新しんNISA組ぐみが初はじめて直面ちょくめんする下落げらく局面きょくめんで“絶対ぜったいにやってはいけないこと” 「損そん切ぎりは早はやめに」と「パニック売うりするな」はどちらが正ただしいか

2024/08/01

　日米にちべいの株式かぶしき市場いちばが乱らん高だか下くだしている。日経にっけい平均へいきん株価かぶかは7月がつ26日にちまで8日にち続落ぞくらくとなり、3万まん8000円えんを割わり込こんだかと思おもえば、週しゅう明あけの29日にちには一転いってんして大だい反発はんぱつするなど、神経質しんけいしつな展開てんかいとなっている。

「日米にちべいの金融きんゆう当局とうきょくとも政策せいさく転換てんかんが議論ぎろんされており、市場いちばの値動ねうごきが激はげしくなっている」（市場いちば関係かんけい者しゃ）といえる。

　市場いちばの急激きゅうげきな変化へんかに個人こじん投資とうし家かは戸惑とまどいを隠かくせないでいる。特とくに今年ことし1月がつから始はじまった新型しんがたNISAを通つうじて、初はじめて投信とうしんや株式かぶしき投資とうしを始はじめた初心者しょしんしゃには初はじめての試練しれんだ。「株価かぶかが連日れんじつ続落ぞくらくした局面きょくめんでは、個人こじん投資とうし家かのパニック売うりもかなり発生はっせいした」（同どう）とされる。

　 SNS上じょうでも「損そん切きりは早はやめに」という声こえと「パニック売うりをするな」という両りょう勢力せいりょくが錯綜さくそうし、混乱こんらんしている様さまが見みて取とれた。

　だが、市場いちばの混乱こんらん期きに重要じゅうようなのは「冷静れいせいな対応たいおう」であることは歴史れきしが証明しょうめいしている。市場いちばの乱らん高だか下かについていこうとすれば損失そんしつは深ふかまるだけだ。

借かり入いれを原資げんしに株式かぶしき投資とうしを行おこなうのは“愚ぐの骨頂こっちょう”

《日々ひびの株価かぶかの変動へんどうに一喜一憂いっきいちゆうするな》

　作家さっか・渡辺わたなべ淳一じゅんいち氏しの「鈍感どんかん力りょく」というミリオンセラーがある。厳きびしく複雑ふくざつな現代げんだいを生いき抜ぬくには、ある種しゅの鈍のろさ、鈍感どんかん力りょくというものが必要ひつようであると説といている名著めいちょだ。投資とうしの世界せかいも、ある種しゅの鈍のろさ、鈍感どんかん力りょくが結果けっかとして良好りょうこうな成績せいせきを残のこすケースは少すくなくない。

　とくに新しんNISAを通つうじて初はじめて株式かぶしき投資とうしを始はじめた人ひとには「鈍感どんかん力りょく」が必要ひつようかも知しれない。「株式かぶしき投資とうしを始はじめて以降いこう、始終しじゅう、株価かぶかが気きになってチェックしてしまう」と語かたる初心者しょしんしゃは実じつに多おおいが、これでは株式かぶしき投資とうしに“取とり込こまれ始はじめている”ようなものだ。日々ひびの株価かぶかの変動へんどうに一喜一憂いっきいちゆうするのではなく、長期ちょうき投資とうしだと、どっしりと構かまえていればいい。

《素人しろうとが機関きかん投資とうし家かよりも有利ゆうりなポイントを放棄ほうきするな》

　借かり入いれを原資げんしに株式かぶしき投資とうしを行おこなうのは“愚ぐの骨頂こっちょう”だ。なぜなら「毎期まいき、決算けっさんしなくてもいい」という個人こじん投資とうし家かの最大さいだいの利点りてんを放棄ほうきしているのに等ひとしいからだ。この点てんでプロの機関きかん投資とうし家かよりも素人しろうとの個人こじん投資とうし家かの方ほうが有利ゆうりだ。

　時価じか会計かいけいをベースとする機関きかん投資とうし家かの世界せかいでは、毎期まいき、自身じしんが保有ほゆうするポートフォリオ（資産しさん）を値ね洗あらいし、その価値かちを決算けっさんに反映はんえいしなければならない。しかも、価格かかくが一定いってい水準すいじゅん以下いかに大幅おおはばに下落げらくしていた場合ばあいは、減損げんそん処理しょりして簿ぼ価かを切きり下さげなければならない。こうした会計かいけい上じょうの要請ようせいから、極端きょくたんな場合ばあい、売うりたくない資産しさんでも売却ばいきゃくを選択せんたくせざるを得えないケースもある。