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ジェイフォン

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J-PHONEとは、かつて存在そんざいした携帯けいたい電話でんわキャリアの名称めいしょうである。国鉄こくてつの鉄道てつどう通信つうしんインフラを引ひき継ついだ日本にほんテレコムの系列けいれつ会社かいしゃであった。

今日きょう、会社かいしゃは親おや会社かいしゃの日本にほんテレコムともどもボーダフォングループを経へてソフトバンクグループ入いりし、ソフトバンクとなっている。

近年きんねん、アップル社しゃのiPhoneのパクリだという若者わかものがいるが、J-PHONEのほうが10年ねん先さきに登場とうじょうしている。

概要がいよう

日本にほんテレコムによる携帯けいたい電話でんわ事業じぎょうへの参入さんにゅうは1991年ねん～1992年ねんのことであったが、当初とうしょは関東かんとう/甲きのえ信しん・東海とうかい・関西かんさいの3都市とし圏けんに限かぎったサービス展開てんかいで、ブランド名なは「デジタルホン」を採用さいようしていた。

その後ご、同おなじく3都市とし圏けんをカバーエリアとして携帯けいたい電話でんわ事業じぎょうを始はじめていた日産自動車にっさんじどうしゃ系けいのツーカー（TU-KA）とデジタルホンは共同きょうどうで、両者りょうしゃがカバーしていない地域ちいき（北海道ほっかいどう・東北とうほく・北陸ほくりく・中国ちゅうごく・四国しこく・九州きゅうしゅう/沖縄おきなわ）での携帯けいたい電話でんわ事業じぎょうを行おこなう会社かいしゃを設立せつりつし、デジタルホンとツーカーがその会社かいしゃとローミングを行おこなうことで全ちょん国くにネットを構築こうちくすることが当時とうじの郵政省ゆうせいしょうの指ゆび導しるべもあって決きまり、1994年ねん～1995年ねんにデジタルホンとツーカーの両者りょうしゃから名前なまえを取とったデジタルツーカー各社かくしゃを設立せつりつ、サービスを開始かいしした。

J-PHONEの呼称こしょうはそのような状況じょうきょう下か、関東かんとう地方ちほうでの事業じぎょうを行おこなっていた東京とうきょうデジタルホンがコミュニケーションネーム（愛あい称しょう）として1997年ねんに採用さいようしたことで生うまれた。この名称めいしょうは東海とうかい・関西かんさいでも追おって採用さいようされ、デジタルホンに変かわるブランド名なとして定着ていちゃくしていくことになった。

そして1999年ねん、日産にっさんが経営けいえい不振ふしんにより携帯けいたい電話でんわ事業じぎょうからの撤退てったいを決定けってい、これによりツーカーの株かぶはDDI（→KDDI）へ、デジタルツーカーの株かぶは日本にほんテレコムへ譲渡ゆずりわたされた。日本にほんテレコムは結果けっかとして自社じしゃ系列けいれつのみで全ぜん国くにネットワークをもつ会社かいしゃとなった。

日本にほんテレコムはツーカーとの共同きょうどう出資しゅっし関係かんけい消滅しょうめつ（デジタルツーカーでのローミング関係かんけいは継続けいぞく）を契機けいきとし、デジタルホン・デジタルツーカーの名なを廃はいして全国ぜんこく統一とういつの携帯けいたい電話でんわブランドを作つくることを決定けっていした。そこでJ-PHONEの名なが採用さいようされ、この愛あい称しょうは遂ついに正式せいしき社名しゃめい（登記とうき上じょうは「ジェイフォン」表記ひょうき）となった。

2000年ねんには元もとデジタルホン・デジタルツーカーの各社かくしゃを再編さいへん、全ちょん国くに3社しゃ体制たいせいを構築こうちくする。翌よく2001年ねんには日本にほんテレコムがJRとの資本しほん関係かんけいを断たち、イギリスの通信つうしん事業じぎょう者しゃであるボーダフォングループ入いりを果はたす。この時とき、J-PHONEは更さらに再編さいへんされて1社しゃでの全ぜん国くにカバー体制たいせいとなった。

しかし、2003年ねんには親おや会社かいしゃの意向いこうによってそのブランド名なと社名しゃめいを親おや会社かいしゃと同おなじ「Vodafone」に変更へんこうし、ここに「J-PHONE」の呼称こしょうは誕生たんじょう6年ねんで消滅しょうめつすることとなった。

後ご、ボーダフォングループは事業じぎょうをソフトバンクグループに売却ばいきゃく（2006年ねん）、日本にっぽんの携帯けいたい電話でんわ事業じぎょう者しゃであるボーダフォンはソフトバンクモバイル、日本にほんテレコムはソフトバンクテレコムに社名しゃめい変更へんこうされた。現在げんざいでは両者りょうしゃがワイモバイルやソフトバンク BBと共ともにソフトバンクへ統合とうごうされ、今日きょうに至いたっている。

J-PHONE東海とうかいの躍進やくしん

デジタルホン時代じだいより3番手ばんてキャリアに甘あまんじていた面めんが有あるJ-PHONEであるが、実じつはある地域ちいきにおいては、IDO→au 陣じん営を凌りょうぐ2番手ばんてキャリアとして存在そんざい感かんを示しめしていた。東海とうかい地方ちほうである。

この地方ちほうを担になう地域ちいき会社かいしゃのJ-PHONE東海とうかいは、東海とうかいデジタルホン時代じだいよりマーケティング戦略せんりゃくに優すぐれており、携帯けいたい代だい金きむの5%のキャッシュバックするクレジットカード「J-PHONE東海とうかいカード」の発行はっこう、携帯けいたい電話でんわからFAXを送信そうしんできる「SKY FAX」など独自どくじサービスの実施じっし、家族かぞく割引わりびきの先駆さきがけとなる「ファミリーパックゴーゴー」など割引わりびき・格安かくやす料りょう金きむプランの提供ていきょう等とうで顧客こきゃくの心しんを掴つかみ、他たの地域ちいきでは50～60%を超ちょうえていたNTTドコモのシェアを40%台だい後半こうはんに抑おさえ、15%未み満まんのシェアしか取とれていないIDOを尻しり目めに、25%以上いじょうものシェアをJ-PHONEが獲得かくとくしていた。

この東海とうかい地方ちほうでの奮闘ふんとうも一因いちいんとなってか、2002年ねんにJ-PHONEは全ぜん国くにシェアでも一時いちじauを上回うわまわり、業界ぎょうかい2位いとなっていたことがある。
しかしJ-PHONEを買収ばいしゅうしたボーダフォンは魅み力ちからあるサービスを打うち出だせず、以後いごauの躍進やくしんを許ゆるしてしまい、この地位ちいをみすみす手放てばなすこととなった。

東海とうかい地方ちほうというとトヨタ自動車とよたじどうしゃのお膝元ひざもとという環境かんきょうから、そことIDO設立せつりつ時じより資本しほん関係かんけいにあるauが強つよい印しるし象ぞうがあるが、実際じっさいには今いまなおこの時代じだいからの顧客こきゃくを引ひき継ついだ形かたちで、ソフトバンクモバイルのユーザーが結構けっこうな割合わりあいを占しめている状況じょうきょうにある。