パプリカのレビュー・感想かんそう・評価ひょうか

まずは流石さすが 筒井つつい康隆やすたか
その土台どだいあっての作品さくひん。

パプリカは魅力みりょく的てきなキャラ
彼女かのじょとそれに通つうじる関係かんけい者しゃ
繋つながりは見みえるが強つよさは薄うすく
所々ところどころで細切こまぎれ感かんを受うけた。
内容ないようや作画さくがが良よいだけに惜おしい。

90分ふんほどの作品さくひん。
100分ふん、110分ふん、
もう少すこし見みたい。
個人こじんの勝手かってだけど
心情しんじょうや関係かんけい性せいを見みたい。

好すきなアニメ。

※

夢ゆめの中なかだから何なんでもありな映画えいが。とにかく映像えいぞうだけ凄すごい。

この独特どくとくで摩訶不思議まかふしぎな世界せかい観かんが大好だいすきで、2006年ねんの初はつ公開こうかい時じに観みて以来いらい、定期ていき的てきに観みたくなり何なん度ども観みています

筒井つつい康隆やすたかさんの傑作けっさくＳＦ小説しょうせつを今いま敏さと監督かんとくがビジュアル化か、相変あいかわらず絵えがとても綺麗きれいなのと、ストーリーや編集へんしゅう含ふくめ見事みごとなまでの独特どくとくの世界せかい観かんにグイグイ引ひき込こまれ、怒涛どとうのラストまであっという間あいだの９０分ふん

何なん層そうもの夢ゆめと現実げんじつを行おこなったり来きたりするストーリー展開てんかい、そしてホテルの廊下ろうかがグニャーと曲まがったり景色けしきの一部いちぶがガラガラと崩くずれたり、という創造そうぞう性せい溢あふれる設定せっていとビジュアルは世界中せかいじゅうのクリエイターに多大ただいな影響えいきょうを与あたえ、クリストファー・ノーラン監督かんとくの名作めいさく「インセプション」にも色濃いろこく反映はんえいされています

ストーリーと映像えいぞうに加くわえてさらに本ほん作さくの魅力みりょくになっているのが主人公しゅじんこうの千葉ちば敦子あつこさん、とても綺麗きれいでスタイル抜群ばつぐんのクールビューティ、そしてもう１人にんの主人公しゅじんこうは敦子あつこの裏うら稼業かぎょうである人ひとの夢ゆめに潜入せんにゅうするセラピストとしての“もう一人ひとりの敦子あつこ”パプリカ

感情かんじょうをあまり表ひょうに出ださずに常つねに冷静れいせいを装よそおう敦子あつこのペルソナに対たいし、アクティブで元気げんきいっぱい、感情かんじょう豊ゆたかで強つよい信念しんねんを表ひょうに出だす陽ひキャラの敦子あつこのシャドーがパプリカ、そのシャドーを使つかって同おなじ階層かいそうに巣食すくう人々ひとびとの深層しんそう心理しんりを読よみ解とき精神せいしん治療ちりょうしているが、本ほん作さくではそのセラピーに使つかう近きん未来みらいツールが盗ぬすまれ、その行方ゆくえを敦子あつことパプリカ達たちが追おうというハードボイルドＳＦアクション巨きょ編へんに大だい興奮こうふん

で、そのパプリカもシュッとしててスタイル抜群ばつぐんでとっても美人びじん、身みのこなしもカッコいいセクシーな女性じょせいでメチャクチャ魅力みりょく的てきで目めが離はなせません

何なん度ど観みても新しん発見はっけんや理解りかいが深ふかまり楽たのしめ、その世界せかい観かんとストーリー展開てんかいが斬新ざんしんで最高さいこうに面白おもしろい、傑作けっさく中ちゅうの傑作けっさくです

声優せいゆうのキャスティング...綾あや波はレイ（林原はやしばらめぐみ）とアムロ・レイ（ 古谷ふるや徹とおる）。
今いま敏さとし監督かんとくも声優せいゆうとして参加さんかしている。

BGM（音楽おんがく：平沢ひらさわ進すすむ）が好このみ。特とくにエンディングソングが好すき。

『AKIRA』を彷彿ほうふつさせるパレードで踊おどっているのは、電化でんか製品せいひんと宗教しゅうきょうに関かんする物もの。
今いまは亡なき今いま敏さと監督かんとくの集大成しゅうたいせい的てきな作品さくひんであり、人生じんせい最後さいごの監督かんとく作品さくひんでもある。

原作げんさく（筒井つつい康隆やすたか）未読みどく。
知しっているようで知しらない新あたらしい世界せかい観かん。夢ゆめの中なかと現実げんじつ世界せかいは区別くべつしやすいのだが、融合ゆうごうしてしまうところは理解りかいし難がたい。
"DCミニ″というドラえもんのポケットから出でてきたような装置そうちの作つくり方かたや構造こうぞうはわからなくて当然とうぜん。科学かがく的てきに考かんがえようとすると行いき詰づまる。

「光ひかりと影かげ、夢ゆめとうつつ、男おとこと女おんな...」というセリフがある。対たいになるものを見みつけながら視聴しちょうすると面白おもしろい。
映画えいがのスクリーンの中なかに入にゅうろうとする粉川こかわ刑事けいじのシーンは見事みごとな演出えんしゅつ。
粉川こかわ刑事けいじが言いう「あいつ」の正体しょうたいは考察こうさつの余地よちがある。
クライマックス、巨大きょだい化かした黒幕くろまくに対抗たいこうする方法ほうほうも斬新ざんしん。
男女だんじょの恋愛れんあいに対たいになるようにホモセクシュアルにも言及げんきゅうし、女性じょせいの裸体らたいも登場とうじょうするがエロ過すぎないので親子おやこで観みても大丈夫だいじょうぶ。PTA健全けんぜん育成いくせい委員いいん会かいの立場たちばから観みてもノープレブレム
『君きみたちはどう生いきるか』（宮崎駿みやざきはやお監督かんとく作品さくひん）のように、理屈りくつっぽい大人おとなより子供こどものほうが柔軟じゅうなんで意味いみ不明ふめいでも映像えいぞう的てきに楽たのしめる作品さくひんだと思おもう。

OPのパプリカあちこち動うごき回まわる部分ぶぶんは観みていて楽たのしかったが
ストーリー自体じたいは難解なんかいに見みせていて意味いみ不明ふめいな表現ひょうげんを多用たようしているだけで内容ないようはよく見みれば普通ふつう。
やたらと名前なまえと良よい評判ひょうばんを聞きくが合あわなかった。

夢ゆめを読よみ取とる事ことの出来できる機械きかい・DCミニ。
それを巡めぐり登場とうじょう人物じんぶつたちが織おりなすドラマが、恐おそろしくも楽たのしい傑作けっさく。
人類じんるいは長ながい時間じかんをかけ、地球ちきゅうの隅々すみずみを踏破とうはし、謎なぞを解明かいめいしてきた。しかし、未いまだ人類じんるいそのもの、精神せいしんや心しんに対たいしては分わからないことも多おおい。心しんという変数へんすうは、数字すうじで扱あつかうには柔やわらかすぎる。実体じったいはないのに、確たしかにそこにあるもの。DCミニで介入かいにゅうできる、夢ゆめもそうだ。「同おなじ夢ゆめを見みられたら」という純粋じゅんすいな願ねがいは、精神せいしん疾患しっかんの治療ちりょう、そして夢ゆめを伝つたったテロへと転てんじられていく。
生々なまなましく体温たいおんまで感かんじられるほどの筆致ひっち、荘厳しょうごんで不安ふあんを掻かき立たてられる音楽おんがく、林原はやしばらめぐみさんをはじめとする声優せいゆう陣じんの熱演ねつえん、それのどれが欠かけても、この爽快そうかい感かんと恐怖きょうふは味あじわえなかっただろう。
おぞましいもの、美うつくしいものがお好すきならば、必かならず見みるべき一本いっぽんだと言いえよう。
オセアニアじゃあ常識じょうしきですよ、なんて……。

今いまだによくSNSなどで、よく絶対ぜったいに見みた方ほうがいい映画えいがとして挙あげられるほど、根強ねづよい人気にんきを誇ほこる本ほん作さく。良よい点てんとしてよく出だされているのは、映像えいぞう美びと、難解なんかいなセリフのい回いまわしの2点てんで、映像えいぞう美びに関かんしては凄すさまじくとても満足まんぞくがいった。しかし肝心かんじんのストーリーとセリフのい回いまわしに関かんしては、あまり入はいり込こめず、それっぽいことを合あわせるだけ言いわせておいて、ストーリーは淡々たんたんと進すすみ、ラストは、意外いがいではあるがそこまで、引ひっ張ぱる必要ひつようのない恋愛れんあい話ばなしを持もってくるのでそこまで盛もり上あがることができなかった。　キャラの発言はつげんも達観たっかんしていると感かんじるものが多おおく、難解なんかいな台詞回せりふまわし故ゆえに感情かんじょう移入いにゅうしづらいものだった。（だから終盤しゅうばんの展開てんかいに納得なっとくいかなかったのかもしれない）あと男おとこ同士どうしのベットシーンも露骨ろこつで不要ふようだと感かんじた。
しかし映像えいぞうに関かんしては満足まんぞくいったので、2.5点てんとさせていただきます。
実際じっさいに映画えいが館かんで見みた方ほうが映はえる映画えいがであることは間違まちがいない

劇場げきじょう鑑賞かんしょう以来いらい、二に度目どめ。

原作げんさくがとにかく好すきで、公開こうかい当時とうじも足あしを運はこぶ。
やはり文字もじからの脳のう内ない補完ほかんに、具体ぐたいは勝かてぬという印象いんしょうが拭ぬぐえない。
というか、原作げんさくはかなりユング、フロイト色しょくが濃こく、全ぜん年齢ねんれいアニメには向むかないかも。
内容ないようも、ブレードランナーのように原作げんさくに忠実ちゅうじつ、ほどではない印象いんしょう（記憶きおくがあやふや）
ということで観み方かたを変かえてみたら、これはこれでまとまっていて在ありかと思おもえた。

DCミニ争奪そうだつ戦せんより抑圧よくあつからの回復かいふく物語ものがたりで、
ひきだすために夢ゆめと現実げんじつを混同こんどうさせるというシカケが発動はつどうする。
タイトルはパプリカだが、ゆえに主役しゅやくは粉川こがわだと思おもった方ほうが理解りかいしやすい。

アニメでよく分わからなかった方ほうはよければ、原作げんさくを読よんでいただけると
何なにが起おきていたのか、わかるのではなかろうかと思おもう。

今いま敏さとしの長編ちょうへん最終さいしゅう作さく。

いうなれば今いま敏さとし版ばん『千せんと千尋ちひろの神隠かみがくし』であり、画面がめん上じょうの情報じょうほう量りょうは彼かれのどの作品さくひんよりも多量たりょうである。

夢ゆめのバレードはどこまでも進行しんこうしていき、遂ついには現実げんじつまでも犯おかし始はじめる。夢ゆめと現実げんじつの境さかいが消失しょうしつしたからこそ、人ひとはより自意識じいしきに目めを向むけるようになり、また歩あゆみ始はじめるのだろう。

正直しょうじきに言いって何なにが何なんだかわからない世界せかいなのだが、そういう世界せかいがそうあるということか得心とくしんさせられてしまうような、作つくり込こみ。ストーリーを追おうというレベルにしか追おいつけない、観みる人ひとをのっけから突つき放はなすような映画えいがなのだけれども、そういうところも含ふくめて、筒井つつい康隆やすたかの小説しょうせつ世界せかいを映像えいぞうで表あらわすとこんな感かんじになるのかと思おもった。並大抵なみたいていの才能さいのうやセンスで作つくれるようなものではないでしょう。それが感かんじられただけでも十分じゅうぶんよかったかな。
当初とうしょの予想よそう通どおり独特どくとくの絵えに慣なれるまでには時間じかんがかかったけども。

新しん文芸ぶんげい坐ざさんにて『東京とうきょうゴッドファーザーズ』と本ほん作さく『パプリカ』を同日どうじつ二に本立ほんだて観賞かんしょう🌟今いま敏さとし監督かんとく作品さくひん初はつ見みの身みとしては贅沢ぜいたく過すぎるデビュー戦せん。
『東京とうきょうゴッドファーザーズ』が大人おとなも子供こどももエイジレスに観みて欲ほしい作品さくひんだとしたら、『パプリカ』は完全かんぜんにオトナ向むけアニメ。というか、お子様こさまには理解りかいができないかと。でも映像えいぞうの美うつくしさを楽たのしむのはみんなウェルカム (*´∀｀*) ﾉ

内容ないようは『インセプション』とか『ドミノ』みたいに頭あたまの中なかで混乱こんらんしちゃう作つくりになってるけど面白おもしろい。混乱こんらんしちゃうからまた観みたいと思おもわせてくれる。一いち通とおり観みた後のちでもう一度いちど最初さいしょから観みてみたくなる。これ、絶対ぜったい再さい観賞かんしょうしちゃうやつだな。

それにしても、理事りじ長ちょうが麿まろ赤あか兒じさんにしか見みえなくて、『え？そこだけ実写じっしゃ？』ってなってた。

今いま敏さとし映画えいがのエンディングは続つづきが気きになるような展開てんかいでブツっとコンセントを切きられたかのようなエンディングが特徴とくちょう的てきな気きがする。それがまたいい。

本当ほんとうによく分わからない。「オセアニアじゃ常識じょうしきじゃよ」などの本当ほんとうに頭あたまがおかしいセリフはもちろん意味いみがわからないとして、作中さくちゅうに登場とうじょうするマシンの説明せつめいも専門せんもん用語ようごが多おおすぎてよく分わからないし、細こまかいところまでは理解りかいしようとしたら折おれます。

でも良よかった。場面ばめん転換てんかんが夢ゆめの物語ものがたりのようで、アニメの持もち味あじを最もっとも上手うまく活いかしてる。
シナリオもデブ博士はかせと結婚けっこんするのは共感きょうかんは出来できなかったけど、恋こいなんてそんなもんですからね。
刑事けいじの過去かこの清算せいさんも良よい。
終おわり方かたは「これで勝かったの？」みたいな感覚かんかくはありますが夢ゆめも突然とつぜん（目覚めざまし時計とけいによって）終おわりますからね。
見み終おわったあとには爽さわやかさが残のこります。

主人公しゅじんこうが天才てんさいデブを好すきなのが唐突とうとつに感かんじた

文芸ぶんげい坐すわでの記念きねん上映じょうえいで行おこなってきました。
今いま敏さとし監督かんとく四よん作さく目めの劇場げきじょう作品さくひん、そして遺作いさくでもありますね。
夢ゆめを共有きょうゆうできる装置そうちを巡めぐる、幻想げんそう的てきなSFサスペンス作品さくひん。
何なにより今こん敏さとしの集大成しゅうたいせい感かんがすごいです。
「パーフェクトブルー」や「千せん年ねん女優じょゆう」などにみられた虚実きょじつ曖昧あいまいな境目さかいめが、これ以上いじょうないくらいにダイナミックに広ひろがっていました。
また声優せいゆう陣じんが本当ほんとうに分厚ぶあつく、この面子めんつの芝居しばいだけでも何なんだか贅沢ぜいたく。
それとアイディアに満みちた、刺激しげき的てきなビジュアルが実じつに冴さえてます。
そんな今いま敏さとしの幻想げんそう的てきな映像えいぞうと、平沢ひらさわ進すすむのサウンドがものすごいフィットしているんですよね。
これはのちに知しったのですが、先さきに音楽おんがくを作つくってもらいそこに絵えを当あてて仕上しあげたらしいですね。何なにかすごい納得なっとくしたのを覚おぼえてます。
それにしてもこれを観みると、やはり亡なくなった事ことが惜おしまれますね。
改あらためてすごい作品さくひんでした。

めまぐるしく変かわるイメージの氾濫はんらん。
特異とくいな設定せっていの中なかに人間にんげん臭くさい感情かんじょうも交まじり。

なんともいえない薄すすき気味ぎみの悪わるさも日本にっぽんならではのモチーフをふんだんに盛もり込こんでこの映画えいが化かを海外かいがいにもっていかれなくて良よかったとまで思おもう。
大筋おおすじというか、オチは案外あんがい、あ、そこ？って気きにもなりますが。

何なによりもこの豊ゆたかなイマジネーションをもった原作げんさく者しゃ筒井つついさんが絶筆ぜっぴつしてるのが
心しんから悔くやまれます！
昼ひるメロなんか出でなくていいいから、書かいてくださいよ…！

圧倒的あっとうてきな想像そうぞう力りょくと表現ひょうげん力りょく。不気味ぶきみなキャラクター造形ぞうけい。エピローグは綺麗きれいに物語ものがたりとしてまとめられているけど、多層たそう的てきに観客かんきゃくを作品さくひんの中なかへ引ひき込こむような構図こうずが見みえて、実験じっけん的てき意図いとが完全かんぜんに成功せいこうした稀有けうな作品さくひんだと思おもいます。

に名前なまえの最後さいごに「子こ」がつく人ひとが多おおかった。あまり意識いしきしてみることはなかったが、もう今いまは「子こ」がつく人ひとは少すくなくなったんだろうな。

クリストファー・ノーランの『インターセプション』は、このアニメに影響えいきょう受うけていると思おもう。不条理ふじょうりで、しかも、ストーリーに大おおきな落おちはないが、極力きょくりょく、CGを使つかわない所ところが評価ひょうかできる。

2006年ねんの公開こうかいだが、スペシャルウイークがポスターになっていた。もっとも、馬主ばしゅが違ちがうし、年代ねんだいが違ちがう。隣となりのレース結果けっかの瞬間しゅんかんは、仮かりにスペシャルウィークを差さし切きった馬うまと仮定かていすると、1999年ねん12月26日にちの有馬ありま記念きねんで、スペシャルウィークを差さし切きった伝説でんせつの名馬めいば『グラスワンダー』だ！
有馬ありま記念きねんのその時ときの個人こじん的てき収支しゅうしは、マイナスだったが。ディープインパクトと同様どうように伝説でんせつに残のこるレースだと、個人こじん的てきに感かんじている。
さて、このアニメは色々いろいろなアニメや映画えいがの良よいところをかき集あつめた良よい作品さくひんだが『平成へいせいポンポ○』と『ええじゃない○』ダネ。
所ところで、『ロボットドリームランド』が登場とうじょうするが、横浜よこはまにあったドリームランド(くるみ割わり人形にんぎょうを意識いしきしていたはずだ)を覚おぼえている方ほうはいるだろうか。幼おさない頃ころ(多分たぶん、今いまから60年ねんくらい前まえに)親父おやじに連つれられて、行おこなったのを思おもい出だす。開園かいえん直後ちょくごだったのかもしれない。その後ご、スペシャルウィークのレースの頃ころ(20世紀せいき末まつ)行おこなった事ことがあるが、閉園へいえん間近まぢかだった記憶きおくがある。私わたし個人こじんの夢ゆめは時田ときたくんの様ようには行いかずに、ドリームランドと共ともに終おわった。モノレール乗のりたかったなぁ。

天才てんさい科学かがく者しゃ時田ときたが開発かいはつしたサイコセラピーマシンDCミニ。その装置そうちは他人たにんの夢ゆめの中なかに侵入しんにゅうできる画期的かっきてきな発明はつめいだった。しかし、このマシーンにはそれ以上いじょうの能力のうりょくが備そなわっていた。
装着そうちゃくを繰くり返かえした人間にんげんは覚醒かくせいしたままでも他人たにんの夢ゆめの中なかに侵入しんにゅうでき、その意識いしき下かにほかの夢ゆめを植うえ付つけることもできるという。
現実げんじつ社会しゃかいを悲観ひかんし夢ゆめの世界せかいこそけして侵おかされない聖域せいいきと誇大妄想こだいもうそうを抱だいた黒幕くろまくの理事りじ長ちょうはこのDCミニによる自身じしんの世界せかいへの侵食しんしょくを阻止そしして逆ぎゃくにこれを利用りようし夢ゆめの世界せかいの支配しはいを目論もくろむ。
現実げんじつ世界せかいでは不可能ふかのうでも夢ゆめの世界せかいでは支配しはい者しゃになれると考かんがえたのだろうか。

原作げんさくは１９９３年ねんから連載れんさいされた小説しょうせつ。いま見みると他人たにんの意識いしき下かに自分じぶんの夢ゆめを埋うめ込こむとか、夢ゆめから醒さめたと思おもったらまだ夢ゆめの中なかだったとか、「インセプション」の元もとネタに使つかわれたのかも。
十じゅう代だいの頃ころにハマった筒井つつい康隆やすたか作品さくひん。フロイトやユングの夢ゆめ分析ぶんせきなんかは彼かれの小説しょうせつで知しったくらい夢ゆめは彼かれの小説しょうせつに度々どどモチーフとして使つかわれていたように思おもう。
本ほん作さくの原作げんさくは読よんでないけど、とらわれたパプリカが皮膚ひふの下したに手てを突つっ込こまれて身体しんたいをまさぐられるシーンは筒井つつい氏しのスラップスティック小説しょうせつの一いち場面ばめんを思おもい出だす。

今いまとなっては「ザ・セル」とか「インセプション」みたいな他人たにんの意識いしきや夢ゆめに侵入しんにゅうするという作品さくひんが多おおく作つくられているが執筆しっぴつされた時期じきを考かんがえるとやはり筒井つつい氏しの先見せんけん性せいには目めを見張みはるものがある。

黒幕くろまくである理事りじ長ちょうの口くちからはなにかと「支配しはい」とか「テロ」なんて言葉ことばが出でてくる。テロを警戒けいかいする者もの、それはテロによって脅おびやかされる体制たいせいの側がわの人間にんげんである。
テロの危険きけん性せいを声高こわだかに叫さけびながら実じつは自分じぶんの野望やぼうのためにテロを起おこしていたという矛盾むじゅん。ありもしない他国たこくからの侵略しんりゃくを警戒けいかいして戦争せんそうに突つき進すすむ為政者いせいしゃの姿すがたを彷彿ほうふつとさせる。

夢ゆめと現実げんじつの境界きょうかい線せんが失うしなわれたようなクライマックス、DCミニの影響えいきょうが大おおきくなって世界中せかいじゅうの人々ひとびとが覚醒かくせいしたまま同おなじ夢ゆめを共有きょうゆうしてしまったがために現実げんじつと夢ゆめが混在こんざいしたような状況じょうきょうになったのだろうが、そうなる危険きけん性せいをセリフでもいいから伏線ふくせんとして描えがいておいて欲ほしかった。
確たしかにアナフィラキシーで装置そうちを装着そうちゃくしなくても敦子あつこが夢ゆめの侵食しんしょくを受うけたというくだりはあったけど、世界中せかいじゅうの人間にんげんまでがいきなりそうなるのはちょっと飛躍ひやくしすぎでは。観客かんきゃくもあの展開てんかいにいまいちついてこれなかったのではないだろうか。
あと、敦子あつこが理事りじ長ちょうを夢ゆめごと吸すい込こんで解決かいけつしてしまうあたりもいまいちわからなかった。原作げんさくは読よんでみようと思おもう。

映像えいぞうはさすがに今こん監督かんとく作品さくひんだけに素晴すばらしい。筒井つつい作品さくひん独特どくとくのシュールリアリスティックな世界せかい観かんを表現ひょうげんするにはやはりアニメーションでなければ難むずかしいだろう。実写じっしゃ化かされたものは「時ときかけ」以外いがいろくなものがなかった気きがする。