ゲームエフェクトとは、ゲーム作品中で使用されるエフェクトの事である。ゲーム中で使われるエフェクトには視覚効果(ビジュアルエフェクト)と音響効果(サウンドエフェクト)があるが、本記事では視覚効果について解説する。サウンドエフェクトについては効果音の項目参照。
概要
ゲームエフェクトはビデオゲームの登場以来あらゆるジャンルで開発されて来ており、現在でも映像技術の発展と共に新たな技法が編み出されている。
ゲーム開発においてエフェクトの制作を担当するスタッフはエフェクトデザイナーと呼ばれる。レトロゲームの時代ではプログラマーやグラフィッカーがこの役目を兼ねておりエフェクト専門のスタッフが付くことはそう多くなかったが、近年の大規模なゲーム開発ではエフェクトデザイナーまたはエフェクトアーティストと呼ばれる職業が担うケースが目立っている。
ゲームエフェクトの制作には基本的に多くのメーカーが内製のツールを使用しているが、PhotoshopやAftereffectのような市販のツールも併用されている。また専用の制作ツールも何本かリリースされており、EffekseerやProminence等のフリーソフトや、商用ソフトにBISHAMON(旧BlendMagic)がある。UnrealやUnity等のゲームエンジンにエフェクトツールがセットになっている事もある。
定義と役割
ゲーム上に映し出されるグラフィックの内どこからどこまでをエフェクトと呼ぶべきか厳密に定めるのは難しいが、RPGやアクションゲームなどの戦闘で言え ば攻撃時や魔法使用時に限り用いられる特殊なグラフィックで、一般に動きの付いたものがこれに当たる。キャラクターやアイテム、背景などはこれに該当しな いが、これらがある動作をしたときに伴って現れたり、状態変化などをプレイヤーに知らせる主旨で表示されるグラフィックはエフェクトである。またグラフィックに対する各種の視覚的操作(点滅、反転、拡縮、回転など)もその一種となる。
ビジュアル・エフェクトは映像産業関連ではVFX(Visual Effectsの略。FXはeffectsに発音が似る為こう略される)と表記される事が多く、それ故ゲーム業界でもこの用語が屢使われる。
また近年では専用のツールを用いてエフェクトが制作される事が多く、それらエフェクトツールで作られたグラフィック全般をエフェクトと呼べるとも言える。
一方エフェクトの役割については次の二点が挙げられている。
- ゲーム画面を華やかにする
- ゲームの状況を分かりやすくする
1.は見栄えの為にある他、プレイヤーが臨場感・没入感・爽快感等を高めるのに貢献している。2.はOSやブラウザで言えばシークバーやプロセスの進捗率を示すインジケータのような役目を果たす。特にゲームでは特定のタイミングを視覚情報に頼って掴む必要がある作品が多く、そういった場面で適切なエフェクトを掛けられるかが肝心なポイントとなる。
ゲームエフェクトが視覚的・美術的に果たす役目の最たるものがエンファシス(強調、画然性)である。オブジェクトの周囲をオーラやグリッタで取巻く事によりその位置をプレイヤーに通達し、またそれがどういった状態にあるのかを視覚的に明示出来る。
キャラクターであれば攻撃力が増大している場合は赤のオーラで、逆に低下している場合は青でといった色分けが為される事はよくあり、またアイテムや宝箱であればそのレアリティにしたがってエフェクトを色分けするといった方法は定番となっている。
ゲームエフェクトの種類
ゲームエフェクトの入門書ではゲームエフェクトをまず2つに分類している。一つは炎・水・氷・煙などの自然物や、雨・雪・雷といった天候のような現実世界で見られる現象やその振舞いを模倣したもの、もう一つはゲーム中で演出に用いられるエフェクト全般で、これは現実世界には存在しないものとして分けている。
またそういった区分とは別に、ゲームエフェクトをそれが属する対象から次の3つにカテゴリ分けしている。
- キャラクターに属するもの
- 背景に属するもの
- 画面に属するもの
1.は「アクションエフェクト」や「バトルエフェクト」等と呼ばれ、プレイヤーの操作に伴って現れる事が最も多いエフェクトである。2.は「マップエフェクト」や「BGエフェクト」と言った呼称があり、その性質上プレイヤーの操作によって直接発現したり変化する事は少ない。3.は主に必殺技発動やステージクリア時など要所で用いられるエフェクトである。
エフェクトデザイン
ゲームエフェクトの大前提として「作品の世界観にマッチしている」事が条件となる。CGのビジュアルコンセプトがフォトリアルか、デフォルメかと言った問題や、ファンタジーやSFといった時代設定も外せない要因である。
またハードウェアの制約という課題を如何にクリアするかという所でもデザイナーの腕が問われる。大規模なエフェクトは相応の計算資源を要求するため、画面中を派手に彩るようなものはそれだけ負荷が大きくなり、最悪処理落ちを招く事になる。ゲームの操作性や快適性を損なう事無く画面映えのするエフェクトを盛り込んでいくかが大きなポイントになっている。
エフェクトデータの作成
旧来のソフトではゲーム中のグラフィックの大半がドット絵で表されており、キャラクターや背景のグラフィック同様エフェクトもまたドットエフェクトと呼ばれる画像データからなっている。
例えばファミリーコンピュータ(以下FC)では8ドット*8ドットの矩形領域をタイルと呼び、それらを16*16個張り合わせたものをパターンテーブルと称しているが、エフェクトデータもこのパターンテーブルに格納されていた。
PC用フリーゲームの多くでもこの手法が採用されており、かつては主にbmp形式でパターンテーブルが保存されていた。
一方3Dゲームではエフェクトの中身は他のCG同様テクスチャとモデルを素材とし、それらに位置・角度・大きさ等の各種パラメータを設定してアニメーションを表示させている。テクスチャは一枚絵のものとパターンテーブルのように何枚かの画像からなるデータ(テクスチャアトラス)がある。
パターンアニメテクスチャの作成は動画素材の編集加工によって行われる場合が多い。手順としてはまずPhotoshopなどの画像編集ソフトにあるフィルタ機能を活用して元画像をイラストライクなタッチに変換し、それに微修正を加えてテクスチャを仕上げる。
またパーティクルや流体シミュレーションを活用する手法も定番になっている。
エミッター
エミッターemitterとは放出器のことで、パーティクルシステムにおいてパーティクルの発生源となるオブジェクトを指す。例えば剣の刀身が光を帯びていた場合剣がエミッター、光がパーティクルとなる。
エミッターに対してパーティクルの位置関係を定義する事で(ローカル座標)、エミッターが移動した時パーティクルもそれに連動するという設定が容易に行える。逆にエミッターとパーティクルの位置関係を紐付けずにおけば(ワールド座標)、エミッターが移動してもパーティクルは元の場所から動かずにいる。
エフェクトによる演出の流れ
エフェクトによる演出には一連の流れがあり、例えば魔法であれば①詠唱、②発動、③飛翔、④着弾といった段階を踏んで行われる。
①の詠唱はキャラクターがコマンドを入力してから発動までの間に表示されるエフェクトで、魔法陣や
(追記待機中)
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