今、東京のあちこちで進む大規模な再開発。現場をぐるりと覆う仮囲いの向こうでどんな工事が進んでいるのか。あるいは、姿を現した新たなランドマークはどのように街を変えていくのか。新刊『東京大改造2030 都心の景色を変える100の巨大プロジェクト』から紹介します。第5回は「六本木ヒルズ周辺」編です。(記事は同書のベースとなった日経クロステック連載「東京大改造」より転載・一部変更)
野村不動産とケン・コーポレーション(東京・港)は2023年2月15日、「西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発事業」で、権利変換計画の認可を東京都知事から受けたと発表した。「六本木ヒルズ」(03年竣工)が開業してちょうど20年。その隣地で高さ約200mの超高層ビルを建設する再開発工事が動き出す。
東京・西麻布に高さ約200mの超高層ビルが誕生する。総事業費は約804億円。資料は完成イメージ(出所:野村不動産、ケン・コーポレーション)
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計画地は東京メトロ日比谷線と都営地下鉄大江戸線の六本木駅近く。六本木ヒルズの西側に隣接するエリアで、敷地面積は約1万6000m2だ。超高層ビルを建設するほか、広場や歩行者デッキの整備、寺社の再配置、車道の拡幅をする。23年度に解体工事に着手し、28年度の竣工を予定している。総事業費は約804億円だ。
超高層ビルは地下4階・地上54階建てで、高さ約200m。延べ面積は約9万7010m2だ。制振構造を採用する。基本設計は梓設計、実施設計は同社と大成建設が担当する。施工は、「特定業務代行者の大成建設を予定しているが工事契約は未了」(野村不動産コーポレートコミュニケーション部)である。
地上6~45階に約500戸の住宅
超高層ビルには住宅やオフィス、ホテル、商業施設を入れる。地上6~45階が住宅で、住戸数は約500戸にする予定だ。4、5階がホテルのロビーとバックオフィス、46階がスパ、フィットネス、47~52階が客室だ。「エリアにふさわしい国際水準の宿泊機能」を掲げ、外資系ラグジュアリーホテルブランドを誘致するとしている。商業施設とオフィスは地上1~3階に配置する。
計画地には長幸寺、妙善寺、櫻田神社の3つの寺社があるが、いずれも再配置する。敷地の北側と南側に計約3000m2の広場を整備し、一部を緑化する。北側の広場は歩行者デッキを介して「六本木ヒルズクロスポイント」(11年竣工)と接続する。広場は超高層ビルの低層部に設けた商業施設との連携によって、にぎわいを創出する場にする。またマンホールトイレや防災シェルターといった防災機能を備え、災害が発生した際は一時的な避難場所として使うことを検討している。
このほか東側を通る都市計画道路「テレビ朝日通り」は現状の幅員約10mから15mに拡幅する。野村不動産とケン・コーポレーションは今回の再開発事業で、「周辺市街地と調和した緑豊かで魅力ある複合市街地の形成を目指す」としている。
計画地の敷地面積は約1万6000m2。超高層ビルを建設するほか、広場や歩行者デッキの整備、寺社の再配置、車道の拡幅をする(出所:野村不動産、ケン・コーポレーション)
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[日経クロステック 2023年2月24日付の記事を転載・一部変更]
エリア別の注目プロジェクトを豊富な写真や図面で紹介!
2030
年までに
東京の
景色が
大きく
変わります。
都内の
主要な
街に
次々と
大型施設が
誕生、
新しい
街まで
生まれようとしています。
日経BPの
専門記者が
総力をあげて
取材した
東京の
未来を
大公開します。
日経クロステック、
日経アーキテクチュア、
日経コンストラクション(
編)、
日経BP、3520
円(
税込み)