

  • みたいCP投票とうひょう企画きかく\(◎o◎)/

    神永かみながです。「迎春げいしゅん2019」の記事きじきながら、ふいにおもった『みたいCP投票とうひょう企画きかく(笑)かっこわらいいそぎでなかったら、ぜひ投票とうひょうしていってください。・〆切しめきりがつさんにち節分せつぶんまで。・投票とうひょういちにちいちかいひょうです。・選択肢せんたくしみたいCPがないときは、「あたらしい選択肢せんたくし」のらんんでください。・コメント歓迎かんげい\(^o^)/投票とうひょうすうおおかったCPの短編たんぺんをおとどけします .。.:*どのCPがみたいチャンピオンにかがやくのか、たのしみにってます~~(^.^)/~...

  • 迎春げいしゅん 2019

    昨年さくねんちゅうはご贔屓ひいきたまわり、しんよりおれいもうげます。のろのろ更新こうしんではありますが、本年ほんねんきつづき、おいいただけたらうれしいです。さて。わたし年末ねんまつは、実家じっかでひたすら障子しょうじり(;^ωおめが^) ふるいえなので、いち部屋へやにつき、まどめん廊下ろうかめんめん障子しょうじがあり、それぞれまいぐみなのでけいよんまいちゃまどめんあいだなので障子しょうじよんまい廊下ろうか雪見ゆきみ障子しょうじとあわせるとろくまい客間きゃくま寝室しんしつあね部屋へやはは寝室しんしつ納戸なんど。すべてをぜんちょうがえしたわけではな...

  • 暗黒あんこくじゅう> ―ふうみち兵庫ひょうごとおはんシリーズ)―

    (なにゆえ……イぐみが?) はん太夫たゆう眉根まゆねせる。ならしばしゅ頭目とうもく直属ちょくぞくのイぐみは、鷹見たかみ当主とうしゅかげもりとしてあつめられた格別かくべつくみである。そのあたまであるいのせんぞうあらわれるなど――「まる。わしがいというまで、部屋へやてはならぬ」 緊張きんちょうするまるのこし、はん太夫たゆう手燭しゅしょくって、ちいさいながら式台しきだいもうけた表玄関おもてげんかんかった。通常つうじょうしのびは表玄関おもてげんかんなど使つかわぬ。おおやけ用向ようむきか、身分みぶんたか武家ぶけ名代なだいであるときをのぞいて――(江戸えど殿しんがりつかい?) しき...

  • 暗黒あんこくきゅう> ―ふうみち兵庫ひょうごとおはんシリーズ)―

    はん太夫たゆう下肢かしにこびりついた血糊ちのりぬぐい、裂傷れっしょうった箇所かしょ木菟みみずくがつくった霊薬れいやくった。いたみはあるも、えられぬものではない。一刻いっこくはやく、あめがつまるさらわれた兵庫ひょうごかいつけださねばならぬのだ。 呪法じゅほうしるししるしたむね武具ぶぐ仕込しこんだ胴衣どういをつけ、身支度みじたくはじめる。木菟みみずくによれば、あめがつまるあおおきなあやつり、西にしまる若君わかぎみ呪詛じゅそするほどの妖力をもっているという。いま兵庫ひょうごかいでは太刀打たちうちできぬと――「兵庫ひょうごかいさま……」 むねいたみをしぼり...

  • 暗黒あんこくはち> ―ふうみち兵庫ひょうごとおはんシリーズ)―

    かんそとより、太鼓たいこおとこえだす。またたときぎ、期限きげんはんこく一時いちじあいだ)になろうとしているらしい。らされる太鼓たいこは、それをしらせる合図あいずだ。「つるふとしさま退しりぞいてくださりませ。もはや刻限こくげん瘴気しょうきどくにやられもうす!」 おどかってくえおにばらいつつ、瑞木みずき(みずき)がさけぶ。しのびは白兵戦はくへいせんなどやらぬものだが、瑞木みずきはそれにけている。天井てんじょうかべ破壊はかいされたいのどうは、結界けっかいふうじられるまえの、ひとくえおに壮絶そうぜつあらそいを...

  • 伊十郎いじゅうろうへの100の質問しつもん<其之> ―鷹見たかみ伊十郎いじゅうろうシリーズ―

    あっといういちげつ…(;^ωおめが^) じりじりといてはいるんですけれど、ね。週末しゅうまつごとになにかしら所用しょようがあり、おもうようにはかどりません。 てなわけで、『暗黒あんこく はち』にわって、久々ひさびさに『伊十郎いじゅうろうへの100の質問しつもん』をおとどけします。とはいえ、<其之よん>をおとどけしてから、なんとねんじゅうカ月かげつ……(;´∀`) わすれちまったほうはコチラから → <其之いちは、鬼火おにびとうでの死闘しとうのあと。 満身まんしん創痍そうい伊十郎いじゅうろうは、網代あじろそう半兵衛はんべえ見張みはられな...

  • 暗黒あんこくなな> ―ふうみち兵庫ひょうごとおはんシリーズ)―

    はん太夫たゆうは、つほどのいかりをかんじた。むくろはずかしめるかばねおにのろいと、しんみにじるぎゃくのろいしばられた黒部くろべ伝右でんね衛門えもん無念むねん―― 眸子ぼうしやしてにらえると、あめがつまる女人にょにんのごとくやさしげな口許くちもと冷笑れいしょうがうかぶ。「意地いじったとて、どうにもならぬ。ききいれぬともうすなら、黒部くろべ同様どうよう、そのかばねおにとなり、さとほろびる。それでもかまわぬと?」「かまわぬ! おのれもさとめつぼうとたかばす! それがわれならしばもののほこりじゃ!」「...

  • 暗黒あんこくろく> ―ふうみち兵庫ひょうごとおはんシリーズ)―

    はらのなかで、へびうごめいている。 胎蛇のじゅつ腹中ふくちゅうんだ、あの白蛇しろへびだ。(調しらべはもう……んだのではなかったのか?) はん太夫たゆう苦痛くつうをよじった。へびうごめくたびに、むくろしんけるようないたみがはしる。ふいにおおきくさぶられ、「ああッ……」 はん太夫たゆうけた。かす視界しかい行燈あんどんかりがえる。はん太夫たゆうはおのれが何処どこにいるのかわからなかった。それどころか、おのれのなにこっているのかも。 はん太夫たゆうはなにもにつけ...

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