日野自動車写真しゃしんは2023年ねん5月がつに提携ていけいを発表はっぴょうする日野自動車ひのじどうしゃの小木曽こぎそ聡さとし社長しゃちょう（左ひだり）とトヨタ自動車とよたじどうしゃの佐藤さとう恒治つねじ社長しゃちょう（左ひだりから2番目ばんめ）ら　Photo:Bloomberg via Getty Images

日野自動車ひのじどうしゃが過去かこ最大さいだい赤字あかじの見通みとおし
トヨタはどうする？

　日野自動車ひのじどうしゃが自動車じどうしゃメーカーの中なかで先陣せんじんを切きって発表はっぴょうした2024年ねん4～9月がつ期き連結れんけつ決算けっさんは、最終さいしゅう損益そんえきが2195億おく円えんの赤字あかじとなった。北米ほくべい向むけディーゼルエンジンの認証にんしょう不正ふせいに伴ともない、米国べいこく当局とうきょくとカナダでの集団しゅうだん訴訟そしょうの和解わかい金きん費用ひようとして2300億おく円えんの特別とくべつ損失そんしつを計上けいじょうしたことで、大幅おおはば赤字あかじに転落てんらくした。

　これにより、従来じゅうらいは未定みていだった24年度ねんど（24年ねん4月がつ～25年ねん3月がつ）の通期つうきの最終さいしゅう損益そんえきも2200億おく円えんの赤字あかじになる見通みとおしだと発表はっぴょうした。同社どうしゃにおいて過去かこ最大さいだいの赤字あかじ額がくであり、年間ねんかん配当はいとうも無配むはいとした。

　決算けっさん発表はっぴょう会見かいけんで、中野なかの靖やすしCFO（最高さいこう財務ざいむ責任せきにん者しゃ）は「特別とくべつ損失そんしつは現時点げんじてんで見積みつもり可能かのうと判断はんだんした範囲はんいで計上けいじょうしたが、膨ふくらむ可能かのう性せいもある」と、米国べいこく当局とうきょくとの交渉こうしょう次第しだいで損失そんしつが悪化あっかする可能かのう性せいについて言及げんきゅう。オーストラリアでも同様どうようの訴訟そしょうが起おきており、今後こんごさらに業績ぎょうせきが悪化あっかするリスクが潜ひそむ。

　さらに、日野ひの自じの9月がつ末まつ時点じてんの自己じこ資本しほん比率ひりつは12.9％と、3月がつ末まつから13.9ポイントも減少げんしょう。急速きゅうそくに自己じこ資本しほん比率ひりつが悪化あっかしており、同社どうしゃは今後こんごの資金繰しきんぐりの対策たいさくも検討けんとうしているという。

　これまで国内こくないトラック市場いちばでトップシェアに君臨くんりんし、日本にっぽんの商用しょうよう車しゃメーカーの代表だいひょう格かくだった日野ひの自じが厳きびしい経営けいえい状じょう況きょうに追おい込こまれている。その中なかで、親会社おやがいしゃのトヨタ自動車とよたじどうしゃは、改あらためて「日野ひの自じをどうするのか」という、トヨタ商用しょうよう車しゃ部門ぶもんの今後こんごの位置付いちづけに関かかわる大おおきな経営けいえい判断はんだんを迫せまられている。