手作てづくり模型もけいを用もちいたイルカ胸むねビレのsteering機能きのうの実証じっしょう実験じっけん

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書誌しょし事項じこう

タイトル別名べつめい
  • Demonstration of the steering function of dolphin flippers using a handcrafted model
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  • 資料しりょう

抄録しょうろく

イルカの胸むねビレは方向ほうこう舵かじとしての役割やくわりがあるが，その具体ぐたい的てきなメカニズムについては未いまだに詳くわしく解明かいめいされていない．胸むねビレの動うごきとsteering機能きのうがどのような関係かんけいにあるかを明あきらかにするために，木製もくせいイルカ模型もけいを用もちいた遊泳ゆうえい実験じっけんを行おこなった．模型もけいの胸むねビレはポリ塩化えんかビニール製せいで，その長ちょう軸じくは腹はら側がわに約やく45°傾かたむき，かつ後方こうほうに約やく45°振ふられた状態じょうたいとし，ボルトを用もちいて本体ほんたいに取とり付つけた．この状態じょうたいを胸むねビレの中立ちゅうりつ位いとした．このボルトはイルカの上腕じょうわん骨こつに特徴とくちょう的てきな総そう結節けっせつ（大だい結節けっせつと小しょう結節けっせつが融合ゆうごうしたと考かんがえられている）に相当そうとうする．ボルトの長ちょう軸じくを胴体どうたいの水平面すいへいめんに合あわせ，胴体どうたいの前後ぜんご軸じくに対たいし直交ちょっこうする位置いちに固定こていし，かつ回転かいてんできるようにした．このボルトを外そと旋すると胸むねビレの先端せんたんは前方ぜんぽうに振ふられ（前方ぜんぽうスイング），逆ぎゃくに内うち旋すると後方こうほうに振ふられた（後方こうほうスイング）．胸むねビレの前方ぜんぽうスイングは胸むねビレの前ぜん縁えん（橈側縁えん）の上昇じょうしょうを伴ともない，逆ぎゃくに後方こうほうスイングは前ぜん縁えんの下降かこうを伴ともなった．胸むねビレの位置いちを，中立ちゅうりつ位い，前方ぜんぽうスイング，後方こうほうスイングの3通とおりとし，左右さゆうそれぞれを組くみ合あわせた9通とおりの胸むねビレ位置いちの違ちがいによる遊泳ゆうえい実験じっけんを行おこなった．その結果けっか，左右さゆうとも中立ちゅうりつ位いの場合ばあい本体ほんたいは水平すいへい直進ちょくしん，左右さゆうとも後方こうほうスイングでは潜水せんすい，左右さゆうとも前方ぜんぽうスイングで浮上ふじょうした．左右さゆうで異ことなるスイングの組くみ合あわせの場合ばあいは前方ぜんぽうスイング側がわに旋回せんかいし，片側かたがわのみスイングした場合ばあいはスイング側がわに旋回せんかいした．すなわち，胸むねビレ基部きぶのボルトの回旋かいせんによって胸むねビレのスイング運動うんどうが起おこり，左右さゆうの胸むねビレのスイング運動うんどうの組くみ合あわせによって模型もけい本体ほんたいの進行しんこう方向ほうこうが決定けっていされた．したがって本ほん遊泳ゆうえい実験じっけんの結果けっかは，胸むねビレ基部きぶの回旋かいせん運動うんどうとその結果けっか引ひき起おこされる胸むねビレのスイング運動うんどうがイルカ模型もけいのsteering機能きのうに関係かんけいしていることを示唆しさしている．

収録しゅうろく刊行かんこう物ぶつ

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