【地方ちほうで働はたらく】「乗のり放題ほうだいタクシー」で香川かがわの地域ちいき住民じゅうみんを救すくえ！若わかき起業きぎょう家かが自みずからに課かした“独自どくじのKPI”とは？

観光かんこう地ちとしてのポテンシャルも高たかい三豊みとよ市しの夕景ゆうけい

働はたらき方かたの多様たよう化かが著いちじるしい昨今さっこん、場所ばしょにとらわれずに生いきる若わかい世代せだいが増ふえている。香川かがわ県けん三豊みとよ市しでMaaS事業じぎょうを手掛てがける田島たじま颯さんは、ローカルの課題かだい解決かいけつを軸じくとする事業じぎょう展開てんかいを志こころざす26歳さいの起業きぎょう家かだ。令れい和わ時代じだいに「地方ちほうで働はたらく」ことの可能かのう性せいを掘ほり下さげていこう。（取材しゅざい・文ぶん／フリーライター　友清ともきよ 哲あきら）

学生がくせい起業きぎょうで「探究たんきゅう学習がくしゅう」を
プログラム化か

　近年きんねん話題わだいのMaaS（マース）とは、Mobility as a Serviceの略りゃくで、次世代じせだいの交通こうつう系けいサービス全般ぜんぱんを指さしている。

　人口じんこう減少げんしょうによる過疎かそ化か、少子しょうし高齢こうれい化かによる労働ろうどう力不足ちからぶそくなど、日本にっぽんの交通こうつうインフラを取とり巻まく課題かだいは深刻しんこくで、とりわけローカルにおける高齢こうれい者しゃの移動いどうが問題もんだいになっていることは周知しゅうちの通とおりだ。

　現在げんざい、香川かがわ県けん三豊みとよ市しで、「暮くらしの交通こうつう」と名付なづけた株式会社かぶしきがいしゃを経営けいえいする田島たじま颯さんは、そうしたローカルに潜ひそむさまざまな社会しゃかい課題かだいに対峙たいじしながら、巧たくみに事業じぎょう化かを図はかることで地方ちほうでの働はたらき方かたを確立かくりつした一人ひとりである。

　田島たじまさんは慶応義塾大学けいおうぎじゅくだいがく総合そうごう政策せいさく学部がくぶに在籍ざいせきしていた頃ころから、探究たんきゅう学習がくしゅうの授業じゅぎょう作成さくせいやワークショップ、あるいは教員きょういん向むけの研修けんしゅうプログラムを手掛てがけるなど、個人こじん事業じぎょう主ぬしとして仕事しごとをしていたという。

　探究たんきゅう学習がくしゅうとは2022年度ねんどから高校こうこうで必修ひっしゅうになった科目かもくで、「総合そうごう的てきな探究たんきゅうの時間じかん」とも呼よばれる授業じゅぎょうのこと。生徒せいとが自みずから問といを立たて、それに答こたえていく手法しゅほうにより、個々ここの思考しこう力りょくを養やしなう目的もくてきがある。

　教育きょういく現場げんばがどのような視点してんで探究たんきゅう学習がくしゅうを授業じゅぎょう化かするか頭あたまを悩なやませる中なか、高校こうこう卒業そつぎょう直後ちょくごの当事とうじ者しゃに近ちかい立場たちばから、いち早はやくメソッドを開発かいはつしてワークショップを展開てんかいした田島たじまさんの手腕しゅわんは、機きを見みるに敏さとしな商才しょうさいを感かんじさせる。

「ただ、最初さいしょは都内とないを中心ちゅうしんに業務ぎょうむを広ひろげていたものの、東京とうきょうにはすでに多おおくのプレーヤーがいるので、僕ぼくがやらなくてもいいのではないかと思おもい始はじめたことが、地方ちほうへ目めを向むけるきっかけになりました」

香川かがわ県けん三豊みとよ市しでMaaS事業じぎょうを手掛てがける田島たじま颯さん