抄録
自らの場所で自らの手で暮らしをデザインすることが、生きることに意味を与える。人類史の中のデザインの分析から、効率と創造というデザインを動かしてきた2つの原理を導く。農耕社会から産業化社会において効率原理が優位になり、GDPを最大化するような社会デザインによって、自然資源の搾取だけでなく、暮らしのあらゆる側面における、専門家による創造活動の独占が生じ、我々の暮らしをデザインする可能性と能力の抑圧を招いたことを指摘する。ローカルな文脈で自らの暮らしを手作りするための資源を共有する共創のネットワークによる、LDP(Local Domestic Products)によるデザインを提案する。