ヤクルト1000はなぜ大ヒットした?マツコがテレビで「念のため…」と発言して人気爆発
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ストレスフルな世の中で、誰もが何かで疲れています。人間にもメンテナンスが必要な時代、自分のカラダやココロのメンテナンスにお金をかける人は一定数います。今回は、入手困難な状況が社会現象にもなった「Yakult1000」のヒットの裏側を紹介します。
自分メンテナンスしてますか?
あなたは自分のカラダとココロをいたわっていますか?
ストレスフルな世の中で、老若男女問わず、誰もが何かで疲れています。人間にもメンテナンスが必要になってきました。
メンテナンスとは、「維持」「持続」「保守」「保全」などの意味をもつ英語です。一般的には機械・建物・システムなどの設備で使われることが多いですが、「人間」にも使うようになりました。
最近は自分メンテナンスのためなら、多少高くてもお金は出すという人が増えています。コロナ禍でその傾向に拍車がかかりました。
あなたの会社の商品も、「お客さんのカラダとココロをいたわる」という視点で開発・訴求・販売すると「高くても売れる」という可能性があるということです。とくにステイホーム期間には、健康の基盤となる「睡眠」を改善したいというニーズが高まり、さまざまなヒット商品が生まれました。
まずは、その代表と言えるくらいの大ヒットを記録した「Yakult1000」から見ていきましょう。
親しみやすいヤクルトから先進的な大人向けのYakultへ
「Yakult1000」とは、“ヤクルト史上最高密度”という1本(100ml)あたり1000億個の乳酸菌シロタ株を含み、腸内環境の改善に加えて「ストレス緩和」「睡眠の質向上」の機能が報告されている機能性表示食品です。
近年の研究で「腸と脳との関係」がホットトピックとなっていることに着目。「腸内の健康を保つことがストレス改善につながるのではないか」という観点から、新商品のコンセプトを組み立てました。
さらに研究の結果、乳酸菌シロタ株の密度が上がると、睡眠の質の改善につながることが判明しました。そこで、主力商品である「Newヤクルト」(1本65mlに200億個)や「ヤクルト400」(1本80mlに400億個)よりも密度の高い、100mlに1000億個の乳酸菌シロタ株を入れることにしたのです。
さらに、これまでのヤクルトとは異なる「Yakult1000」の価値を伝えるために、既存のものとはまったく違う商品開発を実施しました。それは以下のようなものです。
・メインターゲットを、日々のストレスや睡眠で悩む人が多い30~50代のビジネスパーソンとする
・彼らに刺さる「先進的、機能的、科学的、大人向け」を表現するために、「ネーミング表記」や「パッケージデザイン」を変える
・商品名はこれまでのカタカナ表記から「Yakult」とアルファベット表記へ。デザインも、従来品と差別化するためにメタリックで光沢感のある赤色を採用
・味わいも従来品より甘さを控えめにして、よりすっきりした味に。一方で、飲み応えを出すために100mlと量を増やす
・最新技術を結集して作ったことから、1本48円(税別)の「Newヤクルト」の約3倍である1本130円(税別)という高価格に値付け