溝口みぞぐち健二けんじのリメイク映画えいがる――『うわさおんな再考さいこう

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書誌しょし事項じこう

タイトル別名べつめい
  • Viewing Mizoguchi Kenji’s Remake Film: Reconsidering <i>The Woman of the Rumor</i>

抄録しょうろく

<p>本論ほんろんは、溝口みぞぐち健二けんじ作品さくひんなかでまだ十分じゅうぶん考察こうさつされていない『うわさおんな』(1954ねん大映だいえい)を、『ジェニイのいえ』(マルセル・カルネ監督かんとく、1936ねん)のリメイク作品さくひんとして検討けんとうする。ほん映画えいがは、舞台ぶたいをパリのナイトクラブから京都きょうと島原しまばらくるわ井筒屋いづつやうつし、ははむすめ男性だんせい三角さんかく関係かんけいなどの基本きほんプロットをぐ。ただし、三角さんかく関係かんけいむすめ恋人こいびとづかないままははもと原作げんさくことなり、『うわさおんな』はそれにづいたうえでのさんしゃはげしい衝突しょうとつて、男性だんせいによる女性じょせい搾取さくしゅ認識にんしきすることで被害ひがいしゃとしてははむすめ連帯れんたいするにいたる。リメイク過程かてい詳細しょうさい検討けんとうから、川口かわぐち松太郎まつたろうによる小説しょうせつへのアダプテーションがあまい「ははもの」であったことが、製作せいさく過程かてい困難こんなんをもたらしたことがえる。女性じょせい搾取さくしゅという溝口みぞぐち一貫いっかんした主題しゅだい導入どうにゅうされたものの、くるわ経営けいえいしゃははむすめ和解わかい搾取さくしゅへの批判ひはんよわくしたことがどう時代じだいてい評価ひょうかとなった。しかし、群像ぐんぞうえがくカルネの世界せかいぎながら、時代じだいえた搾取さくしゅ構造こうぞう全体ぜんたい井筒屋いづつや内部ないぶ集約しゅうやくしたところにほん映画えいが成果せいかることができる。原作げんさく制約せいやくなかあらたな表現ひょうげんむリメイク映画えいが創造そうぞうせいいちれいかんがえられる。</p>

収録しゅうろく刊行かんこうぶつ

  • 映像えいぞうがく

    映像えいぞうがく 108 (0), 206-225, 2022-08-25

    日本にっぽん映像えいぞう学会がっかい

詳細しょうさい情報じょうほう 詳細しょうさい情報じょうほうについて

  • CRID
    1390012081165534080
  • DOI
    10.18917/eizogaku.108.0_206
  • ISSN
    21896542
    02860279
  • 本文ほんぶん言語げんごコード
    ja
  • データソース種別しゅべつ
    • JaLC
  • 抄録しょうろくライセンスフラグ
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