鬱ごはんとは、ヤングチャンピオン烈において連載している施川ユウキのダイエット漫画ギャグメシ漫画作品である。単行本は2023年10月時点で既刊5巻。
連載までの経緯
2010年前後の漫画界では新たなブームの潮流が生まれていた。
孤独のグルメが文庫化によってヒットしたのを皮切りに、花のズボラ飯、めしばな刑事タチバナなどメシ漫画が次々とヒットを飛ばしていったのである。これらはこれまでヒットしたグルメ漫画とは違い高級な食材や料理人の高度な技術によって成り立っている最高の料理を題材としているのではなく、平凡な食事を題材とし、なんてことはない料理に対して真摯に向き合って食事を行うことで読者の笑いと共感を得ていた。
以後雨後のタケノコのようにメシ漫画が乱立していくことになる。中にはダンジョン飯のように架空の食材を題材にした漫画まで現れた。
こんな流れがある中、施川ユウキの下にも編集より「メシ漫画を描かないか」との声がかかる。
施川は当然のように断った。施川本人は食事にそれほど関心がない上に、メシ漫画は料理をおいしそうに描けなければ成立しないと考えていた。施川は絵がヘタだった。
それでも食い下がる編集に根負けした施川はメシ漫画を描くことになる。
結果、とんでもないことになった。
メシ漫画はすべて食事の快楽を描いたものである。
一人であろうと複数であろうと食事の楽しさというのは人生においてかけがえのないもの。
そう思わせるのがこれまでのメシ漫画であった。
しかし施川はメシ漫画の常識をぶち壊してしまった。
一人飯の無残さを丹念に描いていく異形のメシ漫画を作り上げてしまったのである。
絵がヘタだったためこうならざるを得なかった。
鬱ごはんはこうして生まれた。
概要
就職浪人である鬱野たけしがメシを食べるだけの漫画である。
これだけなら他のメシ漫画と変わらないがこの漫画の最大の特徴は鬱野の食事シーンが全くおいしそうに見えないという点である。料理もマズそうなら食べている鬱野もおいしそうに食べない。
食事のたびに鬱野が考えることは
など食欲を失わせるようなことばかりである。
メシ漫画は主人公の独白によって成り立っているものが多いが、食べている本人がこんなことを考えていてうまいはずがない。その他周囲の目を気にし過ぎてしまい食事をするにはあまりに悲惨な状況に追い込まれるなど彼の食事シーンは無残の一言に尽きる。この無残さによってギャグ漫画として成立している。
読むと食欲が失せること請け合いでありダイエットに適している漫画である。
就職浪人の生態と内面を描いているため鬱野に近い境遇を持つものからはこの漫画のあまりの切れ味の鋭さに鬱野を笑っているのか自分を笑っているのか分らなくなる。
ただし実はこの漫画、主人公がこれだけマズそうに飯を食べているにも関わらず、料理自体がマズいという事はほとんどない。結局彼のメンタルや状況が食事を楽しむに足るものではないというだけである。従来のメシ漫画とは別のアプローチで食事に対する姿勢をいうものを考えさせる漫画でもある。
登場人物
その他
関連項目
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ページ番号: 5441221
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リビジョン番号: 3274013
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