内容ないよう紹介しょうかい

 本書ほんしょは、「Linux（リナックス）」の心臓しんぞう部ぶにあたるカーネルについて理解りかいを深ふかめ、Linuxを本格ほんかく的てきに学まなぶ人ひとのための「初はじめて読よむLinuxカーネルの専門せんもん書しょ」です。1991年ねんに一人ひとりの大学生だいがくせいが趣味しゅみで開発かいはつを始はじめたLinuxというOSは、今いまや、あらゆる分野ぶんやで使つかわれていると言いっても過言かごんではありません。組くみ込こみ機器ききやスマートフォンなどのモバイル機器きき、パソコンのOSとしてはもちろん、スーパーコンピュータのOSとしても使つかわれています。

 LinuxのカーネルはOSS（Open Source Software）として開発かいはつされていて、ソースコードがすべて公開こうかいされています。そのソースコードを調しらべれば、機能きのうの詳細しょうさいや動作どうさの仕組しくみが分わかりますし、改造かいぞうして好すきなようにカスタマイズすることもできます。

 本書ほんしょの狙ねらいは、Linuxカーネルについて知しりたい方ほうに、学習がくしゅうの「入いり口くち」を提供ていきょうすることです。まずはカーネルの全体ぜんたい像ぞうを把握はあくして実験じっけんできるように、概要がいよう解説かいせつとモジュールの管理かんり方法ほうほう、ビルド手順てじゅんの紹介しょうかいから始はじめています。後半こうはんでは、主おもだった機能きのうをピックアップし、動作どうさに必要ひつようなハードウエアに関かんするものを含ふくめて仕組しくみをやや詳くわしく解説かいせつしています。

 今回こんかい改訂かいていした第だい2版はんでは、カーネルやディストリビューションの変化へんかに合あわせて内容ないようをアップデートすると共ともに、「プロセス間あいだ通信つうしん」「仮想かそう化か機能きのう」についての解説かいせつを追加ついかしました。

＜目次もくじ＞
第だい１章しょう Linux カーネルの基礎きそ
第だい２章しょう Linux カーネルのモジュール管理かんり
第だい３章しょう Linux カーネルのビルド方法ほうほう
第だい４章しょう タスクスケジューラの仕組しくみ
第だい５章しょう 仮想かそうメモリーを実現じつげんする仕組しくみ
第だい６章しょう コンテキストスイッチの仕組しくみ
第だい７章しょう 物理ぶつりメモリー管理かんりの仕組しくみ
第だい８章しょう ファイルシステムの仕組しくみ
第だい９章しょう プロセス間あいだ通信つうしんの仕組しくみ
第だい10章しょう 仮想かそう化か機能きのう「KVM」の仕組しくみ