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「あれ? 照れ隠しではなくて、本気で喜んでいないんだ」妻の体調不良すら許せなかった、“モラハラ夫”が自分の加害に気づいた瞬間 | 文春オンライン
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「あれ? 照れ隠しではなくて、本気で喜んでいないんだ」妻の体調不良すら許せなかった、“モラハラ夫”が自分の加害に気づいた瞬間

「あれ? かくしではなくて、本気ほんきよろこんでいないんだ」つま体調たいちょう不良ふりょうすらゆるせなかった、“モラハラおっと”が自分じぶん加害かがいづいた瞬間しゅんかん

中川なかがわあきらさんインタビュー #2

note

「あなたのために、よかれとおもって」していたことが、つまへの“加害かがい”だったとづいた中川なかがわあきらさん。つまとの関係かんけい改善かいぜんしたのちに、かつての自分じぶんおな加害かがいしゃわるための支援しえんをする自助じじょ団体だんたいG.A.D.H.A(ガドハ)」をげ、“モラハラ”加害かがいしゃ変容へんようえがいたコミック『99%離婚りこん モラハラおっとわるのか』(KADOKAWA)では、原作げんさくしゃつとめている。

 この記事きじはノンフィクションライター・だん瑞穂みずほさんの取材しゅざいによる、中川なかがわさんの半生はんせいと「トラウマ」、そして中川なかがわさんにきた変化へんかについてのインタビューだ。

 だんさんは、自著じちょどくはは連鎖れんさする~どもを「所有しょゆうぶつあつかい」する母親ははおやたち~』(光文社こうぶんしゃ新書しんしょ)などの取材しゅざいをするうちに「児童じどう虐待ぎゃくたいやDV、ハラスメントなどがこる背景はいけいに、加害かがいしゃ過去かこのトラウマが影響えいきょうしているのでは」とづいたという。

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 おやからまけ影響えいきょうけてそだち、みずからも「どくおや」となってしまう「トラウマの連鎖れんさ」こそが、現代げんだいきる人々ひとびとの「きづらさ」のおおきな要因よういんのひとつではないか。そんな仮説かせつのもと、加害かがいてきおやのもとから家出いえでした中川なかがわさんが、自身じしん結婚けっこん直面ちょくめんした問題もんだいせまる。(ぜん3かいの2かい最初さいしょから

中川なかがわあきらさん 本人ほんにん提供ていきょう

◆◆◆

家出いえで現実げんじつたりにして…

 家族かぞくさがされてもつからないよう、なんのつてもない土地とちえらんで家出いえでをした中川なかがわさんは、ゼロから人間にんげん関係かんけいきずき、英語えいご能力のうりょくかしてはたらくことで生計せいけいてた。そうした生活せいかつなかで、家出いえで少年しょうねん少女しょうじょ貧困ひんこん虐待ぎゃくたいけたどもたちと出会であう。

ぼくまずしいいえまれたために才能さいのうつぶされてしまったとおもっていましたが、このたちのほうがもっとまずしいし、もっとめぐまれていないじゃないか……」

 現実げんじつたりにして愕然がくぜんとする。

 そして2011ねん3がつ11にち東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいこった。

どもたちの貧困ひんこん問題もんだいなにとかするためにも、やっぱり大学だいがくこうとおもはじめていたときに震災しんさいがありました。家出いえで少年しょうねんなか岩手いわて出身しゅっしんがいて、『両親りょうしんなんて大嫌だいきらいだ』ってっていたのに、おや石巻いしのまき市役所しやくしょ宮城みやぎけん)のちかくではたらいていたらしくて、津波つなみ動画どうがてめちゃくちゃいていたんです。それをて『そろそろおやきてることくらいはつたえようかな』とおもって連絡れんらくし、『大学だいがく受験じゅけんしたいからかえるわ』とっていえもどりました」

 ほとんど2ねんぶりにいえかえった中川なかがわさんは、ろくに受験じゅけん勉強べんきょうができないまま大学だいがく受験じゅけんいどみ、中央大学ちゅうおうだいがく法学部ほうがくぶ入学にゅうがくふたた親元おやもとはなれて上京じょうきょうし、一人暮ひとりぐらしをはじめた。

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