コラム：第だい三さんの革命かくめい　立体りったい3D映画えいがの時代じだい - 第だい1回かい

第だい1回かい：第だい3次じ立体りったい映画えいがブーム

■立体りったい映画えいがブームの到来とうらい

現在げんざい「ベオウルフ／呪のろわれし勇者ゆうしゃ」に続つづき、「ルイスと未来みらい泥棒どろぼう」が国内こくない29館かんの劇場げきじょうで立体りったい上映じょうえいされている。さらにハリウッドからは、次々つぎつぎと新作しんさく立体りったい映画えいがの企画きかくが発表はっぴょうされ、来年らいねん～再来年さらいねんと興味深きょうみぶかいタイトルが目白押めじろおしだ。その中なかには、映画えいが興行こうぎょう記録きろくを塗ぬり替かえるのではないかと期待きたいされる超ちょう注目ちゅうもく作品さくひんもある。さらにはハードウェア面めんにおいても、新あらたな技術ぎじゅつが次々つぎつぎと生うみ出だされており、立体りったい上映じょうえい設備せつびを導入どうにゅうした劇場げきじょうもすごい勢いきおいで増加ぞうかしつつある。

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こういった状況じょうきょうから、1950年代ねんだいの第だい1次じと80年代ねんだいの第だい2次じに続つづく「第だい3次じ立体りったい映画えいがブーム」が到来とうらいしたと言いえるだろう。ドリームワークス・アニメーションCEOのジェフリー・カッツェンバーグは、筆者ひっしゃのインタビューに対たいし「3Dはトーキー、カラーに続つづく映像えいぞうの革命かくめいだ。今後こんごはすべての映画えいがが立体りったいになる可能かのう性せいがある」と述のべたが。その言葉ことばが現実げんじつになる日ひも近ちかいように思おもわれる。

■なぜ今いま、立体りったい映画えいがなのか？

では、この降ふって湧わいたような立体りったい映画えいがブームはどうして起おきたのか。そのきっかけとなったのは、05年ねん春はるにラスベガスで開催かいさいされた映画えいが興行こうぎょう関係かんけい者しゃ向むけのコンベンションShoWestであった。ここで、ジョージ・ルーカス、ロバート・ゼメキス、ジェームズ・キャメロン、ロバート・ロドリゲス、ランダル・クレイザーらの映画えいが監督かんとくたちが、立体りったい上映じょうえいに関かんするシンポジウムを行おこなった。そこで話はなし合あわれた内容ないようは「観客かんきゃくの劇場げきじょう離ばなれをくい止とめるため、新あらたな映写えいしゃ手法しゅほうの開発かいはつに取とり組くむ必要ひつようがある。そのための最善さいぜんの方法ほうほうが立体りったい映像えいぞうだ」という主張しゅちょうであった。

このような発言はつげんが行おこなわれた背景はいけいには、03～05年ねんに続つづいたハリウッドの興行こうぎょう成績せいせき不振ふしんがある。その後ごは回復かいふく傾向けいこうになったものの、長期ちょうき的てきに考かんがえた場合ばあい、ホームシアター、次世代じせだいDVD、ネット配信はいしんなどの技術ぎじゅつは、確実かくじつに高度こうど化かしていくだろう。このまま何なにもしなければ、劇場げきじょうまで足あしを運はこぶ理由りゆうはどんどん希薄きはくになっていくだけだ。映画えいが館かんの存在そんざい価値かちを取とり戻もどすためには、家庭かていではけっして体験たいけん出来できない特別とくべつな視覚しかく環境かんきょうを作つくり出だす必要ひつようがある。

■今後こんご上映じょうえいされる立体りったい作品さくひん

では実際じっさいに現在げんざい、どの程度ていどの立体りったい映画えいがが制作せいさくされているのか。以下いかに主おもな作品さくひんを紹介しょうかいする。

○ディズニー

ディズニーは「DISNEY DIGITAL 3-D」のブランドで、次々つぎつぎと作品さくひんを送おくり出だすことが決きまっている。まず米国べいこくで08年ねん2月がつ1日にちより、「Hannah Montana/Miley Cyrus: Best of Both Worlds Concert Tour」が公開こうかいされる。これは、ディズニーチャンネルやテレビ東京てれびとうきょう系列けいれつで放送ほうそうされているテレビドラマ「シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ」の主演しゅえんキャラクターであるマイリー・スチュワート／ハンナ・モンタナ（マイリー・サイラス）のコンサートツアーを立体りったい撮影さつえいした作品さくひんだ。

アニメーションでは「チキン・リトル」（05年ねん）や「ルイスと未来みらい泥棒どろぼう」（07年ねん）に続つづき、フルCG作品さくひんの「ボルト」（08年ねん11月26日にち全米ぜんべい公開こうかい）の立体りったい上映じょうえいが決定けっていしている。監督かんとくは「ムーラン」や「ラマになった王様おうさま」のストーリーを担当たんとうしていた、クリス・ウィリアムスである。

さらにはピクサー・アニメーション・スタジオの作品さくひんも立体りったい化かされる予定よていで、リー・アンクリッチが監督かんとくを務つとめる「トイ・ストーリー3D」（10年ねん6月がつ18日にち全米ぜんべい公開こうかい）が制作せいさく中ちゅうだ。ピクサーではこれに先立さきだち、「トイ・ストーリー」（09年ねん10月がつ2日にち全米ぜんべい公開こうかい）と「トイ・ストーリー2」（10年ねん2月がつ12日にち全米ぜんべい公開こうかい）を2D→3D変換へんかんして、Disney Digital 3-Dとして再さい公開こうかいする。

ロバート・ゼメキス監督かんとくも「ベオウルフ／呪のろわれし勇者ゆうしゃ」に続つづき、ディズニーが配給はいきゅうする「クリスマス・キャロル 3D」（09年ねん11月6日にち全米ぜんべい公開こうかい）の制作せいさくに入はいっている。これはチャールズ・ディケンズの「クリスマス・キャロル」を題材だいざいに、ジム・キャリーがパフォーマンス・キャプチャーによってマルチキャラクターを演えんずる他ほか、トム・ハンクス、マイケル・J・フォックス、クリストファー・ロイドなどゼメキス映画えいがの常連じょうれんが総そう出演しゅつえんするというものだ。

またティム・バートンもディズニーで2本ほんの立体りったい映画えいがを計画けいかくしている。1本ほんは、バートンがディズニーに在籍ざいせきしていたころに制作せいさくした実写じっしゃ短編たんぺん「フランケンウィニー」（84年ねん）を、長編ちょうへんストップモーション・アニメーションとしてリメイクする「Frankenweenie」（09年ねん12月全米ぜんべい公開こうかい予定よてい）。もう1本ほんは、ルイス・キャロルの「不思議ふしぎの国くにのアリス」を、実写じっしゃとパフォーマンス・キャプチャーを組くみ合あわせて立体りったい映画えいが化かする「Alice in Wonderland」（10年ねん全米ぜんべい公開こうかい予定よてい）である。

○ドリームワークス・アニメーション

ドリームワークス・アニメーション社しゃの立体りったい第だい1弾だんは、ボブ・レターマンとコンラッド・バーノンが監督かんとくを務つとめるフルCGアニメ「Monsters vs. Aliens」（09年ねん3月がつ27日にち全米ぜんべい公開こうかい）である。そして同社どうしゃはこれ以降いこうの全ぜんアニメーション作品さくひんを、年とし2本ほんずつのペースで立体りったい上映じょうえいするというアナウンスを行おこなった。

具体ぐたい的てきに発表はっぴょうされているのは、クレシーダ・カウエルの児童じどう書しょを原作げんさくとする「How to Train Your Dragon」（09年ねん11月がつ20日はつか全米ぜんべい公開こうかい）と、「シュレック」シリーズの第だい4弾だん「Shrek Goes Forth」（10年ねん5月がつ全米ぜんべい公開こうかい）である。さらにこれに「シュレック」の第だい5作さく目めが続つづくと言いわれている。これらの作品さくひんは、Real D方式ほうしきやドルビー3D方式ほうしきに加くわえて、新あらたに開発かいはつされたIMAX(R) DIGITAL 3Dシステムでの立体りったい上映じょうえいが計画けいかくされている。

また、スティーブン・スピルバーグとピーター・ジャクソンのコンビが手掛てがけると話題わだいの「Tintin」も立体りったい映画えいがになる可能かのう性せいが高たかい。これは、世界せかい的てきに有名ゆうめいなコミック「タンタンの冒険ぼうけん旅行りょこう」を、WETAデジタル社しゃがパフォーマンス・キャプチャーによって3部ぶ作さくのフルCG映画えいがにするという計画けいかくで、監督かんとくはスピルバーグとピーター・ジャクソンがそれぞれ1本ほんずつ手掛てがけ、ロバート・ゼメキスにも打診だしんされているらしい。第だい1作さくは09年ねんに公開こうかいされる予定よていである。

○20世紀せいきフォックス

IMAX 3Dのドキュメンタリーを作つくり続つづけてきたジェームズ・キャメロンが、「タイタニック」以来いらい12年ねん振ふりとなる劇場げきじょう用よう作品さくひんとして制作せいさく中ちゅうなのが、SF超ちょう大作たいさく「アバター」（09年ねん12月18日にち全米ぜんべい公開こうかい）である。自みずから開発かいはつを依頼いらいした立体りったいデジタル撮影さつえい装置そうちフュージョン・カメラ・システムと、パフォーマンス・キャプチャーによる超ちょうリアルCGを組くみ合あわせて描えがく作品さくひんで、VFXはニュージーランドのウェタ・デジタル社しゃが担当たんとう。VFXスーパーバイザーは、「キング・コング」（05年ねん）のジョー・レッテリが手掛てがける。

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