GWがわり、つぎ祝日しゅくじつまでやく2かげついてしまうこの時期じきは、なにかとストレスがたまりやすい。仕事しごとれなかったり、職場しょくば人間にんげん関係かんけいがうまくいかなかったりして、「会社かいしゃくのが憂鬱ゆううつだなあ」とおもっているひともいるかもしれない。しかし、なやみをひとつひとつ解決かいけつしていけば、意外いがいにスッキリとしんれていくものだ。
そこで今回こんかいは、2023ねんベストセラーランキングビジネスしょ部門ぶもんで1日販にっぱん/トーハン調しらべ)となり、「もっとはやんでいればと後悔こうかいすらした」「ぶっさりすぎてこえた」反響はんきょうつづけているあたまのいいじんはなまえかんがえていること』著者ちょしゃ安達あだち裕哉ゆうやさんと、『「言葉ことばにできる」は武器ぶきになる』の著者ちょしゃ梅田うめださとるつかささんに、職場しょくばでスマートに発言はつげんする方法ほうほうなどについていてみた。(構成こうせい根本ねもとはやぶさ

上司に「この件ってどう思う?」と聞かれたとき、三流は「即答する」、二流は「少し考えてから答える」。では一流は?Photo:Adobe Stock

自分じぶん発言はつげん否定ひていされるのがこわいです

Q. 緊張きんちょうしやすい性格せいかくのため、会議かいぎ発言はつげんする勇気ゆうきがなかなかません。意見いけんもとめられたときも、否定ひていされるのがこわくて無難ぶなんこたえしかできないのですが、どうしたらよいでしょうか。

安達あだち裕哉ゆうや以下いか安達あだち) 気持きもちはすごくよくわかりますね。

梅田うめださとる以下いか梅田うめだ) ぼく経験けいけんじょう職場しょくばのコミュニケーションでは、自分じぶんかんがえはわかってもらえる」とおもわないほうがいいです。これは、どんな相手あいてでもおなじで、たいていの発言はつげん理解りかいされません。否定ひていされることもしばしばです。

 これを前提ぜんていとしてあたまれておけば、もし自分じぶん発言はつげん否定ひていされても「まあそうだよな」と気楽きらくかまえられるし、賛同さんどうるにはどうすればいいか」をよりたかいレベルで工夫くふうできるようにもなります

安達あだち わたし新人しんじんのときは、「否定ひていされてもかまわないから、若手わかて会議かいぎ最初さいしょ発言はつげんしてげろ」と上司じょうしからわれました。実際じっさいわたし最初さいしょ意見いけんとおらないことがおおかったですが、上司じょうしこえがけのおかげで精神せいしんてきなダメージはあまりなかったです。

梅田うめだ 非常ひじょうにいい上司じょうしですね。すばらしい。あとは若手わかて場合ばあい、もしピントのずれた発言はつげんをしても、「また空回からまわりしてるよ。かわいげのあるやつだな」と好意こういてきてもらえる可能かのうせいたかいとおもいます。

安達あだち 意見いけんすだけで「すごいなあいつ」とおもってもらえますよね。

梅田うめだ とくに、会議かいぎ開口一番かいこういちばんは、ぼく重要じゅうようだとおもいます。というのも、だれかがいきなり空気くうきめない発言はつげんをすると、それがアイスブレイクになって「これなら自分じぶん意見いけんえるかも」とみんながおもえるからです。

 はなし口火くちびるのは、それだけでも歓迎かんげいされるべきことではないでしょうか。

間違まちがえてもおこられない」フラグをてる方法ほうほう

梅田うめだ もし若手わかてほうであれば、意見いけんうときに若手わかてわたしから発言はつげんさせていただきます」前置まえおきするのも有効ゆうこうだとおもいます。この一言ひとことで、もし場違ばちがいな発言はつげんをしてもゆるされるようなフラグがつからです。

安達あだち たしかに。何気なにげないですけど、すごく効果こうかてき一言ひとことですね。

梅田うめだ 若手わかてでなくとも、みんなのまえって発表はっぴょうするときは「たかいところから失礼しつれいします」とうなどして、雰囲気ふんいきおだやかになるようにセルフコントロールできるといいですね。

「このけんってどうおもう?」とかれたときのベストな対応たいおう

安達あだち わたしがコンサルタントとして現場げんばにいたときは、クライアントとの会話かいわ失言しつげんゆるされない場面ばめん多々たたありました。そのとき意識いしきしていたのが相手あいて質問しつもんには安易あんいこたえずに、まず真意しんい確認かくにんする」というテクニックです。

 たとえば、「この人事じんじ評価ひょうか施策しさくについて、どんな意見いけんをおちですか?」とかれたとしましょう。このいはポイントが曖昧あいまいなので、「確認かくにんなのですが、御社おんしゃ人事じんじ評価ひょうか制度せいどなかでも、○○についてのおはなしでよろしいでしょうか」と、相手あいて具体ぐたいてきなにについてこうとしているのかめるんです。

梅田うめだ なるほど、じわじわ確認かくにんしていくんですね。

安達あだち というのも、漠然ばくぜんとしたいには、漠然ばくぜんとしたこたえしかせないからです一方いっぽうで、相手あいて本当ほんとうきたい核心かくしんてきなポイント」をきちんと確認かくにんすると、そのぶんシャープな回答かいとうができますし、相手あいてあたま整理せいりにもなります。

 目上めうえひと質問しつもんされると、ついふかかんがえずに即答そくとうしがちなのですが、ぼんやりとした回答かいとう相手あいてしんさりません。相手あいてきたいことを明確めいかくにしないかぎり、すこ時間じかんをかけてかんがえたとしても、こたえのしつはさほどわらないんです。

 上司じょうしやクライアントから「このけんってどうおもう?」などとかれたら、「まずは真意しんい確認かくにんする」というメソッドをぜひ実践じっせんしてほしいですね。

本稿ほんこうは、あたまのいいじんはなまえかんがえていること』著者ちょしゃ安達あだち裕哉ゆうやさんの対談たいだん記事きじです)

安達あだち裕哉ゆうや(あだち・ゆうや)
Books&Apps運営うんえい企業きぎょうコンサルティング
Deloitteにて12年間ねんかんコンサルティングに従事じゅうじだい企業きぎょう中小ちゅうしょう企業きぎょうあわせて1000しゃ以上いじょう訪問ほうもんし、8000にん以上いじょうのビジネスパーソンとともに仕事しごとをする。仕事しごと、マネジメントにかんするメディア『Books&Apps』を運営うんえいする一方いっぽうで、企業きぎょう現場げんばでコンサルティング活動かつどうおこなう。著書ちょしょに、2023ねんベストセラーランキングビジネスしょ部門ぶもんで1日販にっぱん/トーハン調しらべ)となった『あたまのいいじんはなまえかんがえていること』(ダイヤモンド社だいやもんどしゃ)など。