百姓ひゃくしょう単語たんご

ヒャクショウ

百姓ひゃくしょうとは、現代げんだいにおいては農業のうぎょうを営いとなむ人々ひとびとのことである。

概要がいよう

元もとは百姓ひゃくしょうとは農民のうみんに限かぎられず、いろいろな職業しょくぎょうの人ひとをさし、庶民しょみん、民衆みんしゅうくらいの意味いみであった。漢文かんぶんでは様々さまざまな職業しょくぎょうの庶民しょみんの意味いみで使つかわれ、農民のうみんに限かぎられない。現代げんだい中国ちゅうごく語ごでも「老ろう百姓ひゃくしょう」は役人やくにんではない一般人いっぱんじんの意味いみ。

日本にっぽんでも最初さいしょは同おなじだったが、近世きんせい頃ころから農民のうみんの意味いみで使つかわれるようになった。この為ため現在げんざいでも農業のうぎょうに従事じゅうじする人ひとを百姓ひゃくしょうという。

ただし、第三者だいさんしゃが農業のうぎょうを営いとなむ人ひとに対たいし百姓ひゃくしょうと使つかうことは軽蔑けいべつにあたり、放送ほうそう禁止きんし用語ようごになることもあるので注意ちゅういが必要ひつよう。

日本人にっぽんじんは武士ぶしの魂たましいを持もっていると言いわれたり、日本にっぽん史しの象ぞう徴しるしは武士ぶしかのように言いわれるが、これは｢刀かたなは武士ぶしの魂たましい｣という概念がいねんと同おなじように、近代きんだいに拡大かくだいしていった思想しそうであると考かんがえられる。

そもそも、武士ぶしとは乗の馬うま戦闘せんとうに長たけた専業せんぎょう戦士せんし、すなわち騎兵きへいであり、大元おおもとは朝廷ちょうていにつかえる下級かきゅう武官ぶかん（貴族きぞく）を祖そとすると言いわれる。時代じだいが下くだり、合戦かっせんが大だい規模きぼ化かしていくにつれ、戦場せんじょうにおける騎兵きへいの比ひ率りつは減へっていったり、百姓ひゃくしょう上あがりの｢武士ぶし｣が出でてきたりとややこしくなっていくが、これはまた別べつのお話はなしである。

合戦かっせんの戦闘せんとう員いんの中なかには歩兵ほへいもいたが、基本きほん的てきに歩兵ほへいは武士ぶしではなく、武士ぶしのように自前じまえの武たけ力ちからを持もち帯たい刀かたなしてはいるが、あくまで百姓ひゃくしょうの一いち形態けいたいに過すぎなかったとされ、郷士ごうしや地ち侍さむらい、足軽あしがると呼よばれる存在そんざいがこれに当あたる（彼かれらの一部いちぶは江戸えど時代じだいに下級かきゅう武士ぶしの身分みぶんや待遇たいぐうを与あたえられている）。