みずほFG木原社長「他メガの背中は近い」とアクセル、独自の投資銀行“内製化”モデルに自信
木原正裕・みずほフィナンシャルグループ社長インタビュー
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この2年、システム障害対応とその後の再生、風土改革に取り組まなくてはならず、他メガバンクの後塵を拝することが多かったみずほフィナンシャルグループ。だが2024年1月に実質的に業務改善命令が解かれたこともあり、今期から中期経営計画で掲げた国内外での成長投資へ、また他メガに劣後している業績の指標で追いつくべく、アクセルを踏み込んでいる。金利上昇で追い風が吹く中、足元の業績をどう評価しているのか。木原正裕グループCEOに話を聞いた。(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)
風土改革は5合目まで進捗
メガバンク“3番手”への認識は?
――2年半前、大規模システム障害からの再出発を託される形で、グループCEOに就任しました。当時、注力することとして風土改革を掲げましたが、2年半でどのような成果が得られたのでしょうか。
23年度以降、国内外約100拠点を回ったほか、本社でもタウンホールミーティングを行い、社員との対話を行っています。社員の皆さんはだいぶ前向きになってきているし、パーパスでも定めた“挑む”動きも具体的に出てきています。
23年4月に定めた中期経営計画では、エンゲージメントスコアとインクルージョンスコアを25年度までに65%まで高めることを目標にしています。22年度に51%でしたが、足元では60%近辺まで改善しています。
よく「企業風土改革は今は何合目ですか」と聞かれることが多く、以前は「2~3合目」と答えていましたが、最近は5合目くらいまで来たと思っています。
――企業風土の成果が出ている一方で、足元の業績を3メガバンクで比べると、純利益やPBR(株価純資産倍率)、株主還元などにおいて、依然として“3番手”が定位置となっています。
まず事業ポートフォリオが違うので、単純に比較するのはあまり意味がないと思います。
国内で本格的な金利上昇時代に突入し、3メガバンクの業績は絶好調だ。だが24年3月期、三菱UFJフィナンシャル・グループと三井住友フィナンシャルグループが、過去最高の純利益をたたき出した一方で、みずほ FGは過去最高益とはならなかった。脱3番手は可能なのか。大企業や海外、国内リテールなど、各事業の重点施策や課題を聞いた。