祠とは (ホコラとは) [単語記事]

祠ほこら（ほこら）とは、神かみを祀まつった小ちいさな建物たてもの・構造こうぞう物ぶつのことである。

概要がいよう

（ポジキ氏し投稿とうこうの画像がぞう、祠ほこらの3Dモデルは惨劇さんげきくま氏しの作成さくせい）

はっきりとした定義ていぎはないが、日本にっぽんでは上うえ画像がぞうのように「神社じんじゃ」と比ひべて小ちいさな建物たてものを呼よぶことが多おおく、一般いっぱん的てきに神主かんぬしはいない。鳥居とりいはない場合ばあいも多おおく、扉とびらのすぐ向むこうに神体しんたいや御幣ごへいが安置あんちされている。注連縄しめなわや鈴すず・鉦かねがつけられていることもあるほか、神かみ酒さけなどのお供そなえ物ものがされている場合ばあいもあるが、賽銭さいせん箱ばこは無むいことが多おおい。

道路どうろ沿そいに置おかれる場合ばあいもあるが、山やまの上うえや小ちいさな島しまなど、めったに人ひとが立たち入いらない場所ばしょにもある。個人こじんの家いえの敷地しきち内ないにあり、家いえを守まもる神かみが祀まつられている場合ばあいは「屋敷やしき神しん」と呼よばれることが多おおい。また、一部いちぶには自然しぜんの洞窟どうくつを利用りようしているものもある。

IngressやPokémon GOなどのNiantic社しゃの位置いち情報じょうほうゲームではスポットとして登録とうろくされていることも多おおい。

管理かんり

管理かんりは地元じもとの有志ゆうしによって行おこなわれていることが多おおい。しかし、過疎かそ地域ちいきの場合ばあいは管理かんりが行いき届とどかず荒あれ果はてていることもあり、儀式ぎしきを経へて別べつの祠ほこらや神社じんじゃと合ごう祀まつされてしまうこともある。逆ぎゃくに都市とし部ぶの場合ばあいはしっかり管理かんりされている祠ほこらが多おおいが、開発かいはつに伴ともないビルの屋上おくじょうに移うつされていることもある。

いずれにしても御霊みたま抜ぬき・魂たましい抜ぬきなどの手順てじゅんなくいきなり壊こわすなど、乱暴らんぼうな行おこないをするとバチが当あたると言いわれることも多おおく、創作そうさく物ものでは実際じっさいに祟たたりに遭あうこともある。実際じっさいに管理かんりしている人ひとがいる場合ばあいも多おおいので、祠ほこらはむやみに触さわらず、大切たいせつに扱あつかった方ほうがよい。

祀まつられている神かみ

日本にっぽんでは主あるじに神道しんとう関連かんれんの神かみが祀まつられるが、仏教ぶっきょうの「地蔵じぞう菩薩ぼさつ」のほか、地元じもと独自どくじの民俗みんぞくに基もとづくもの、自然しぜん崇拝すうはい的てきなもの、地元じもとの人ひとでも由来ゆらいが分わからなくなってしまったものが祀まつられている場合ばあいもある。例たとえば京都きょうと市しなど地蔵じぞう盆ぼんが行おこなわれる地域ちいきでは、地蔵じぞう菩薩ぼさつの祠ほこらが多おおく見みられる。

似にたような他ほかの宗教しゅうきょうの礼拝れいはい所しょも日本語にほんごでは「祠ほこら」と呼よぶ場合ばあいがあり、「聖きよし母ははマリアの祠ほこら（サイパン）」「エーラーワンの祠ほこら（タイ、ヒンドゥー教きょう）」などがこれにあたる。ゲーム中なかに登場とうじょうする神かみ聖きよしな場所ばしょも「祠ほこら」「ほこら」と呼よばれる場合ばあいがある。

インターネットミームとしての扱あつかい

SNS上うえでは「あの祠ほこらに行いったんか？」等とうのネタ投稿とうこうが複数ふくすう見みられる。「村人むらびとが『祠ほこらに行いく（壊こわす）と祟たたられる』と思おもっていたが、実じつは…」というパターンが多おおい。ただ、稀まれに余計よけいに被害ひがいが大おおきくなったり、話はなしが予想よそう外がいの方向ほうこうに行いったりすることもある。

創作そうさく物ものでの初出しょしゅつは不明ふめい。そもそも「あの祠ほこらに行いってはいけない」というい伝いつたえは現実げんじつの村むらにも存在そんざいする（した）可か能のう性せいはあり、「祠ほこらを壊こわしてはいけない」であればなおさら現実げんじつ世界せかいでも通用つうようする話はなしではある。刊行かんこう物ぶつやネット上うえの投稿とうこう物ものより前まえに、民話みんわや風ふう習の時点じてんで類似るいじした話はなしがあったとも考かんがえられる。