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シェンムー

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記事きじ編集へんしゅう

シェンムーとは、鈴木すずき裕ひろしが手掛てがけたコンピューターゲームシリーズ、またはその一いち作さく目めを指ゆびす。

概要がいよう

リアルに再現さいげんされた80年代ねんだいの横須賀よこすかの街まちの一いち角かくを舞台ぶたいに、主人公しゅじんこう・芭月つき涼りょうが、青銅せいどう鏡きょうを巡めぐって活躍かつやくする、オープンワールドアドベンチャーである。

大量たいりょうのフラグ、モーションキャプチャー、ボイス、ロケーションを作つくりこみ、現代げんだいの日本にっぽんの街まちをリアルに再現さいげんしている。これは当時とうじ、NHKで特集とくしゅうが組くまれるほどの画期的かっきてきな取とり組くみであった。

現代げんだいに近ちかい世界せかいを3Dで再現さいげんしたオープンワールドゲームの先駆さきがけ的てき存在そんざいであり、ファンタジー世界せかいを舞台ぶたいとしていたTESシリーズや、2DグラフィックだったGTA シリーズなどのそれまでのオープンワールドゲームとは一線いっせんを画かくす内容ないようで衝撃しょうげきを与あたえ、2001年ねん発売はつばいのGTA3や、その後ごセガが世よに放はなった龍りゅうが如しくシリーズなどに多大ただいな影かげ響ひびきを与あたえた。

当時とうじとしては画期的かっきてきだったその自由じゆう度どから、新しんジャンル『FREE』を自称じしょうしていた。

現在げんざいの最新さいしんタイトルに比ひべると、行動こうどう範囲はんいは狭せまく、グラフィックの美麗びれいさでは劣おとるものの、写真しゃしんや駄菓子だがしの一ひとつ一ひとつを手てに取とって見みられるほどの細部さいぶまでが作つくりこまれている。特とくに、NPCは実じつに数かず百ひゃく人ひといるにも関かかわらず、それぞれ多種たしゅ多様たような動うごきがモーションキャプチャーで再現さいげんされているうえ、フルボイスで会話かいわする。また、一人ひとり一いち人にんが生活せいかつ習慣しゅうかんをプログラムされており、非常ひじょうにリアルな街まちを再現さいげんしている。

時間じかん経過けいかと天てん候こうの変化へんかの描写びょうしゃも評価ひょうかが高たかい。さらには、ゲームセンターでSEGAのアーケードタイトルをそのままプレイ出来できると言いうアイデアも当時とうじとしては画期的かっきてきであった（第だい一いち章しょうではスペースハリアー、IIではアフターバーナーなど）。

このように、作つくりこみという点てんでは、現在げんざいのビッグタイトルにも引ひけを取とらない作品さくひんである。

開発かいはつ費ひ

シェンムーの開発かいはつには相当そうとうな予算よさんがかけられており、1作さく目めだけで実じつに約やく64億おく円えんの製作せいさく費ひがかかっている。これは、MGS4（55億おく円えん）やFF13（36億おく円えん）など、現代げんだいのHD ゲームの予算よさんさえも超ちょうえる額がくであった。

製作せいさく費ひについては1作さく目めしか公式こうしきにその額がくが明あかされていないため正確せいかくな額がくは不明ふめいだが、「1章しょう」と「Ⅱ」で合計ごうけい90億おく円えん程度ていどの製作せいさく費ひがかけられたとされている。その一方いっぽう、販売はんばい数すうは2作さく合あわせて約やく75万まん本ほん程度ていどと、どう見積みつもっても40億おく円えん以上いじょうの巨額きょがくの赤字あかじを出だしたことになる。

ただし、この開発かいはつ費ひの大半たいはんはゲームエンジンやオープンワールドのノウハウを１からすべて作つくらなければならないことから生しょうじたものであり、１作さく目めと比ひべて2作さく目めでは大幅おおはばに製作せいさく費ひが減少げんしょうしている。作つくられたノウハウの運用うんようやゲームエンジンの販売はんばい等とう、ゲームの売うり上あげ以外いがいでもかなり大おおきな収入しゅうにゅうがあったので40億おく円えんがそのまま赤字あかじになっていた訳わけではない。

シリーズ作品さくひん等とう

「シェンムー　一章いっしょう　横須賀よこすか」（1999） / シェンムーII（2001）

鈴木すずき裕ひろしはずっとアーケードゲームの開発かいはつに携たずさわっていたが、それは「平ひらた均ひとしプレイ時間じかんが3分ふんになる」ように設定せっていしなければならない世界せかいだった。"ひとつの長ながいプレイでメッセージを伝つたえる"ということをやってみたくなった鈴木すずきは、まったく新規しんきのRPGをいちから作つくるのではなく、既存きそんのIP（知的ちてき財産ざいさん）である「バーチャファイター」の世界せかいをRPGにするという形かたちで開発かいはつを進すすめていたが、新あたらしいゲーム機き「ドリームキャスト」を出だすことになり、新あたらしいハードには新あたらしいタイトルの方ほうがいいだろうということで、新規しんきIPとして「シェンムー」を作つくることになった。^[1]

第だい一いち作さく「シェンムー　一章いっしょう　横須賀よこすか」は1999年ねんに発売はつばいされ、ドリームキャストを擁ようするセガにとっては大おおきな販促はんそくタイトルであった。鈴木すずき裕ひろしは開発かいはつとマーケティングに4700万まんドルの費用ひようがかかったと語かたりっており、また、シェンムーのストーリーは完結かんけつするまでに少すくなくとも5本ほんは必要ひつようだとも言いっていた。^[2]

「シェンムーII」がまだ開発かいはつ中ちゅうであった2001年ねん 1月がつにセガはハードウェア事業じぎょうから撤退てったいすることを発表はっぴょうした。^[3]「シェンムーII」は発売はつばいされたものの、全ぜん11章しょうの内うち、6章しょうまでのストーリーまでしか描えがかれなかったため、ストーリーは完結かんけつしなかった。

シェンムーオンライン

2004年ねんにMMORPGとして「シェンムーオンライン」を開発かいはつすることが公式こうしき発表はっぴょうされ^[4]、クローズドベータテストまで実施じっしされたが、その後ご開発かいはつ会社かいしゃが変更へんこう、そして2007年ねんにはセガが中国ちゅうごくオンラインゲーム市場いちばからの撤退てったいを発表はっぴょうし、事実じじつ上うえの開発かいはつ停止ていしとなっている。

生うみの親おやである鈴木すずき裕ひろしは当初とうしょ「シェンムー3」の制作せいさくを熱望ねつぼうしていたようで、2006年ねん以降いこうはシェンムーオンラインにてシェンムーの物語ものがたりを完結かんけつさせる手段しゅだんも考慮こうりょしているという噂うわさが海外かいがいメディアによって伝つたえられていた。

シェンムー街がい

2010年ねん 10月、yahoo!モバゲーにて、ソーシャルゲーム「シェンムー街まち」のリリースが正式せいしき発表はっぴょうされたが、2011年ねん 12月26日にちにサービスを終了しゅうりょうした。^[5]

シェンムーⅠ&Ⅱ

「シェンムー一いち章しょう横須賀よこすか」と「シェンムーII」をカップリング移植いしょくしたもので、2018年ねん 11月にセガゲームスから発売はつばいされた。

英語えいご版ばんをベースにSEGA Europeが移植いしょく作業さぎょうを行おこなっている。テクスチャは基本きほん的てきに当時とうじのままで、実在じつざい企業きぎょうとのコラボについてはすべて架か空そらの企業きぎょう、製品せいひんに変更へんこうされている（セガのアーケードゲームについてはそのまま残のこされている）。PS4版はんとPC版ばんが存在そんざいするが、日本にっぽんではPS4版はんのみ販売はんばいされている。^[6]

シェンムーIII

シェンムーIIが発売はつばいされてから14年ねん経過けいかした2015年ねん 6月16日にち（日本にっぽん時間じかん）のE3にて鈴木すずき裕ひろし氏しが登壇とうだんし、シェンムーIIIの製作せいさくを発表はっぴょうした。対応たいおう機種きしゅはPCとPlayStation4。

開発かいはつ資し金きむを集あつめるためのクラウドファンディングもKickstarter（キックスターター）にて同時どうじにスタート、わずか8時じ間あいだで目め標しるべ額がくの200万まんドル（約やく2億おく4000万まん円えん）に到達とうたつした。

Kickstarterでの募集ぼしゅうは2015年ねん 7月がつ18日にちに終了しゅうりょう、調達ちょうたつ額がくは633万まん3296ドル（約やく7億おく8千せん万まん円えん）で、延のべバッカー数かずは69,320人ひと、五十嵐いがらし氏しの『Bloodstained: Ritual of the Night』を超ちょうえ、ビデオゲームカテゴリにおける最高さいこう調達ちょうたつ額がくを記録きろくした。^[7]