アルバニアのアニメーションは社会しゃかい主義しゅぎ時代じだいの1975年ねんから作つくり始はじめられ、多おおくのヨーロッパの国々くにぐにに比くらべるとより遅おそく誕生たんじょうしている。本ほん論文ろんぶんでは社会しゃかい主義しゅぎ体制たいせいであった1980年代ねんだいに製作せいさくされた9本ほんの大人おとな向むけアニメーションに焦点しょうてんを当あてる。

社会しゃかい主義しゅぎに賛同さんどうしていた人ひと、洗脳せんのうされていた人ひともいれば、制度せいどに迫害はくがいされて苦くるしんでいた人ひと、不満ふまんを持もった人ひと、そして社会しゃかい主義しゅぎのメリットとデメリットをよく理解りかいしていた知識ちしき人じんもいた。作品さくひんをどのように受うけ取とるかは見みる人ひとの立場たちばによって違ちがってくる。社会しゃかい主義しゅぎ体制たいせいにおいては制作せいさく者しゃが政府せいふのイデオロギーに従したがわないといけない現実げんじつがあったが、芸術げいじゅつと政治せいじ的てきプロパガンダは矛盾むじゅんする側面そくめんを持もっている。このことはアルバニアの大人おとな向むけアニメーションではどのように表現ひょうげんされ、さらに、政治せいじ的てきプロパガンダの強制きょうせい下かでアニメーション芸術げいじゅつ家かはどのように芸術げいじゅつとしての自律じりつ性せいを保たもっていったのだろうか。