ぼくの瞳ひとみの光ひかり

解説かいせつ

若わかく生真面目きまじめなハイヤーの運転うんてん手しゅと、心しんを閉とざした食料しょくりょう品ひん店てんの女おんなとその小ちいさな娘むすめをめぐって描えがかれる孤独こどくと心しんのふれあいを寓話ぐうわタッチで描えがく。主演しゅえんのルイジ・ロ・カーショとサンドラ・チェッカレッリは、2001年ねんのヴェネチア国際こくさい映画えいが祭さいで男優だんゆう賞しょうと女優じょゆう賞しょうを揃そろって受賞じゅしょう。監督かんとくは「青春せいしゅんの形見かたみ」のジュゼッペ・ピッチョーニ。

2001年ねん製作せいさく／120分ふん／イタリア
原題げんだいまたは英えい題だい：Luce dei miei occhi
配給はいきゅう：樂らく舎しゃ
劇場げきじょう公開こうかい日び：2004年ねん6月がつ19日にち

ストーリー

ローマ。若わかく生真面目きまじめなハイヤー運転うんてん手しゅアントニオ（ルイジ・ロ・カーショ）は、空想くうそう好すきな青年せいねん。彼かれの仕事しごとは顧客こきゃくが決きめた道筋みちすじを旅たびし、車中しゃちゅうでの話はなしに耳みみを傾かたむけ、彼かれらの人生じんせいを静しずかに見守みまもること。そして待まち時間じかん、アントニオはSF小説しょうせつを読よむ。ある晩ばん、飛とび出だしてきた少女しょうじょリーザ（バルバラ・ヴァレンテ）を轢ひきそうになったアントニオは、彼女かのじょの母ははマリア（サンドラ・チェッカレッリ）と知しり合あう。マリアは一人ひとりで食料しょくりょう品ひん店てんを経営けいえいし、女手おんなでひとつで娘むすめを育そだてていた。マリアに惹ひかれたアントニオはこの母はは娘むすめを助すけようと、彼女かのじょがサヴェーリオ（シルヴィオ・オルランド）への支払しはらいに苦労くろうしているのを知しると、彼女かのじょには何なにも言いわず、サヴェーリオの運転うんてん手しゅを買かってでる。だが、マリアはリーザとの生活せいかつを守まもることに精しらげ一いち杯はいで、アントニオの好意こういを素直すなおに喜よろこべない。そしてアントニオは外国がいこく人じん労働ろうどう者しゃを搾取さくしゅするサヴェーリオに、次第しだいに耐たえられなくなる。ある日ひ、アントニオはミスを犯おかしてサヴェーリオから解雇かいこされ、マリアはとうとう力尽ちからつきて、リーザを祖父母そふぼに引ひき渡わたす。それまで頑かたくなに守まもっていたものを失うしなったとき、マリアの心しんにある変化へんかが訪おとずれるのだった。

受賞じゅしょう歴れき