水素水とは (ヤマモトヤマとは) [単語記事]

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※ご自じ身みの健康けんこう問題もんだいに関かんしては、専せん門もんの医療いりょう機関きかんに相談そうだんしてください。

水素すいそ水すいとは、様々さまざまな疾患しっかんへの治療ちりょう効果こうかについて研究けんきゅうされている水素すいそに富とんだ水みずである。ただし2016年ねん現在げんざいの日本にっぽんでは、健康けんこう商法しょうほうとして飲料いんりょうのキャッチコピーにも利用りようされている。

なお、この記事きじで「水素すいそ」という用語ようごが登場とうじょうする場合ばあい、特記とっきしない限かぎり常温じょうおん常つね圧あつでは気体きたいとして存在そんざいする水素すいそ分子ぶんし(H₂)のことを指ゆびす。

概要がいよう

電子でんし産業さんぎょうでは水素すいそを溶とかした水みずを洗浄せんじょう用途ようとに用もちいているようだが、ここでは飲用いんようの水素すいそ水すいについて記しるす。

水素すいそ水すいには定義ていぎが無むい。水みずと水素すいその混合こんごう物ぶつであると考かんがえられる。

なお、厚生こうせい労働省ろうどうしょうが定さだめた食品しょくひん添加てんか物ぶつの既存きそん添加てんか物ぶつ名簿めいぼ収載しゅうさい品目ひんもくリストには水素すいそが含ふくまれている。
このため、水素すいそ水すいに毒どく性せいは無むいと思おもわれる。
医薬品いやくひんにも保健ほけん機き能のう食品しょくひんにも定さだめられていないため具体ぐたい的てきな効こう能のうは示しめされないが、健康けんこうに良よさそうなPRをされている。

ところがこのPRにおいて、H₆Oという信しんじがたい分子ぶんしを作つくり出だしたり、芸能人げいのうじんが心酔しんすいしていたり、胡散臭うさんくさい面めんが見みられたため叩かれる材料ざいりょうとなった。

ナントカ還元かんげん水みずことアルカリ電解でんかいイオン水みず（呼称こしょうは多数たすうある）も水素すいそを含ふくむため、流行はやりに乗のって水素すいそ水すいを名乗なのっていると疑うたがわれるが、これは上記じょうきの水素すいそ水すいとは化学かがく的てき性質せいしつが異ことなるため、注意ちゅういが必要ひつようである。

そもそも、こういった健康けんこう商法しょうほうから離はなれた「水素すいそ水すい」「水素すいそ医学いがく」自体じたいは多数たすうの研究けんきゅうが行おこなわれており、その報告ほうこくの中なかには疾患しっかんに対たいするポジティブな効果こうかを期待きたいさせるものもある。「水素すいそ水すい」を経口けいこう摂取せっしゅさせた研究けんきゅうもある。経口けいこうでの水素すいそ水すい摂取せっしゅがパーキンソン病びょうの治療ちりょうに際さいして効果こうかを及およぼすか否ひかを確認かくにんするための、多た施設しせつ共同きょうどうでの臨床りんしょう試験しけんも開始かいしされている。

もちろん「研究けんきゅうがなされている＝健康けんこう効果こうかが確実かくじつ」というわけではないが、「水素すいそ水すい」という存在そんざい・用語ようご自体じたいがインチキや疑似ぎじ科学かがくというわけではない。

そういった「水素すいそ医学いがく」、すなわち水素すいそ分子ぶんしに治療ちりょう的てき効果こうかが期待きたいできるという研究けんきゅうが増加ぞうかし始はじめたのは、2007年ねんにNature Medicineに掲載けいさいされた日本人にっぽんじん研究けんきゅう者しゃの論文ろんぶんが発端ほったんのようだ。

ただし、その論文ろんぶんの著者ちょしゃの一人ひとりである研究けんきゅう者ものは、巷ちまたで販売はんばいされている「水素すいそ」を掲かかげた健康けんこう商法しょうほうについて以下いかのように述のべている。

（注ちゅう）「マイナス水素すいそイオン」「プラズマ水素すいそ」「水素すいそ吸蔵サンゴ」などと称しょうした健康けんこう飲料いんりょうあるいは健康けんこうサプリメントが販売はんばいされているが、本ほん研究けんきゅうならびに本稿ほんこうとは全まったく無む関係かんけいであることを明記めいきしたい。また、ペットボトルからは水素すいそ分子ぶんしは抜ぬけ出でてしまうので、ペットボトルに入はいった「水素すいそ水すい」と称しょうする商品しょうひんにはH₂は含ふくまれていない。

水素すいそ医学いがくの現状げんじょう : 基礎きそ医学いがくから臨床りんしょう医学いがくへ(話題わだい)

注意ちゅうい！！活性かっせい水素すいそ、マイナス水素すいそイオン、プラズマ水素すいそ、水素すいそ吸蔵サンゴ、水素すいそ吸蔵ゼオライト、と記載きさいされているものや、「水素すいそ水すい」と称しょうしたペットボトルの水みずは、分子ぶんし状じょう水素すいそ、水素すいそガス、水素すいそ水すいとは別物べつもので私わたしの研究けんきゅう成果せいかとは全まったく無む関係かんけいです。消費しょうひ者しゃの方ほうは、インチキ商品しょうひんに注意ちゅういしましょう。

水素すいそ医学いがくについて | 太田おおた成男しげおのちょっと一言ひとこと　

「粉末ふんまつの水素すいそ水すい」

2018年ねん 8月がつ、岐阜ぎふ県けん関せき市しに位置いちする企業きぎょう「奥おく長良川ながらがわ名な水みず」から「ハイドロエッグ水素すいそパウダー」という商品しょうひんが発表はっぴょうされた。この発表はっぴょうは「粉末ふんまつの水素すいそ水すい」という表現ひょうげんでニュースサイトやSNSなどで当時とうじ話題わだいとなった。

その中なかには「水素すいそを粉末ふんまつ化かできるわけないだろう」といった論調ろんちょうでの批判ひはん、あるいは嘲笑ちょうしょう的てき意見いけんもあった。ただしこの企業きぎょう「奥おく長良川ながらがわ名な水みず」のサイトなどを参照さんしょうする限かぎり、この商品しょうひんは「水素すいそを発生はっせいさせる物質ぶっしつを粉末ふんまつ化かしたもの」であって「水素すいそを粉末ふんまつ化かしたもの」ではない。そのため上記じょうきのような「水素すいそを粉末ふんまつ化かできるわけないだろう」という論調ろんちょうでの批判ひはんや嘲笑ちょうしょうは的外まとはずれなものであって、ツッコミどころはそこじゃない。

ちなみに、「奥おく長良川ながらがわ名な水みず」は水素すいそ水すいに関連かんれんする技術ぎじゅつを特許とっきょ申請しんせいしておりその内容ないようがGoogle Patentsなどで閲覧えつらんできる。また、水素すいそ水すい商品しょうひん開発かいはつ上うえで生しょうじた疑問ぎもん点てんの解明かいめいをはかって大だい型かた放射ほうしゃ光ひかり施設しせつ「SPring-8」を利用りようしたことがあるようで、「SPring-8産業さんぎょう利用りよう推進すいしん室しつ」ウェブサイトが公おおやけ開ひらけしている利用りよう支援しえんプログラム成果せいか報告ほうこく書しょ内ないにその形跡けいせきが残のこる。こういった詳細しょうさいな文書ぶんしょにこそ真しんのツッコミどころがあるはずなので、お暇ひまな方ほうは読よんでみては。