いそしぎ

解説かいせつ

マーティン・ランソホフのストーリーを、アイリーン・キャンプとルイス・キャンプが共同きょうどうで潤色じゅんしょく、「スパルタカス」のダルトン・トランボ、「陽ひのあたる場所ばしょ」のマイケル・ウィルソンが共同きょうどう脚色きゃくしょく、「けっさくなエディ」のヴィンセント・ミネリが監督かんとくした宗教しゅうきょうと芸術げいじゅつをからませたメロドラマ。撮影さつえいは「キング・オブ・キングス(1961)」のミルトン・クラスナー、音楽おんがくは「卑怯ひきょう者しゃの勲章くんしょう」のジョニー・マンデルが担当たんとうした。出演しゅつえんは「予期よきせぬ出来事できごと」のリチャード・バートンとエリザベス・テイラー、「36時じ間あいだ」のエバ・マリー・セイントほか。製作せいさくはベン・カディッシュ。

1965年ねん製作せいさく／アメリカ
原題げんだいまたは英えい題だい：The Sandpiper
配給はいきゅう：MGM
劇場げきじょう公開こうかい日び：1965年ねん8月がつ21日にち

ストーリー

カリフォルニア海岸かいがんに建たてられた一軒家いっけんやに、無名むめいの画家がかローラ（エリザベス・テイラー）と、9歳さいになる息子むすこダニーが、世間せけんに煩わずらわされることなく、自由じゆうな生活せいかつを送おくっていた。ところがある日ひ、ダニーはなかば強制きょうせい的てきにミッション・スクールに入いれられることになった。宗教しゅうきょう家かの校長こうちょうエドワード（リチャード・バートン）と、彼かれの妻つまクレアー（エヴァ・Ｍ・セイント）はダニーばかりでなく、世間せけん知しらずで、自然しぜん児じのような母親ははおやローラをも教育きょういくする必要ひつようがあると感かんじた。そしてたびたびローラと接触せっしょくするうち、エドワードは彼女かのじょの裸はだかの人間にんげん性せいに強つよい魅力みりょくを感かんじるようになった。ローラの過去かこはほとんど謎なぞだった。ただ学校がっこうの理事りじヘンドリックスによると、彼女かのじょは不幸ふこうな恋愛れんあいのすえ、私生児しせいじダニーを生うみ、彼かれの援助えんじょで美術びじゅつ学校がっこうに通とおったのだという。この頃ころ、エドワードは、新あたらしい礼拝れいはい堂どうを建たてる計画けいかくを進すすめローラにも協力きょうりょくを求もとめた。しかし彼女かのじょは、その建築けんちく費ひを貧まずしい子供こどもたちの教育きょういく費ひにつかった方ほうがいいというのだった。自みずから無む神かみ論ろん者しゃだと言いいきるローラの前まえで、エドワードの宗教しゅうきょう観かんはくずれそうになった。数日すうじつ後ご、ありあまる自由じゆうを持もちながらも、やはり孤独こどくだったローラは、訪たずねてきたエドワードに身みをまかせた。罪つみの意識いしきを失しつくした彼かれは、妻つまを偽いつわり、傷きずいえたいそしぎが、大空おおぞらをはばたくように、ローラと旅たびに出でた。2人ふたりの関係かんけいがそれとなくクレアーの知しるところとなった。思おもいあまったエドワードは真実しんじつを告白こくはくした。むろん彼女かのじょは許ゆるすことができない。一方いっぽう、ローラにとっても自分じぶんたち2人にんだけのことを、たとえ妻つまといえども人ひとに話はなしたということは許ゆるせなかった。学校がっこうを辞やめたエドワードは、もう一度いちど考かんがえてみるというクレアーを残のこし、ひとり、旅たびに出でた。いそしぎの飛とび交かう海岸かいがんでは、ローラが絵筆えふでをとっていた。

受賞じゅしょう歴れき