実況パワフルプロ野球11とは、2004年7月15日にコナミから発売された野球ゲームである。
略称は「パワプロ11」。
パッケージ裏コピーは「プロ野球選手になりたくなる野球ゲーム!」である。
概要
「パワプロ」シリーズのナンバリングタイトル11作目で、前作のパワプロ10同様にプレイステーション2とニンテンドーゲームキューブにて同時発売された。
ミート打ちが強化され、ある程度芯を外した当たりでもヒット性の打球が飛ぶようになったが、かわりに強振でもホームランの当たりが出づらくなった(直球のジャストミートだと案外ボールが伸びない)。
一方守備面でも、ボールの方向にグラブを思い切り差し出す「伸ばしキャッチ」、横っ飛びしながらライナー性の打球をカットする「斜めジャンプ」のモーションが加わり充実。球際のプレーに磨きがかかった。
12月に出された「超決定版」ではミートがやや弱く、強振がやや強くなった模様。
モード解説
ペナントモード
新戦力発掘の方法が10とやや異なっており、一定のポイントを消費してスカウトを雇用し、ドラフト候補の発掘や調査を分担させるシステムになっていた。ややこしかったためか12では廃止された。
また「10」のサクセスのように若手を海外へ野球留学に出すことが出来る。
マイライフモード
プレイヤーの同僚キャラクター「奥居」がデビュー。他にもフリーの時間に行う「趣味」やプロ仲間及び彼女候補との「交友」などの要素が追加され、ペナントモードの付属品みたいな状況からパワーアップした(その代わりテンポは多少犠牲に)。詳細は「マイライフ」の記事を参照のこと。
超決定版に限って奥居の妹を彼女に出来る。しかしその条件が微妙に厳しく、その条件の前に某軟投派ピッチャーが涙を呑んだ。
シナリオモード
10のガチャポンではなく、野球盤ゲームで選手(隠しプロ選手)を獲得する方法に変わった。ボールをタイミングよく打ち返してヒット以上の成績になれば選手がもらえた。散々苦労してクリアしたシナリオで野球盤に失敗すると泣くに泣けない。
決定版には「どこでもシナリオ」というモードがあり、月ごとの名勝負を再現したシナリオが用意されていた。しかし12決定版では取り上げられず。そして12決定版を最後にシナリオモードはなくなった。
ホームラン競争
ホームランを打ちまくるごとに野球盤ゲームの挑戦権が手に入る仕様。このモードでもらえるのはOB選手。
超決定版では「対決!伝説選手」モードがあるためホームラン打ちまくってもOBはもらえない。
対決!伝説選手(超決定版)
パワプロ10にあったOB選手を打ち破っていくモード。10に比べて伝説選手のキャッチコピーが増え、またセーブポイントも少し増えたため進めるのが楽になった模様。
サクセスモード
「新世代大学野球編」と称しており、「パワプロ6」から約2年後の設定で、今回のパワプロくんは猪狩守らの4年下にあたる。
大学2年の4月から4年秋のリーグ戦までの間野球に打ち込み、プロ入りを目指す。
今回は1ターン1週間ではなく、1ヶ月を3ターンに分けており、月の終わりには消費した体力が初期値の半分ほど回復する。ゲーム期間は2年4月から4年9月か10月(最後の大会で全国出場)までなので、月に直すと30か31ヶ月、ターン数では90ターンか93ターンになる。
同じ月に同じ練習を続けることで多少経験点にボーナスが加算される。また練習を重ねることで練習レベルが上がるが、効率以上に体力消費の割増しが目立つ。一方イベントなどで「練習機材」がパワーアップすると、体力の消費量はそのままで練習の効率が上がる。また今回は練習による経験点の減少(例えば筋力練習をすると技術ポイントが減るなど)がなくなった。
お金の概念が6以来久々に復活し、練習の合間にアルバイトをして稼ぐ(バイトに行くとその月の練習は出来ない)。稼いだお金で練習効率を上げる野球道具や、体力を回復させるパワリンなどを買って使う。その月の最終ターンには野球以外の趣味に打ち込んだり、彼女候補とデートしたりすることが出来る。
また、これまではランダムイベントで現れることが多かった影山スカウトが普段の練習風景にもちょくちょく顔を出すようになったため、ゲームクリアに直結するスカウト評価を上げやすく、下位指名でいいならクリアがかなりラクになった。代わりに「バス停前高校」のような悲惨なザコチームもいないので、大会を勝ち抜くのが少し難しい。
彼女と付き合うことで特典が得られるのはもちろん、今回は彼女が稀に、練習効率が大幅に上がる「ラブパワー」を与えてくれるように。ただしデートにはお金がかかるようになったので付き合い続けるリスクも上がった。またデートしか出来なくなるバッドステータス「恋の病」が凶悪化しており、もし月の初めに出てしまえばその月の練習は全てオジャンというとんでもない仕様になっている。また稀に「作るつもりもないのにいきなり彼女ができる」という事態まで起こり、そうなると育成計画の大幅修正(或いはリセット)を余儀なくされることがままある。
試合操作や、後述する帝王大学の実技試験がうまい人は「筋力練習」と「守備練習」だけでかなり優秀なキャラを育成できる。そのためか超決定版では技術系練習の効率が低下している。
パワフル大学
「パワプロ6」のパワフル大学と同じ学校だが、世代交代に伴い大学移転をしており、その影響か弱小野球部と呼ばれるようになってしまったという設定。6で後輩だった江崎栗夫や熊谷公太郎は主人公の先輩として登場する。
オーソドックスな育成が出来るチームであるが、大学リーグを勝ち抜くことで野球部の「評判」を高めることが出来、そうすることで練習機材のレベルが上がるなどの恩恵が受けられる。むしろ評判が上がらないと育成がうまくいかない。
評判を上げてクリアすると、最初から評判が高い状態でプレイすることが出来るようになる。「弱小(デフォルト)」「普通」「強豪」の順に評判が高くなる。他の大学と比べて継承選手が登場しやすいのが特徴。
ゲーム開始時の評判が「普通」であれば早川あおいが監督として登場、野手では直接対決で特殊能力がもらえる可能性がある。また「強豪」であれば阿畑やすしが特別コーチとして登場し、彼の特別メニューを経て特殊能力を得る可能性がある。
しかし強豪で始めた場合はちょっと負けただけですぐ評判が普通に戻り、阿畑が帰るわけではないが練習機材が格下げされてしまう。また開幕版では、普通になったままクリアすると次回プレイで強豪モードを選べなくなってしまう(超決定版では一度強豪になれば失敗してももう一度強豪で始められる)。
ちなみに、今回はコーチ関係なくどこの大学でも阿畑が顔を出してきて、オリジナル変化球習得のイベントが起こる。
帝王大学
パワプロ6で山口が率いていた大学野球最強のチーム。ここもまた世代交代で山口は卒業している。それでも決して弱くはなく、新生パワフル大学にとっては目の上のたんこぶ。
あかつき系と同じく実力主義で、ランキング試験を行って上位のものから順にレギュラー獲得などで優遇されるというもの。通常のランクの上には「四天王」という別格の存在がおり(投手、内野手、外野手、捕手に一人ずつ)、四天王の地位を奪えばレギュラー確実、かつ通常より多く練習できる。
全国制覇できないとペナルティでやる気と体力が激減する、四天王が居残り練習をサボるとペナルティでやる気(略)、四天王から転落すると病気がいっぱいつくなどここ特有のデメリットが多い(しかも帝王大プレイの時に限って味方打線沈黙、投手陣炎上が起こってる気が…)ため育成が辛いが、最初から練習機材が良い(後半のイベントでさらにレベルが上がる)ことや実力試験パスによる経験点ボーナスなどのメリットも捨てがたく、実力があれば有力選手をぽんぽん作れる。
友沢亮が同僚で、プレイヤーが内野手の場合彼と四天王の座を争うことになる。
ここに限って裏モードがあり、ランキング試験を廃止出来るのだが、試験や試合をコンスタントに勝ち抜けるのであれば表モードの方が強い選手が作れるとも言われている。
イレブン工科大学
「11」つながりということで同じ大学のサッカー部と半ば合併した状態で戦っていくというヘンなチーム。人数不足のせいでサッカー部員まで野球の試合に参加する。
毎年7月と2月に学科試験があり、その試験をパスすれば練習機材が強化されるなどの恩恵があるが、逆にダメなら練習不能になってグレるという事態が起こってしまう。その試験に備えるためにチームメイトを誘って勉強会を開くが、そこでは新たな練習機材を開発することも可能。作ったり貰ったりした機材は次回のプレイに持ち越されることがある。
またグラウンドをサッカー部と共同で使っている事情から、2ヶ月ごとにグラウンド割り振りのジャンケンが発生し、勝てば一部の練習がパワーアップ、負ければ一部の練習が不可能になる。そんでもって12月にはサッカーの試合に出ることになり、活躍できれば経験点ボーナスが期待できる。
とまあこのように変なイベントが多く、特にジャンケンにより練習が左右されることで運要素が強いと言える。また試合では、野手は個性派揃いだが投手の枚数が不足していることから勝つのが難しい。あとCPUの守備がひどくザルのため、自分が投手になると却って勝ちづらい。
デメリットや不確定要素ばかりあげたが、11の彼女候補の中でも恩恵が特に大きくそこそこ可愛い伊東絵里と確実に知り合えるのは大きい。
橘みずきと同期になるが、10と違い早川あおいとあまりギスギスしておらず、ギスギスの原因である橘聖名子(みずきの姉。あおいにそっくり)の問題が12で思い出したように復活する。どうも聖名子の扱いに困っていた模様である。
栄光学院大学
11開幕版では最後の大会の決勝戦で立ち塞がってきた大学で、決定版ではプレイヤーのチームとして選択できる。
全国から有望な高校生を集めて作られた新しい野球部であり、他大学からのマークを避けるためにリーグ戦を棄権し続けている。そのため大会に出るチャンスは4年の秋しかない。また、清本和重を中心に大学野球の頂点に君臨する西強大学と同地区であり、彼らを倒さない限り全国大会に出場できない。
他大学に比べ公式戦が少ないが、その代わりにチーム内で時折紅白戦が催される。
チームメイトと一緒に練習すると仲間のやる気が上がり、みんなのやる気が高まると「ハッスル」状態になって練習効率がアップするが、しばらくすると反動で全員のやる気がガタ落ちした「どんより」状態になり、効率が最悪になる(たった1ターンでどんよりすることもある)。やる気の維持に振り回されて思ったとおりの育成ができないかも・・・
全日本編
野球世界一の座をかけて、プロアマ問わず全日本のスターが日本代表として集結するモード。日本代表メンバーとともに合宿を行い、世界戦(最大4試合)をフルイニング操作で戦っていく、という通常型とするめ大学型のハイブリッドとなっている。最初の戦いで勝てればその後の試合で負けてもクリア扱いになるが、球八高校のように途中棄権することは出来ない。
固定キャラが非常に多いのが特徴だが、いわゆるザコ選手の中にもプレイヤー自作のプロが(継承モードの有無に関わらず)紛れている。
練習期間は最大19日×3ターン=57ターンであるため通常モードと比べて少なく(練習レベル自体は高い)、タッグ練習運が強力選手育成には必要となる。
余談だが、本作の発売年に開催されたアテネ五輪の野球において、日本は準決勝でオーストラリアに破れ金メダルを逃している。そのためか超決定版では準決勝の対戦相手はキューバ代表からオーストラリア代表に代わっている。
球場案内
下記に挙げた新球場のほかにも、パワプロ10から「頑張市民球場」「にくきゅう場(地方球場)」「猪狩ドーム」が登場している。
ゴールドスタジアム
バックスクリーンに「The best ballpark」の謳い文句が輝くアメリカの球場。
両翼100m、センター122m、フェンス3mの総天然芝球場であり、世界大会の決勝が行われる場所でもある。
三段の観客席がグラウンドをぐるりと囲むコロッセオのごとき姿は壮観で、まさに世界一の座を懸けた戦いの舞台に相応しいといえる。
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