概要がいよう

揚あげ州しゅう呉くれ郡ぐん銭ぜに唐から県けんの人ひと。妻つまは孫まご魯班（孫まご権けんの娘むすめ）。子こは全ぜん緒いとぐち・全ぜん奇き・全ぜん懌・全ぜん呉ご。

温厚おんこう恭順きょうじゅんな性格せいかくとされており、謙虚けんきょで傲慢ごうまんな態度たいどがなかったという。

時期じきは不明ふめいだがある時とき、全ぜん琮は父ちちの命令めいれいで桂かつら陽ようから呉くれ郡ぐんに米こめを運はこんで売却ばいきゃくする任務にんむを負おったが、全ぜん琮はその米こめを民みん達たちに施ほどこした。父ちちは激怒げきどしたが、全ぜん琮は民みん達たちが苦くるしむのを見みかねたためだと謝罪しゃざいし、それを見みた父ちちは全ぜん琮の非凡ひぼんさを認識にんしきして許ゆるした。その後ご、全ぜん琮は戦乱せんらんを避さけて逃のがれて来きた豪族ごうぞく達たちに、全ぜん琮は家財かざいを傾かたむけてまで援助えんじょした事ことから、全ぜん琮の名なは広ひろまったという。

全ぜん琮が頭角とうかくを現あらわしたのは、219年ねんの関せき羽はね討伐とうばつ（樊城の戦たたかい）の時ときで、全ぜん琮は関せき羽はね討伐とうばつの計略けいりゃくを考案こうあんし、孫まご権けんに上うえ疏した。だがこの時とき、すでに孫まご権けんは呂りょ蒙こうむと関せき羽はね討伐とうばつの計画けいかくを立たてていたため、情報じょうほう漏洩ろうえいを恐おそれて上表じょうひょうを無視むしした。その後ご、関せき羽はね討伐とうばつ後ごに開ひらいた祝宴しゅくえんで、全ぜん琮は孫まご権けんから「今回こんかいの勝利しょうりは全ぜん琮の手柄てがらでもある」と称となえられた。

夷えびす陵りょうの戦たたかい後のちに大軍たいぐんを持もって侵攻しんこうしてきた魏たかし軍ぐんを他たの諸しょ将しょう達たちとともにこれを防ふせいで撃破げきはした。

また、石いし亭ていで魏ぎの曹休を計略けいりゃくにより誘おびき出だし、これを打うち破やぶった。

229年ねんに、衛まもる将軍しょうぐん・左ひだり護まもる軍ぐん・徐じょ州しゅう牧まきに任命にんめいされると、さらに孫まご権けんの娘むすめであった孫まご魯班を妻つまとして与あたえられ、孫まご権けんの娘むすめ婿むこになり、4人にんの息子むすこを授さずかる。

呉ごの重臣じゅうしんとなった全ぜん琮ことで一族いちぞくは最盛さいせい期きを誇ほこるようになる。

孫まご和わと孫まご覇はによる後継こうけい者しゃ争あらそい（二宮にのみやの変へん）では、孫まご覇はを支持しじしていた。

249年ねんに死去しきょしたとされる。

関連かんれんタグ

三国志さんごくし　孫呉そんご

孫まご魯班　孫まご権けん