コラム：編集へんしゅう長ちょうコラム　映画えいがは当あたってナンボ - 第だい39回かい

第だい39回かい：「アバター」が市場いちばを席巻せっけん。2010年ねん正月しょうがつ映画えいがを総括そうかつ

2010年ねん、正月しょうがつ映画えいがは久々ひさびさに盛もり上あがった。「アバター」は日本にっぽんでも大だいヒットしているが、全ぜん世界せかいではとうとう「タイタニック」を超こえるという偉業いぎょうを達成たっせい。その「アバター」以下いか、もともとバラエティに富とんだラインナップが揃そろった正月しょうがつ映画えいがに加くわえ、再さい公開こうかいされた「マイケル・ジャクソン　THIS IS IT」や、コミック0号ごうバンドルでヒートアップした「ONE PIECE FILM STRONG WORLD」など、普段ふだんはあまり映画えいが館かんに行いかない人ひとたちの動員どういんに成功せいこうした作品さくひんもあり、正月しょうがつ全体ぜんたいの興行こうぎょう収入しゅうにゅうは昨年さくねんよりも30％以上いじょう増ふえたそうだ。

それでは、正月しょうがつ映画えいがのヒット作さくを、現時点げんじてんまでの興きょう収おさむ順じゅんに並ならべてみよう。

1「アバター」（フォックス）……70億おく円えん
2「マイケル・ジャクソン　THIS IS IT」（ソニー）……50億おく円えん
3「カールじいさんの空そら飛とぶ家いえ」（ディズニー）……47億おく円えん
4「ONE PIECE FILM STRONG WORLD」（東映とうえい）……45億おく円えん
5「2012」（ソニー）……37億おく円えん
6「のだめカンタービレ／最終さいしゅう楽章がくしょう　前編ぜんぺん」（東宝とうほう）……35億おく円えん
7「仮面かめんライダー×仮面かめんライダー／W＆ディケイドMOVIE大戦たいせん2010」（東映とうえい）……15億おく円えん
※興きょう収おさむは文化ぶんか通信つうしん調しらべ。一部いちぶは編集へんしゅう部ぶの推定すいてい。

(C)2009 フジテレビ・講談社こうだんしゃ・アミューズ・東宝とうほう・FNS27社しゃ

以上いじょう、10億おく円えん以上いじょうの興きょう収おさむを記録きろくした作品さくひんが計けい7本ほん。しかも、30億おく円えん以上いじょうが6本ほんというのは特筆とくひつすべきだ。昨年さくねんの正月しょうがつ映画えいがで30億おく円えんを超こえたのは、「ウォーリー」と続映ぞくえい作品さくひんの「おくりびと」の2本ほんだけだったのだから。

とにかく、09年ねんには巻まき返かえすと予想よそうされながら、なかなか大だいブレイクできていなかったハリウッド映画えいが群ぐんが、最後さいごの最後さいごでビッグ・パフォーマンスを連発れんぱつしたことの効果こうかが大おおきい。3Dの圧倒的あっとうてき表現ひょうげん力りょくを伴ともなった「アバター」の威力いりょくは凄すさまじかった。

日本にっぽん映画えいがでは、東映とうえいの躍進やくしんが目立めだつ一方いっぽうで、東宝とうほう作品さくひんが伸のび悩なやんだ。興きょう収おさむ10億おく円えん以上いじょうは「のだめ」一本いっぽんだったのが印象いんしょう的てき。ちなみに、正月しょうがつ映画えいがとして100スクリーン以上いじょうで封切ふうぎられながら、興きょう収おさむ10億おく円えんに届とどかなかったのは下記かき。

「宇宙うちゅう戦艦せんかんヤマト　復活ふっかつ篇へん」（東宝とうほう）
「ウルルの森もりの物語ものがたり」（東宝とうほう）
「スノープリンス／禁きんじられた恋こいのメロディ」（松竹しょうちく）
「大だい怪獣かいじゅうバトル　ウルトラ銀河ぎんが伝説でんせつ」（ワーナー）
「釣つりバカ日誌にっし20　ファイナル」（松竹しょうちく）
「ティンカー・ベルと月つきの石いし」（ディズニー）
「パブリック・エネミーズ」（東宝とうほう東和とうわ）
「THE 4TH KIND　フォース・カインド」（ワーナー）
「よなよなペンギン」（松竹しょうちく）
「映画えいが　レイトン教授きょうじゅと永遠えいえんの歌姫うたひめ」（東宝とうほう）

(C)2009 ビックウエスト／劇場げきじょう版ばんマクロスF製作せいさく委員いいん会かい

この10本ほんの中なかには、「スノープリンス」のように、200スクリーン以上いじょうで公開こうかいしたものの1億おく円えんちょっとしか稼かせげなかった作品さくひんもあれば、シリーズ最終さいしゅう作さくということでしっかりプロモーションを行おこない、7億おく円えん以上いじょう稼かせいで有終ゆうしゅうの美びを飾かざった「釣つりバカ日誌にっし20　ファイナル」のような成功せいこう作さくもある。一概いちがいに失敗しっぱいした作品さくひん群ぐんというわけではない。

最後さいごに、30スクリーンという小規模しょうきぼながら、5億おく円えん以上いじょう稼かせいだ「劇場げきじょう版ばんマクロスF／イツワリノウタヒメ」（クロックワークス）の健闘けんとうを付つけ加くわえておこう。

2010年ねん、滑すべり出だしはなかなか上々じょうじょうである。