コラム：板尾いたお創そう路ろの脱獄だつごく映画えいが万まん歳さい！ - 第だい4回かい

第だい4回かい：サッカーの王様おうさまペレも出演しゅつえん。S・スタローン主演しゅえん「勝利しょうりへの脱出だっしゅつ」

第だい4回かいは、サッカーと脱出だっしゅつ劇げきを融合ゆうごうさせた壮大そうだいな戦争せんそうドラマ「勝利しょうりへの脱出だっしゅつ」（80）をお届とどけ。シルベスター・スタローン、マイケル・ケインら実力じつりょく派は俳優はいゆうのほか、サッカーの王様おうさまペレをはじめとする当時とうじのスター選手せんしゅが多数たすう出演しゅつえんする本ほん作さくについて語かたる。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◇「勝利しょうりへの脱出だっしゅつ」ストーリー◇
1943年ねん、ドイツ南部なんぶのゲンズドルフ捕虜ほりょ収容しゅうよう所しょでは、連合れんごう国軍こくぐんの捕虜ほりょたちが気晴きばらしでサッカーに興きょうじていた。その様子ようすを見みていたドイツ軍ぐん将校しょうこうシュタイナーは、ドイツ代表だいひょう対たい連合れんごう国軍こくぐん捕虜ほりょチームとの親善しんぜん試合しあいを思おもいつき、捕虜ほりょのリーダーで元もと英国えいこく代表だいひょうサッカー選手せんしゅのコルビー大尉たいいもその提案ていあんを受うけ入いれる。だが、実じつは連合れんごう国軍こくぐんには試合しあいに乗じょうじた大だい規模きぼな脱走だっそう計画けいかくがあり、一方いっぽうのドイツ軍ぐんも試合しあいをプロパガンダに利用りようしようとして……。―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

――この映画えいがは1980年ねんの作品さくひんで、板尾いたおさんは当時とうじ高校生こうこうせいぐらいだったと思おもいますが、初はじめて映画えいがを見みたときのことは覚おぼえていますか？

「この映画えいがは映画えいが館かんに見みに行いきました。脱獄だつごくとサッカーを絡からめるというのが『大丈夫だいじょうぶか？』とも思おもったんですが、実際じっさいうまく取とり入いれられているし、よく出来できた映画えいがだと思おもいました」

――「大だい脱走だっそう」と「勝利しょうりへの脱出だっしゅつ」には、ナチスの捕虜ほりょとなった連合れんごう軍ぐん、主人公しゅじんこうがアメリカ人じんなどいくつか共通きょうつう点てんがありますね。

「特とくにそういうことは意識いしきしていなくて、単純たんじゅんに良よい映画えいがとして印象いんしょうに残のこっていたからなんですけどね」

――主役しゅやくはシルベスター・スタローンですが、「ロッキー」のイメージが定着ていちゃくしていた彼かれがゴールキーパーを演えんじたのは意外いがいに感かんじませんでしたか？

「もちろん『ロッキー』も好すきなんですけど、スタローンの出演しゅつえん作さくの中なかではこの映画えいがはかなり良よかったですよ。それに当時とうじ大人気だいにんきだったスタローンを起用きようしたことで、作品さくひんの注目ちゅうもく度ども上あがったし、あの役やくにスタローンを持もってきたのは正解せいかいやったと思おもいますね」

――脱獄だつごくとサッカーという組くみ合あわせも面白おもしろいですね。

「サッカーというスポーツ自体じたい、国くにと国くにとが戦たたかう戦争せんそうだと言いわれてますからね。この映画えいがでは戦闘せんとうシーンをサッカーで表現ひょうげんして、しかもそこから逃にげようとするストーリーです。もちろん実際じっさいにあった話はなしではないですけど、本当ほんとうにあったことのように描えがかれています。試合しあいと平行へいこうして脱獄だつごくのことも描えがかれていて、どんどん試合しあいが盛もり上あがるので『脱獄だつごくのことは忘わすれたんかな？』と一瞬いっしゅん思おもってしまうんやけど、最後さいごまで気きが抜ぬけない面白おもしろさがあるんですよ」

――サッカーの王様おうさまペレや、当時とうじ活躍かつやくしていたサッカー選手せんしゅが出演しゅつえんしたことでも話題わだいになりましたね。

「僕ぼくはあまりサッカーには興味きょうみなかったんですけど、さすがにペレは知しってました。サッカーのスター選手せんしゅががっつり映画えいがに出でるなんてあまりないことですしね。彼かれはお芝居しばいもうまかったし、オーバヘッドなどプロらしい見みせ場ばもあって良よかったですね」

――この映画えいがは脱獄だつごく（脱出だっしゅつ）の仕方しかたがユニークです。色いろんな脱獄だつごく方法ほうほうがあると思おもいますが、脱獄だつごくと聞きいて最初さいしょにどんな方法ほうほうを思おもい浮うかべますか？

「やっぱりトンネルを掘ほる方法ほうほうかなあ。見みつからないように掘ほり続つづけて逃にげたということは、囚人しゅうじんはものすごい年月としつきをかけて掘ほってたはずやから、脱獄だつごくされた側がわとしては『なんで気付きづけへんかったんや』と悔くやむでしょうからね。囚人しゅうじんたちも表向おもてむきは涼すずしい顔かおをしながら夜よな夜よなコツコツ掘ほっていくというのが面白おもしろいですよね」

――脱獄だつごく映画えいがとしては一風いっぷう変かわった「勝利しょうりへの脱出だっしゅつ」ですが、見みどころをお願ねがいします。

「見みどころというと、やっぱりペレが役者やくしゃとして出でていることですかね。ストーリーも決けっしてベタではなく、最後さいごまで読よめない展開てんかいです。スタローン主演しゅえんと聞きいて『勝利しょうりへの脱出だっしゅつ』を思おもい浮うかべる人ひとはほとんどいないと思おもうし、今いまの若わかい人ひとにはあまり知しられてない映画えいがかもしれません。でも公開こうかい当時とうじより今いまの方ほうがサッカーが断然だんぜんメジャーやし、試合しあいのシーンもよく出来できてますから、今いま見みた方ほうが絶対ぜったい楽たのしめると思おもいますよ。連合れんごう軍ぐん対たいドイツ軍ぐんというのも何なんだかワールドカップみたいな感かんじがしますよね。ぜひ、若わかい人ひとに見みてほしいですね」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「勝利しょうりへの脱出だっしゅつ」
原題げんだい：Escape to Victory
監督かんとく：ジョン・ヒューストン
製作せいさく：フレディ・フィールズ
出演しゅつえん：マイケル・ケイン、ペレ、マックス・フォン・シドー、シルベスター・スタローン
価格かかく：2100円えん（税込ぜいこみ)／発売はつばい中ちゅう
発売はつばい・販売元はんばいもと：ワーナー・ホーム・ビデオ