コラム：LiLiCoのHappy eiga ダイニング - 第だい16回かい

第だい16回かい：岡田おかだ将すすむ生せい＆榮さかえ倉くら奈々ななの抱いだく将来しょうらい像ぞうとは？
対談たいだんゲスト：「アントキノイノチ」岡田おかだ将すすむ生せい、榮さかえ倉くら奈々なな

TBS「王様おうさまのブランチ」の映画えいがコメンテーターとして人気にんきのLiLiCoが、旬しゅんの俳優はいゆう・女優じょゆう・監督かんとくから映画えいがに対たいする思おもい、プライベートな素顔すがおに至いたるまでを多角たかく的てきに展開てんかいする対談たいだん連載れんさい「LiLiCoのHappy eiga ダイニング」。第だい16回かいのゲストは、「アントキノイノチ」主演しゅえんの岡田おかだ将すすむ生せいと榮さかえ倉くら奈々なな。若手わかて演技えんぎ派はふたりが、「ヘヴンズストーリー」の瀬せ々敬久たかひさ監督かんとくのもと、何なにを思おもいどう演えんじたのか、LiLiCoが迫せまった。

第だい35回かいモントリオール世界せかい映画えいが祭さいワールド・コンペティション部門ぶもんで、イノベーションアワードを受賞じゅしょうした「アントキノイノチ」は、さだまさしの同名どうめい小説しょうせつが原作げんさく。高校こうこう時代じだいのある事件じけんがきっかけで心しんを閉とざして生いきてきた杏あんず平ひらめ（岡田おかだ）とゆき（榮さかえ倉くら）が、遺品いひん整理せいり業ぎょうという仕事しごとを通つうじて、同僚どうりょうたちの優やさしさに触ふれながらゆっくりと“再生さいせい”していく。現場げんばに残のこされた遺品いひんと、そこに込こめられた思おもいに触ふれることで、“イノチ”の思おもいを見みつめ直なおす。原田はらだ泰造やすぞう、松坂まつさか桃李とうり、檀だんれい、柄本えもと明あきららが共演きょうえん。

LiLiCo（以下いか、リリコ）：元気げんきですか！

岡田おかだ将すすむ生せい（以下いか、岡田おかだ）：元気げんきです！

榮さかえ倉くら奈々なな（以下いか、榮さかえ倉くら）：ギリギリ元気げんきです！

リリコ：まずは、モントリオール世界せかい映画えいが祭さいでの受賞じゅしょう、おめでとうございます！

岡田おかだ＆榮さかえ倉くら：ありがとうございます！

岡田おかだ：いやあ、ビックリしましたね。実際じっさいに（映画えいが祭さいへ）行いって反応はんのうを見みてはいたんですが、まさか受賞じゅしょうするとは。取とったと連絡れんらくを受うけたときも、変へんなリアクションで「ああ、そうですか」と答こたえていたんですが、原田はらださんから「取とったなあ!!」ってメールが来きて、そこからどんどん実感じっかんが沸わいてきましたね。

リリコ：海外かいがいの方ほうにも受うけ入いれられている要因よういんはどこだと思おもいますか？

岡田おかだ：瀬せ々監督かんとくがおっしゃっていたのは「どこの国くにでも問題もんだいは同おなじ。だからこそ受うけ入いれてくれるし、それを題材だいざいにして良よかった」って。まさにその通とおりだなと思おもいました。今いまの日本にっぽんの無縁むえん社会しゃかいの問題もんだいなどを取とり入いれているけれど、それはどこの国くにでも同おなじ。映画えいが祭さいがあると、いろんな国くにの問題もんだいが見みられて面白おもしろいと。人間にんげんは人間にんげんで、どこで生いきていても同おなじなんだなと思おもったし、受うけ入いれてもらってうれしかったですね。

榮さかえ倉くら：現地げんちの人ひとたちに、目めでの会話かいわがすごく好すきだったと言いってもらえたんです。社会しゃかい的てきな問題もんだいもそうだし、感情かんじょう的てきなものも、同おなじものが流ながれているのかなとは感かんじましたね。

リリコ：いいセリフもたくさんありますよね。目めで語かたり合あうシーンって演技えんぎをするうえで難むずかしかったりしました？

榮さかえ倉くら：結構けっこう自然しぜんでしたね。

岡田おかだ：うん、逆ぎゃくに意識いしきはしていなかったですね。瀬せ々さんがうまく転ころがしてくれたんですね。

榮さかえ倉くら：そう、転ころがっていたんだと思おもいます（笑）。

リリコ：でも、演技えんぎに入はいる前まえに、ふたりでこうしようとか、会話かいわはあったの？

岡田おかだ＆榮さかえ倉くら：ないですねえ。

岡田おかだ：僕ぼく、そういう話はなしを役者やくしゃさんとしたことってないんですよ。

榮さかえ倉くら：私わたしもないですね。

リリコ：それは興味深きょうみぶかい。

榮さかえ倉くら：ある意味いみ、入はいってはいけない領域りょういきだと思おもっているのもあるかもしれません。アプローチの仕方しかたっていろいろあるじゃないですか。その場ばの空気くうきを読よもうとはしている感かんじはあるんですけどね。瀬せ々監督かんとくは、偶然ぐうぜんの出来事できごとを大事だいじにされる。たとえば前日ぜんじつ、恋人こいびとにふられたら、その気分きぶんを引ひきずったままお芝居しばいにとか、そういうものを求もとめていたような気きがしたので、自由じゆうに泳およいでいようと思おもいましたね。

岡田おかだ：クランクイン前まえから、ドキュメンタリーっぽく撮とりたい、生せいのふたりを撮とりたいとは言いわれていたんです。あまり考かんがえ込こまずにやってほしいとおっしゃっていたので、そこは意識いしきしましたね。

榮さかえ倉くら：私わたし、クランクイン前まえに監督かんとくと全然ぜんぜん話はなせていなかったんですよ。そういうことを言いっていたんですね～。ここで初はじめて知しりました。

岡田おかだ：僕ぼく、最初さいしょにこの役やくをやりたいと思おもったんですが、いざ演えんじるとなると、すごく怖こわかったんです。果はたして自分じぶんに出来できるのかって。それを監督かんとくに会あったときにすべて言いったんです。そうしたら「めちゃめちゃ考かんがえなくていい。家いえでは考かんがえるかもしれないけれど、現場げんばに入はいったら考かんがえなくていいよ」って。

リリコ：いい監督かんとくさんですねえ。前まえの日ひにふられたら、絶対ぜったいに顔かおに出だしたらいけないと思おもいますもんね。何なにがあったって顔かおに出だしたらいけないって教おしえられてきていますからねえ。撮影さつえい中ちゅうにブルーになった日ひってありました？

榮さかえ倉くら：やっぱり震災しんさいのことで頭あたまがいっぱいでした。初日しょにちだったのでかなりの衝撃しょうげきで、頭あたまをガツーンと殴なぐられた感かんじで……。

リリコ：日本にっぽんだけじゃなくて、世界中せかいじゅうの人ひとたちが衝撃しょうげきを受うけたわけで、日本にっぽんにいた人ひとたち、みんな考かんがえ方かたが変かわっていると思おもうのね。ふたりにとって今いま、生いきることって？

岡田おかだ：僕ぼくはやっぱり、今いまですかね。今いまこの時間じかんを大切たいせつに楽たのしんだり、誰だれかとつながったり。そういうのを大切たいせつにしていたいですね。それが生いきていることにつながっているのかな。今いま、どれだけ吸収きゅうしゅうして学まなべるのかなっていう一いち面めんもありますし。30歳さいになったときにこの仕事しごとをしていないのかなあと思おもうこともあります。もちろんやっていたいですけれど、わからないじゃないですか。それって、すごく怖こわいなあって。

リリコ：お願ねがいだから、やっていて！

岡田おかだ：いや、もちろんやっていたいですけどね（笑）。

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