マーシャル博士はかせの恐竜きょうりゅうランド : 映画えいが評論ひょうろん・批評ひひょう

2009年ねん9月がつ8日にち更新こうしん

2009年ねん9月がつ18日にちよりTOHOシネマズ有ゆう楽座らくざほかにてロードショー

シュールな世界せかい観かんも満喫まんきつしたいウィル・フェレル史上しじょう屈指くっしの大作たいさく！

ウィル・フェレルが学会がっかいの笑わらいもののタイムワープ研究けんきゅう者しゃに扮ふんしたSF冒険ぼうけんコメディである。キャッチコピーの「俺おれたちタイムトラベラ〜」のほうが題名だいめいにふさわしそうな気きもするが、1970年代ねんだいのTVシリーズ「LAND OF THE LOST」を基もとにしたこの作品さくひん、主人公しゅじんこうら男女だんじょ3人にんがワープするパラレルワールドの世界せかい観かんがとんでもないことになっているのだ！

単たんにティラノサウルスらが生いきる太古たいこの世界せかいと思おもったら大だい間あいだ違ちがい。主人公しゅじんこう一いち行ぎょうの道案内みちあんないを務つとめる類人猿るいじんえん、爬虫類はちゅうるい風ふうのヒューマノイド軍団ぐんだんほか珍獣ちんじゅう＆怪かい植物しょくぶつがうようよ登場とうじょうするうえ、空そらにはいくつも月つきが浮うかび、荒野あらのには廃はいモーテルが、砂漠さばくには船ふねがたたずむ光景こうけいのシュールさ。以前いぜん「レモニー・スニケットの世よにも不幸ふしあわせな物語ものがたり」で取材しゅざいした際さいに、「昔むかしのハマーフィルムの怪奇かいき映画えいがなどを参照さんしょうしてゴシックワールドを創造そうぞうした」とマニアックなことをい放いはなっていたブラッド・シルバーリング監督かんとくの気合きあいの入いりように驚おどろかされる。

恐竜きょうりゅうのデジタル効果こうかの本気ほんきぶりからして大作たいさくとわかる仕上しあがりだが、壮大そうだいにして珍妙ちんみょうな世界せかい観かんをサバイブするフェレルの間抜まぬけなリアクションや緩慢かんまんな動うごきとのギャップが何なんとも奇妙きみょうな味あじを醸かもし出だし、夢ゆめの中なかをさまよっているようなトリップ感かんにも浸ひたれる。さらにタイムワープ機きに仕込しこまれた「コーラスライン」のナンバー「I HOPE I GET IT」が流ながれる爆笑ばくしょうシーン、巨大きょだいガニの素すっ頓狂とんきょうな襲来しゅうらいシーン、魅力みりょく爆発ばくはつのヒロインに扮ふんしたアンナ・フリエルのキュートさの3点てんも、筆者ひっしゃお薦すすめの必見ひっけんポイントとして付つけ加くわえておく。

（高橋たかはし諭さとし治ち）