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記事きじ編集へんしゅう

MZとは、シャープがかつて販売はんばいしていたパソコンのブランドである。

概要がいよう

シャープの部品ぶひん事業じぎょう部ぶおよび情報じょうほうシステム事業じぎょう部ぶが販売はんばいしていた。
一方いっぽうで同おなじくシャープから販売はんばいされていたX1 シリーズおよびX680x0シリーズは、テレビ事業じぎょう部ぶが販売はんばいを行おこなっていた。

黎はじむ明あかり期きより販売はんばいされていたものの、他社たしゃに比ひべてグラフィック、サウンド機き能のうの低ひくさが目め立たち、カラー化かにも後おくれをとったこと、その間あいだにX1 シリーズがホビーユースを中心ちゅうしんに浸透しんとうしたことなどで、徐々じょじょにフェードアウトしていった。
一方いっぽうで1982年ねん頃ころからビジネス向むけのラインナップを行おこない、翌年よくねんには16ビット化かも行おこなわれたが、NECのPC-9800シリーズの牙きば城しろを崩くずすこともできず、こちらもフェードアウトしていった。

後のちに情報じょうほうシステム事業じぎょう部ぶは1990年代ねんだいに入はいって、Windows ノートパソコンのメビウス（Mebius）と、PDAのザウルス（Zaurus) を販売はんばいしたが、それぞれの頭文字かしらもじはMZの二に文字もじから採とられていると言いわれている。この2つの製品せいひんは2000年代ねんだい後半こうはんまで販売はんばいされるロングセラーとなった。

特徴とくちょう

クリーンコンピューター

当時とうじのパソコンの多おおくは、BASIC 開発かいはつ環境かんきょうをROM チップに収おさめ、マザーボードに組くみ込こまれていた。
これに対たいしてMZシリーズでは、現在げんざいのパソコンのBIOSに相当そうとうする最低さいてい限かぎりの機き能のうのみをROMとして組くみ込こみ、BASIC 開発かいはつ環境かんきょうなどの基本きほんソフトウェアを外部がいぶから読よみ込こんでRAMに収おさめる方法ほうほうを採用さいようした。
これをシャープは「クリーンコンピューター」と呼よんだ。

もともとシャープでは自前じまえでBASICを開発かいはつすることができず、ハドソンなどの外部がいぶ企業きぎょうに依頼いらいしており、自前じまえでのデバッグが十分じゅうぶんに行おこなえない環境かんきょうに合あった。もし致命ちめい的てきなバグが見みつかれば対応たいおうまでに時間じかんがかかり、甚大じんだいな損失そんしつを抱かかえかねなかった。
そこで、もしバグが見みつかってもテープのみを配送はいそうすることですぐに解決かいけつできるようにしたのが、このクリーンコンピューターだった。幸さいわいにもバグは発生はっせいしなかった。
逆ぎゃくに、新あたらしいBASIC 開発かいはつ環境かんきょうや異ことなるOSが出でても、テープから読よみ出だすことで利用りようできたため、柔軟じゅうなんなシステムの変更へんこうを可か能のうにした。

現在げんざいのWindows パソコンでは当あたり前まえとなっている構成こうせいであるが、当時とうじのMZシリーズではオーディオテープでしか補助ほじょ記憶きおく装置そうちがなかったため、読よみ込こみが完かん了りょうするまでに数すう分ふんを要ようした（その間あいだ、ユーザーはコーヒーブレイクの時間じかんとしていた）。後のちにFDDを搭載とうさいしたモデルが登場とうじょうしたことで、この待まち時間じかんもほぼ解消かいしょうされた。

モニター一いち体型たいけい

初代しょだいとなるMZ-80Kより、本体ほんたいにキーボード、データレコーダー、モノクロモニター（当初とうしょはグリーンモニター）を一体いったいにした形態けいたいで販売はんばいされていた。MZ-80Kはユーザー側がわで組くみ立たてるセミキット形式けいしきであった。

しかし、カラーグラフィック化かを行おこなう上うえで、モニターのコストがかかりすぎることから、MZ-700よりモニターが分離ぶんりされるようになった。

補助ほじょ記憶きおく装置そうちの標準ひょうじゅん搭載とうさい

ほとんどの機種きしゅにおいて、補助ほじょ記憶きおく装置そうちが標準ひょうじゅん搭載とうさいされていた。他社たしゃではデータレコーダーも別売べつうりすることも多おおくあった。
初期しょきのモデルではデータレコーダー、MZ-1500はクイックディスク（ファミコンのディスクカードとほぼ同おなじ仕様しよう）、MZ-2200ではすべて外そと付づけとなったが、MZ-2500、ビジネス向むけのモデルではFDDが搭載とうさいされた。