子どもポルノをめぐる国際動向と人権

渡辺 真由子

doi:10.24798/icpr.10.0_1

児童じどう買春ばいしゅん・児童じどうポルノ禁止きんし法ほうが2014年ねん6月がつに改正かいせいされたことを受うけ、今後こんご、日本にっぽんが子こどもポルノに政策せいさく的てき対応たいおうを行おこなうに際さいしての検討けんとう課題かだいを提示ていじする。子こどもポルノは、子こどもの商業しょうぎょう的てき性的せいてき搾取さくしゅ（ＣＳＥＣ）の一環いっかんであり、グローバルな課題かだいとして国際こくさい的てきに取とり組くむ必要ひつよう性せいが指摘してきされ、様々さまざまな国際こくさい法ほうが制定せいていされてきた。「あらゆる形態けいたいの子こどもポルノは人権じんけん侵害しんがいである」というのが国際こくさい社会しゃかいにおける共通きょうつう認識にんしきである。だが日本にっぽんは、子こどもを性的せいてきに描えがく漫画まんがやアニメ、ＣＧといった仮想かそう描写びょうしゃ物ぶつの子こどもポルノの主要しゅよう発信はっしん国こくと見みなされるにも拘かかわらず、対処たいしょのための政策せいさくが国際こくさい基準きじゅんを満みたさないことから、世界せかい的てきなＣＳＥＣ対応たいおうの障害しょうがいとなっていることが批判ひはんされている。子こどもポルノ政策せいさくに関かんし日本にっぽんでは従来じゅうらい「言論げんろんの自由じゆう」の観点かんてんからの、いわば大人おとなの都合つごうによる議論ぎろんに偏かたよる傾向けいこうが見みられるが、「子こどもの最善さいぜんの利益りえき」という国際こくさい法ほうの基本きほん理念りねんに立たち返かえれば、「子こどもの人権じんけん」の観点かんてんからの議論ぎろんをより充実じゅうじつさせていくことが求もとめられる。本稿ほんこうでは特とくに、仮想かそう描写びょうしゃ物ぶつの子こどもポルノに関かんする考かんがえ方かたや規制きせいのあり方かたについて、一定いっていの視点してんを提示ていじする。

子こどもポルノをめぐる国際こくさい動向どうこうと人権じんけん

抄録しょうろく

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