『STRESS FREE』ネガティブ思考しこうは変かえられる！ 科学かがく的てきに不安ふあんや孤独こどくを解消かいしょうするメソッド

こんな人じんにオススメ！

自分じぶんのネガティブな性格せいかくは変かえられないと思おもっている人ひと
先さき延のばしグセをやめられず毎日まいにち自己じこ嫌悪けんおに陥おちいっている人ひと
不安ふあんや孤独こどく感かんによるストレスに苦くるしんでいる人ひと

3つのポイント

要点ようてん１
先さき延のばしグセ、不安ふあんを感かんじやすいなどのネガティブ感情かんじょうに苦くるしむ人ひとは多おおいが、ストレスフルな心しんは科学かがく的てき根拠こんきょに基もとづいた方法ほうほうで変かえられる。

要点ようてん２
やる気きが出でない、先さき延のばしにしてしまうといった習慣しゅうかんをやめるには、完璧かんぺきを求もとめずに、「下手へたに始はじめる」ことが有効ゆうこうだ。

要点ようてん３
マイナス思考しこうのループから抜ぬけ出だしたければ、自分じぶんを悪わるく見積みつもる「自分じぶんいじめ」をやめよう。自分じぶんが楽たのしめる方法ほうほうを見みつけるなど楽観らっかん的てきになる工夫くふうも大切たいせつだ。

心身しんしんにダメージを与あたえるネガティブ感情かんじょうは科学かがく的てきに解消かいしょうできる

　先さき延のばしグセ、自制心じせいしんがきかない、不安ふあんで仕方しかたないなどのネガティブな感情かんじょうは、人ひとが本来ほんらいの力ちからを発揮はっきするのを妨さまたげると同時どうじに、心身しんしんにダメージを与あたえる。しかしそんなストレスフルな心しんは、科学かがく的てきメソッドで解消かいしょうができるのだ。本書ほんしょでは、私わたしのメンタルヘルスに関かんする研究けんきゅうと世界せかいのデータをもとにネガティブな感情かんじょうから脱だっする科学かがく的てきメソッドを伝つたえて、読者どくしゃが自分じぶんらしく生いきる手助てだすけをしたい。

　本書ほんしょでは、ネガティブな感情かんじょうをタイプ別べつに分類ぶんるいし9つの章しょうとしてまとめた。各かく章しょうは、2分ふん以内いないに読よめる「今いますぐ役立やくだつ〈即効そっこう〉メソッド」と、その感情かんじょうに陥おちいる理由りゆう「科学かがく的てき背景はいけいを説明せつめいするクイック・サイエンス」、さらに本格ほんかく的てきにネガティブな感情かんじょうに対処たいしょする方法ほうほう「じっくり取とり組くみたい〈即効そっこう〉メソッド」の3つのパートで構成こうせいされている。自分じぶんに必要ひつようなメソッドの部分ぶぶんだけ読よみ、取とり入いれてもらってもOKだ。

先さき延のばしをやめたいなら「下手へたにやること」を意識いしきしよう

　決断けつだんに時間じかんがかかる、決きめたことを後悔こうかいするなど、決断けつだんにストレスを感かんじる人ひともいるだろう。優柔不断ゆうじゅうふだんな人ひとは、「直感ちょっかんに従したがう」という方法ほうほうを試ためしてほしい。複雑ふくざつに考かんがえるより、無意識むいしき状態じょうたいの脳のうに従したがうほうが良よい選択せんたくができると言いわれているからだ。決断けつだんが苦手にがてな人ひとは最高さいこうの状態じょうたいを求もとめがちだが、決断けつだんがうまい人ひとはほどほどで良よいと考かんがえる傾向けいこうがあるため、判断はんだんも早はやく決断けつだん結果けっかへの満足まんぞく度ども高たかい。人ひとは未来みらいの心しんの痛いたみを大おおげさに想像そうぞうする性質せいしつがあるが、つらい経験けいけんにも苦痛くつうを感かんじすぎない心しんの免疫めんえきシステムも持もっている。決断けつだんを怖こわがらず、選択肢せんたくしを減へらす、決断けつだんできたことを喜よろこぶといった方法ほうほうで優柔不断ゆうじゅうふだんを克服こくふくしよう。

　やるべきことが手てに付つかず先さき延のばしにしてしまう心しんの癖くせもストレスを招まねき、自尊心じそんしんを損そこなう。先さき延のばしをやめたい人ひとにおすすめしたいのが、「下手へたにやる」ということだ。完璧かんぺきを目指めざして気負きおったり、やる気きが出でるのを待まったりせずに、とにかく始はじめよう。下手したてでいいと思おもってやり始はじめると、深ふかく考かんがえずに取とり組くめるためいい結果けっかが出でて、やり遂とげられたことに自信じしんがつき、次つぎにつながる。タスクの中なかに自分じぶんのポジティブな感情かんじょうを引ひき出だすポイントを見みつけること、やるべきことが自分じぶんの成長せいちょうにつながるというマインドセットを持もつことも大切たいせつだ。

　ストレスフルな人ひとには、ユーモアを味方みかたにつけることをおすすめしたい。ストレスから緊張きんちょう状態じょうたいになった体からだは、ユーモアによって笑わらうことでストレス反応はんのうが落おち着つくことがわかっている。嫌いやなことも冗談じょうだんで笑わらい飛とばしたり、マンガやお笑わらい動画どうがなどを見みる時間じかんを意識いしき的てきに作つくったりして、ユーモアを「抗こうストレス薬やく」として活用かつようしよう。

人ひとの心しんを蝕むしばむ孤独こどく感かんから抜ぬけ出だす「おしゃべり」の効果こうか

　不安ふあんや心配しんぱい事ごとで頭あたまがいっぱいになってしまうなど、マイナス思考しこうのループから抜ぬけ出だせず悩なやんでいる人ひともいるだろう。不安ふあんにとらわれる状態じょうたいが続つづくと、心身しんしんの健康けんこうを損そこなったり、自分じぶん自身じしんのイメージを見み誤あやまってしまうため対処たいしょが必要ひつようだ。そんな人ひとはまず、「自分じぶんはダメだ」という考かんがえ方かたをやめてほしい。不安ふあんに打うち勝かつには、何なにをするにも自分じぶんが楽たのしめる方法ほうほうを見みつけて取とり組くむ、避さけたいものには意識いしきを向むけない、気分きぶんが上あがることを積極せっきょく的てきに取とり入いれるなど、楽観らっかん的てきになることを意識いしきしよう。

　孤独こどく感かんも、人々ひとびとを苦くるしめるネガティブ感情かんじょうだ。人間にんげんは、集団しゅうだん生活せいかつを好このみ、孤独こどくを感かんじて何なにかに帰属きぞくしようとする性質せいしつを持もつ。しかしその欲求よっきゅうが満みたされないと心身しんしんの健康けんこうに支障ししょうをきたすのだ。孤独こどくは、自分じぶんや他者たしゃへの評価ひょうかをゆがめたり、自分じぶんをコントロールする力ちからを弱よわめたりといった、心しんへの悪わるい影響えいきょうももたらす。寂さびしくてたまらないときは、その場ばに居合いあわせた人ひとでもいいので誰だれかとおしゃべりをすれば心しんが上向うわむく。「自分じぶんはこういう人間にんげんだ」という自己じこ暗示あんじに陥おちいるのではなく、自分じぶんが孤独こどくを抜ぬけ出だすために何なにをしているのかという行動こうどうに目めを向むけるといった方法ほうほうが有効ゆうこうだ。

　ネガティブ思考しこうに悩なやむ人ひとは、自分じぶんの心しんは変かえられないと思おもっているかもしれないが、そうではない。どんな人ひとにとっても、つらい状態じょうたいから抜ぬけ出だしてなりたい自分じぶんになれる方法ほうほうは確たしかにあると私わたしは伝つたえたい。本書ほんしょをきっかけに、あなたが自分じぶんらしく前まえに進すすむ道みちを見みつけることを、心しんから願ねがっている。

文ぶん＝川辺かわべ美希みき