ユーロ(EURO)とは、ヨーロッパ(Europe)の略記であり、次の意味で使われる。
本記事では1.について解説する。
ユーロ(通貨)
通貨記号など
ユーロとは、主にEU(欧州連合)に加盟する諸国のなかで使われる統合通貨である。
通貨記号は「€」。通貨コードはEUR。英語表記はEuro。発行するのはECB(欧州中央銀行)である。
ユーロを導入した国
2024年2月の時点で、EU加盟国27ヶ国のうち、通貨同盟に合意して統合通貨ユーロを通貨としているのは20ヶ国である。
EUに加盟していないサンマリノ、バチカンおよびモナコにおいても、EUとの協定に基づいてユーロが法定通貨として流通している。
アンドラ、コソボおよびモンテネグロにおいては、EUとの協定がないままユーロが流通している。このことはドル化にならって「ユーロ化」と表現することができる。
ユーロを導入しない国
2024年2月の時点で、EU加盟国でユーロを通貨としていないのはデンマーク、スウェーデン、ブルガリア、チェコ、ハンガリー、ポーランド、ルーマニアの7ヶ国である。
イギリスは2021年1月にEUから完全離脱をしたが、それまでずっとユーロを通貨に採用していなかった。
ユーロ(通貨)の歴史
ユーロ導入は、欧州統合の一環として実現したものである。
従来、欧州各国は、それぞれ自国の通貨を有していた。しかし、1958年に設立された欧州経済共同体(EEC)は、ヒト・モノ・カネ・サービスの越境移動の自由を目指していたため、この通貨の問題に関わらざるを得なくなった。
各国がバラバラの通貨を維持すれば、国境をまたいだ商取引をする上で「障壁」になってしまう。そこで、経済通貨同盟(Economic and Monetary Union; EMU)を発足させ、最終的に欧州諸国の通貨を単一通貨へと転換して通貨同盟を採用することが目標とされた。
EECは欧州共同体(EC)、そしてEUへと発展していったが、それに合わせて通貨統合に向けた準備も徐々に進められ、ついに2002年から12のEU加盟国でユーロ紙幣・硬貨が流通するようになった。その後、一部のEU加盟国が通貨をユーロに切り替えていった。
EU加盟国の通貨
欧州中央銀行
ユーロに関する通貨政策は、ドイツのフランクフルトに所在する欧州中央銀行(European Central Bank; ECB)によって行われている。欧州中央銀行は、ユーロ圏における物価の安定(インフレの抑制)を主たる任務としている(EU機能条約第282条第2項)。
余談ながら、米国で「ウォール街を占拠せよ!」運動が盛んだった時期、フランクフルトの欧州中央銀行前も同様に「占拠」され、さながらテント村のようになっていたが、2013年2月現在では平穏を取り戻している。
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関連項目
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