近年きんねん、鉄道てつどうの駅えき周辺しゅうへんでは、超ちょう高層こうそう集合しゅうごう住宅じゅうたくを伴ともなう都市とし再さい開発かいはつ事業じぎょうが多おおく実施じっしされており、このような都市とし再さい開発かいはつ事業じぎょうは、コンパクトシティの形成けいせいに寄与きよすると考かんがえられている。しかし、その影響えいきょうについて十分じゅうぶんな評価ひょうかがなされないまま承認しょうにんされてきた。そこで、本ほん研究けんきゅうでは、超ちょう高層こうそう集合しゅうごう住宅じゅうたくを伴ともなう都市とし再さい開発かいはつ事業じぎょうがコンパクトシティの形成けいせいに与あたえる影響えいきょうとその効果こうかを検討けんとうし、鉄道てつどう駅えき周辺しゅうへんの都市とし再さい開発かいはつ事業じぎょうの今後こんごのあり方かたを検討けんとうすることを目的もくてきとする。指標しひょうを設定せっていして、その指標しひょうに則のっとり、首都しゅと圏けん郊外こうがいにおける超ちょう高層こうそう集合しゅうごう住宅じゅうたくを伴ともなう都市とし再さい開発かいはつ事業じぎょうの29事例じれいの評価ひょうかと、駅えき周辺しゅうへんの超ちょう高層こうそう集合しゅうごう住宅じゅうたく居住きょじゅう者しゃへのアンケート調査ちょうさの結果けっかによる評価ひょうかを実施じっしした。その結果けっか、超ちょう高層こうそう集合しゅうごう住宅じゅうたくを伴ともなう市街地しがいち再さい開発かいはつ事業じぎょう自体じたいのコンパクトシティ形成けいせいに対たいしての影響えいきょうは、事業じぎょうにより直接ちょくせつもたらされる効果こうかである歩行ほこう者しゃ環境かんきょうや交通こうつう広場ひろばなどの整備せいびによる効果こうかは大おおきかったが、駅えき周辺しゅうへんへの人口じんこうの集約しゅうやく、生活せいかつ利便りべん性せいの向上こうじょう、地域ちいき経済けいざいの活性かっせい化かなどについては大おおきな効果こうかがあるとは言いい難がたい結果けっかとなった。また、駅えき近ちかくの超ちょう高層こうそう集合しゅうごう住宅じゅうたくへの転居てんきょによる効果こうかについても、もとから駅近えきちかくに居住きょじゅうしていた人ひとが多おおく、大おおきな効果こうかはなく、かつ効果こうかがあったものも、超ちょう高層こうそう集合しゅうごう住宅じゅうたくという住宅じゅうたくの形態けいたいではなく、駅えきの近ちかくという場所ばしょの特性とくせいによる効果こうかであったと考かんがえられる。