在来ざいらい地域ちいきあつかいと利益りえき還元かんげん

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書誌しょし事項じこう

タイトル別名べつめい
  • Handling of Indigenous and Local Knowledge and Distribution of the Benefits:
  • From the Perspective of Cultural Commons
  • ――文化ぶんかコモンズの観点かんてんから――

抄録しょうろく

<p> 文化ぶんかコモンズろんは、「文化ぶんか」にかかわることで、私的してき所有しょゆう主張しゅちょうされないモノやコトを対象たいしょうにする。「文化ぶんかてき資源しげんをめぐる所有しょゆう管理かんり用益ようえきたがいを規定きていしあうなかで、その資源しげん文化ぶんかコモンズとして認識にんしきされる。在来ざいらい地域ちいき文化ぶんかコモンズとして位置いちづけ、それを保護ほごしつつも場合ばあいおうじて共有きょうゆう拡散かくさんすることで、社会しゃかい全体ぜんたい利益りえきをもたらすことができる。知識ちしき元来がんらい排他はいたてきでも排除はいじょてきでもないため、在来ざいらい地域ちいき科学かがくたがいに影響えいきょうおよぼし、あらたな知識ちしきつくすことができる。両者りょうしゃの「融合ゆうごう」が経済けいざいてき利益りえきをもたらす場合ばあい、その利益りえきがどのように配分はいぶんされ、在来ざいらい地域ちいき保有ほゆうしゃ適切てきせつ還元かんげんされるべきかが問題もんだいになる。科学かがくとの「融合ゆうごう」によって在来ざいらい地域ちいきのサステナビリティがあやうくなり、ときには搾取さくしゅになる危険きけんせいもある。その主因しゅいんは、先進せんしんこく企業きぎょうが「融合ゆうごう」したから利益りえきをえる一方いっぽうで、在来ざいらい地域ちいき保全ほぜん利益りえき還元かんげん注意ちゅういはらわないことにある。この問題もんだいかんがえるには、近代きんだいほう普及ふきゅうしん自由じゆう主義しゅぎながれ、グローバル資本しほん活動かつどう視野しやにおかなければならない。在来ざいらい地域ちいきがわへの利益りえき配分はいぶんについては、名古屋なごや議定ぎていしょによりいちおう決着けっちゃくをみている。しかし現在げんざい枠組わくぐみでは、利益りえき遺伝いでん資源しげん知識ちしき保有ほゆうしゃ公平こうへい配分はいぶんされる保証ほしょうがないため、なんらかのチェック機能きのう導入どうにゅう必要ひつようであろう。しかし、そのチェック機能きのうが「正当せいとうなかあいだ搾取さくしゅしゃ」を危険きけんせいがある。名古屋なごや議定ぎていしょによる現地げんちこくとの研究けんきゅう連携れんけいによる金銭きんせんてき利益りえきは、さらに多角たかくすることができる。こうした議論ぎろんは、在来ざいらい地域ちいきがわりうるアプローチとして、オープン・クローズ戦略せんりゃくにつながる。肝心かんじんなことは、「正当せいとうなかあいだ搾取さくしゅしゃ」を危険きけん自覚じかくする「良心りょうしんてき外部がいぶしゃ」が介在かいざいし、当事とうじしゃ心情しんじょうにも配慮はいりょしつつ、知識ちしき所有しょゆう拡散かくさんのバランスをとることであろう。</p>

収録しゅうろく刊行かんこうぶつ

詳細しょうさい情報じょうほう 詳細しょうさい情報じょうほうについて

  • CRID
    1390580450396846720
  • DOI
    10.32262/wsca.24.39
  • ISSN
    24346926
    1346132X
  • 本文ほんぶん言語げんごコード
    ja
  • データソース種別しゅべつ
    • JaLC
  • 抄録しょうろくライセンスフラグ
    使用しよう不可ふか

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