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本稿ほんこうは，前号ぜんごうに引ひき続つづいて，近時きんじ，アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくで議論ぎろんされている，児童じどうに対たいする性的せいてきいたずらに関かんする証拠しょうこのみで児童じどうポルノ所持しょじに関かんする捜索そうさく令状れいじょうの「相当そうとうな理由りゆう」を構成こうせいするのかどうかについて検討けんとうしたものの後半こうはん部分ぶぶんである。 　本号ほんごうでは，まず，三さんにおいて，児童じどうに対たいする性的せいてきいたずらと児童じどうポルノ所持しょじとの関係かんけいに関かんする調査ちょうさ研究けんきゅう等とうに触ふれた。例たとえば，Andres E. Hernandezが，ノースカロライナ州しゅうButnerの連邦れんぽう矯正きょうせい施設しせつに収容しゅうようされている90人にんの男子だんし受刑じゅけい者しゃを対象たいしょうとして行いった調査ちょうさ等とうである。こうした調査ちょうさ研究けんきゅうについては，それぞれについて調査ちょうさ対象たいしょう者しゃが限定げんていされているといった問題もんだい点てんが指摘してきされていることに注意ちゅういする必要ひつようがあるが，両者りょうしゃの間あいだには関係かんけいがあるとするものもあれば，逆ぎゃくに，関係かんけいはないとするものもあるなど，結論けつろんは一致いっちしていない，そして，各かく調査ちょうさ研究けんきゅうに対たいする評価ひょうかの仕方しかたも区々くくとなっていることを指摘してきした。 　最後さいごに，四よんにおいて，若干じゃっかんの検討けんとうを行おこない，現在げんざいの合衆国がっしゅうこくの捜査そうさ実務じつむがIllinois v. Gatesに基もとづいた「諸しょ事情じじょうの総合そうごう判断はんだん（totality of the circumstances）」テストによっているのであれば，これを前提ぜんていとする限かぎり，第だい8巡回じゅんかい区く連邦れんぽう控訴こうそ裁判所さいばんしょによるUnited States v. Colbertのように，児童じどうに対たいする性的せいてきいたずらに関かんする証拠しょうこが児童じどうポルノ捜索そうさくのための「相当そうとうな理由りゆう」に該当がいとうすると評価ひょうかすることも許ゆるされるのではないかということを結論けつろんとした。その上うえで，このように賛否さんぴの分わかれる問題もんだいについては様々さまざまな角度かくどから検討けんとうしておくことが望のぞましいと考かんがえられることから，例たとえば，児童じどうポルノのような児童じどうに対たいする性的せいてき搾取さくしゅ事案じあんに限定げんていして「緩和かんわされた相当そうとうな理由りゆう（expanded probable cause）」， あるいは，「拡大かくだいされた相当そうとうな理由りゆう（broadened probable cause）」といった基準きじゅんを適用てきようすべきであるというような考かんがえ方かたがあることにも触ふれた。