ハート・ロッカーのレビュー・感想かんそう・評価ひょうか

バクダッドで爆ばく弾だん処理しょりをする軍曹ぐんそう、班長はんちょうが主人公しゅじんこうのようだ。はじめは、もう一人ひとりの軍曹ぐんそうが主人公しゅじんこうかなと思おもった。
前まえの主任しゅにんは『危険きけん範囲はんい』の25mよりもだいぶ遠とおくに逃にげたのに亡なくなってしまった。
それほどの爆ばく弾だんだったのか。155mm？とかいってたけど。

次つぎに来きた主任しゅにんが主人公しゅじんこう。ぶっ飛とんだ行動こうどうの人ひと。
午後ごごロードで観みたからなのか、映画えいが全体ぜんたいのストーリーがない。他たの人ひとのレビューにある、少年しょうねんとの「交流こうりゅう」も
運転うんてん手しゅ？の行動こうどうもわからなかった。

砂漠さばくの中なかで出会であった部隊ぶたい(仲間なかま？)が狙撃そげきされるシーンも何なにもつながりがない。

ただ細切こまぎれの爆ばく弾だん処理しょり班はんのエピソードを描えがいているだけのように見みえる。これも午後ごごローのせいかな。

イラク戦争せんそうは、いやいや戦争せんそうは理不尽りふじんなものだ、という主張しゅちょうはわかる。
子供こどもの死体したいを爆ばく弾だんにしたり、生いきている人ひとに無理むりやりタイマー付つきの爆ばく弾だんをつけたり。
ただその戦争せんそうに魅入みいられて逃のがれられない人ひともいる。麻薬まやくに溺おぼれる人ひとのように。

『戦争せんそうは麻薬まやくである』

そういった文ぶんから今いま作さくは始はじまる
観賞かんしょう後ご読よんだレビューに「主人公しゅじんこうの姿すがたは米国べいこくそのもの」という物ものがあり、私わたしにはとても腑ふに落おちた

やめたくてやめられないのか、やめたくなくてやめないのか
「米国べいこくそのものだ」ではなく「人間にんげんという存在そんざいそのものだ」と読よみ直なおすこともできるかもしれない

主人公しゅじんこうはイラクに駐留ちゅうりゅうしている米べい軍人ぐんじんで爆ばく弾だん処理しょりの専門せんもん家か
優秀ゆうしゅうだがスタンドプレーが目立めだち、仲間なかまからは疎うとまれている

町中まちなかに仕掛しかけられているテロ爆ばく弾だんを処理しょりしたり、それが激はげしい銃撃じゅうげき戦せんに繋つながったりと苛烈かれつな毎日まいにちだ
全員ぜんいんが肉体にくたい的てき・精神せいしん的てきに摩耗まもうしていく

特とくに酒さけを飲のんでふざける感覚かんかくでお互たがいを殴なぐり合あい、しまいに一線いっせんを超こえてナイフを首くび元もとに突つきつけるシーンでは彼かれらの「何なにか」が外はずれかかっていることを感かんじずにはいられない

しかしそんな日々ひびにも区切くぎりがある
「任務にんむ明あけまであと◯日び」
シーケンスごとに表示ひょうじされるテロップで観客かんきゃくもそのことを知しらされている

区切くぎり。実際じっさいの麻薬まやくも一いち度ど手しゅを出だしたらあとは「薬くすりを使つかわなかった」一いち日にちずつを繰くり返かえすしかないのだという

爆ばく弾だん処理しょりはもちろん、民間みんかん人じんに紛まぎれて敵てきが潜ひそみ、いつ攻撃こうげきしてくるか分わからない緊張きんちょう感かんと臨場りんじょう感かんを感かんじられる映画えいが。米兵べいへい達たちも下手へたに攻撃こうげきを行おこなえば国際こくさい的てきな批判ひはんの的まとになるので、彼かれらも危険きけんを感かんじながらも、迂闊うかつに先制せんせい攻撃こうげきできないだろう。それが観みていてさらに緊張きんちょう感かんを煽あおる。命いのちがけで自国じこくのために戦たたかう米兵べいへい達たちに頭あたまが下さがる。今いま作さくはドキュメンタリー寄よりだが、銃撃じゅうげき戦せんなど盛もり上あがるシーンも入いれてきて面白おもしろみのある構成こうせいになっている。

前線ぜんせんの米兵べいへい達たちの戦闘せんとうや爆ばく弾だん処理しょりの実態じったいをリアルに描えがいた良よい映画えいがだと思おもう。しかしストーリーは全体ぜんたい的てきにやや散漫さんまんな印象いんしょうを受うけた。爆ばく弾だん処理しょりや敵てきアジトへの潜入せんにゅうなどそれぞれの作戦さくせんに関かんして、どういった経緯けいいで始はじまり、問題もんだいを解決かいけつしたその先さきで最終さいしゅう的てきには何なにを達成たっせいしたいのか、観みていて分わかりづらいシーンが多おおい。あくまで『戦争せんそうは麻薬まやく』というテーマを表現ひょうげんしたいのかもしれないが、それにしても説明せつめい不足ふそくな印象いんしょう。例たとえば今いま作さくと同おなじ監督かんとくの『ゼロ・ダーク・サーティ』はヴィンラディン殺害さつがいという最終さいしゅう目的もくてきに向むけて全すべての物事ものごとを進すすめているのが分わかるため、そういった印象いんしょうは受うけなかった。

有あり余あまる飽食ほうしょくの国くに。
愛あいと自由じゆうと民主みんしゅ主義しゅぎの国くに。
それがアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく。
彼かれらはなぜそこを離はなれ、アドレナリン垂たれ流ながしの砂漠さばくにいるのか？
それが理解りかいできない。だから、数かずあるシリアルの中なかからどうでも良よい物ものを選えらび、戦場せんじょうに逃にげ帰かえる。それが全まったく理解りかいできなかった。
だが、しかし、それは演出えんしゅつ家かのデフォルメ的てきな狙ねらいなのかもしれないと判断はんだんして、共感きょうかんを示しめしたいと思おもう。
グロく無なくて良よかった。それに、主人公しゅじんこうの行動こうどうは絶対ぜったいにあり得えない。しかし、
女性じょせいだからと言いって、人道的じんどうてきで無なくても良よい。
かと言いって、何なにが次つぎに起おこるのか？が気きになって疲つかれてしまった。１時じ間あいだ15分ふんくらいの話はなしにしてもらえれば良よかったかなぁ？
描えがくは地獄じごくなのだから、もう少すこし早はやく綺麗きれいな地獄じごくを再現さいげんしていれば、映像えいぞうの面めんも映はえたと思おもう。
おしい傑作けっさくだと思おもう。

原題げんだい The Hurt Locker
製作せいさく年ねん 2008年ねん
製作せいさく国こく アメリカ
劇場げきじょう公開こうかい日び 2010年ねん3月がつ6日にち
上映じょうえい時間じかん 131分ふん
映倫えいりん区分くぶん PG12

緊張きんちょう感かんと緊迫きんぱく感かんがずっと続つづく映画えいが。

主人公しゅじんこうに感情かんじょう移入いにゅうが出来できない。
これが現実げんじつの戦場せんじょうと言いわれればその道みちりだが、、、

ドキュメンタリーよりも感情かんじょう移入いにゅうなく、淡々たんたんと伝つたわる無機質むきしつの緊張きんちょう感かん。
世界せかいの警察けいさつらしくイラクでも振ふる舞まうけれど、現地げんちの人々ひとびとの冷さめた視線しせんや石いしつぶてに、兵隊へいたいの苦労くろうと無名むめいの英雄えいゆう像ぞうが重かさなる。
国くにの妻子さいしを置おいて、なぜそこまで駆かられるのか？　勲章くんしょうではなさそうだ。
見み終おわった後のち、疲つかれが残のこるので、調子ちょうしが良よい日ひにどうぞ。

　2008年ねんの映画えいが。銃じゅうを使つかって命いのちのやり取とりをするような作品さくひん、主おもにスパイものが比較的ひかくてき好すきなので(ジャック・ライアンやアメリカン・スナイパー等とう)、視聴しちょうを決きめた。
　内容ないようは2004年ねんのイラクバクダッド郊外こうがいで奮闘ふんとうする爆ばく弾だん処理しょり班はんの日常にちじょうを描えがいている。爆ばく弾だん処理しょり班はんにピントを当あてた作品さくひんは見みたことが無なかったので(爆ばく弾だん処理しょりが話はなしのクライマックスシーンで利用りようされる作品さくひんならスパイもの等とうで多数たすうあると思おもうが)、新鮮しんせんだった。動うごきのない作品さくひんで退屈たいくつかもとも思おもっていたが、処理しょり以外いがいにも処理しょり中ちゅうの防衛ぼうえいやテロリストからの奇襲きしゅう等とうもあり、終始しゅうし緊迫きんぱく感かんの漂ただよう作品さくひんだった。
　一言ひとことで結論けつろんを言いうと、面白おもしろかった。作品さくひん内ないで数すう回かい描写びょうしゃされる臨場りんじょう感かんあふれる爆ばく弾だん処理しょりシーンや、テロに襲撃しゅうげきされ味方みかたを数すう人にん失うしないながらも撃退げきたいするシーンは退屈たいくつしなかった。ジェームズという天才てんさい肌はだで規律きりつを無視むしした爆ばく弾だん処理しょり班はん班長はんちょうの男おとこが、サンボーンやエルドリッジと作戦さくせんの中なかで意思いしをぶつけ合あい、徐々じょじょに対立たいりつから理解りかいへと変かわっていく様子ようすが丁寧ていねいに描えがかれており、命いのちを取とられるかもしれない極限きょくげんの現場げんばで彼かれら三さん人にんが状況じょうきょうに対応たいおうしていく姿すがたには強つよい共感きょうかんを感かんじたし、ベッカムに対たいするジェームズの思おもいが垣間見かいまみれる展開てんかいからは、彼かれが子持こもちなこともあるだろうが、彼かれも血肉けつにくの通とおった感情かんじょうや正義せいぎ感かんを持もっていることをうまく表現ひょうげんできていた。
　とはいったものの、最後さいごの自宅じたくに帰かえったジェームズ、そしてまたイラクに爆ばく弾だん処理しょり班はんとして再ふたたびイラクの郊外こうがいの道みちを歩あゆんでいく背中せなかの描写びょうしゃを見みていると、やっぱりプロパガンダ映画えいがだな、と感かんじた。自分じぶんには、最後さいごの描写びょうしゃがアメリカ国民こくみんに、戦争せんそうに派兵はへいされることの正当せいとう性せいやカッコよさを印象いんしょうづけているように感かんじたのだ。ググってみれば自分じぶんの直感ちょっかん的てきな視点してんとは違ちがってプロパガンダと言いえる理由りゆうを解説かいせつしているレビューも複数ふくすうあるので、気きになる人ひとはググってみて欲ほしい。アバターと対比たいひさせて感かんじた人ひともいるようだ。そうは言いったが、自分じぶんはそもそもアメリカの戦争せんそう好すきな所ところは嫌きらいでその影響えいきょうを受うけることは多分たぶん無ないので、プロパガンダっぽい戦争せんそう映画えいがをそうと思おもいつつ見みることにそこまでの躊躇ちゅうちょは無ない。そのような環境かんきょうの中なかで足掻あがく市民しみんの姿すがたやそこで繰くり広ひろげられるアクションに興味きょうみを持もっているからだ。

ジェームズとサンボーンとエルドリッジの三さん人組にんぐみがかっこ良よい！
THE男おとこって感かんじ。
銃撃じゅうげき戦せんのあとの3人にんのやりとりが好すき。
最後さいご、ジェームズが戦場せんじょうに戻もどったのが悲かなしい。

全編ぜんぺん通とおしてイラク戦争せんそうの臨場りんじょう感かん、悲惨ひさんさが伝つたわる映像えいぞう。その中なかで今いま作さくは何なにを伝つたえるのか？

何なにかが麻痺まひした兵士へいしの最期さいごは壊こわれるのか、家族かぞくの元もとへ帰かえるのか、或あるいは爆ばく死しするのか、それが物語ものがたりの中盤ちゅうばん以降いこう、人間にんげんらしさを見みせてくる中なかで、とても気きになる。

まさかのラスト。

監督かんとく賞しょう、脚本きゃくほん賞しょうは絶対ぜったいないと思おもう。

妙みょうに長ながくて意味いみのない長ちょう回まわしは眠気ねむけを誘さそうし、大たいしたセリフも無ないのに脚本きゃくほん賞しょうって、この年としのアカデミー賞しょうは不発ふはつ揃ぞろいだったのかな？

とにかく上映じょうえい当時とうじ観みたのに全然ぜんぜん覚おぼえてなかったので、もう一度いちどDVDを借かりて観みてみたけど、戦争せんそう映画えいがでこれだけ眠ねむたい映画えいがも珍めずらしい。

イラク、バグダッド郊外こうがいで、肉体にくたい的てきにも精神せいしん的てきにも極限きょくげん状態じょうたいの過酷かこくな任務にんむを遂行すいこうするアメリカ軍ぐん爆発ばくはつ物ぶつ処理しょり班はんのリアルな映像えいぞうが続つづく。

ただ、ただ、やるせない…。

BS-12を録画ろくがにて鑑賞かんしょう　（字幕じまく版ばん）

ハートロッカーとは棺桶かんおけの事こと、苦痛くつうの極限きょくげん地帯ちたいとWikiに書かいてあった。

内容ないようはドキュメンタリーそのもの
爆ばく弾だん処理しょりに命いのちをかけて戦たたかい、
最後さいごには兵役へいえきを終おえて帰かえって来きても、
また、戦地せんちへ行いってしまう戦争せんそう中毒ちゅうどく。

なぜに人ひとはあやめ合あうのか、空むなしく、ばかばかしく、情なさけないとしか思おもえない。
アメリカは戦争せんそう大好だいすき。経済けいざいになるし、
仕事しごとになるし、映画えいがのネタになるしね。
改あらためて反戦はんせん祈いのるばかり。

イラク戦争せんそう時じ、アメリカ兵へいの爆ばく弾だん処理しょり班はんの兵士へいし達たちが描えがかれている。
アカデミー賞しょうをとって話題わだいになった作品さくひん。
ドキュメンタリーっぽい作つくりでリアルさがあり、終始しゅうし緊張きんちょう感かんがあった。
苦悩くのうの描写びょうしゃは大おおきくはないけれど、すごく伝つたわってきました。

ヒョイと目めの前まえを横切よこぎる足あしの悪わるいやせた猫ねこ。顔かおをはい回まわるハエ。流ながれ出でるよだれ。砂上さじょうを転ころげまわる薬やっきょう。
黒沢くろさわばりの細こまかいディテールがこのサスペンス映画えいがに引ひきずり込こむ。
家庭かていに居場所いばしょがない男おとこには、世界一せかいいち危険きけんな爆発ばくはつ処理しょりこそ、息いきのつける場所ばしょだったのかも知しれない。

★広ひろいスーパーマーケットのシリアルのコーナーで立たち尽つくすシーン
★家いえの屋根やねの雨あめどいの枯かれ葉はを素手すでで取とるシーン
★赤あかちゃんに心情しんじょうを語かたりかけるシーン
→正義せいぎの無ない無意味むいみな戦争せんそうで800以上いじょうの爆ばく弾だん処理しょりをしているうちに、普通ふつうの幸しあわせが幸しあわせだと感かんじられなくなり、本当ほんとうは人間にんげんとして最大さいだいの恐怖きょうふであるはずの一瞬いっしゅんで死しに至いたる爆ばく弾だん処理しょりの仕事しごとへまた戻もどっていくラスト。爆ばく弾だん処理しょりへ向むかう防護ぼうご服ふくの中なかの主人公しゅじんこうの顔かおは満足まんぞくげな笑顔えがおだった。

■今いま作さくは、米国べいこくが大量たいりょう破壊はかい兵器へいきをイラクが持もっているという理由りゆうでジョージ・ブッシュが仕掛しかけたイラク戦争せんそうにより、彼かれの地ちに駐留ちゅうりゅうする事ことになった米べい軍ぐん爆発ばくはつ物ぶつ処理しょり班はんの過酷かこくな任務にんむをリアルに映うつし出だした作品さくひんである。

◆感想かんそう＜Caution!　内容ないように触ふれています。＞

　・冒頭ぼうとうの爆発ばくはつ物ぶつ処理しょりのシーン。地ちを這はう様ようなカメラアングルで無人むじん車しゃで仕掛しかけられた爆発ばくはつ物ぶつを処理しょりしようとするシーンを追おう。
　そして、米べい軍ぐん爆発ばくはつ物ぶつ処理しょり班はんのトンプソン班長はんちょうが、分厚ぶあつい防ぼう爆ばく服ふくを着きながらも、イラク軍ぐんが仕掛しかけた罠わなのために、殉職じゅんしょくするシーンの苛烈かれつさに驚おどろく。
　－　あれだけ、厚あつい防ぼう爆ばく服ふくを着きていても、身体しんたいを守まもれない程ほどの、爆発ばくはつ物ぶつの威力いりょく。－

　・イラク戦争せんそうは、御存ごぞんじの通とおり、米国べいこくがサダム・フセインを排除はいじょするために、米国べいこくが大量たいりょう破壊はかい兵器へいき保持ほじを理由りゆうとして、一方いっぽう的てきに仕掛しかけたイラクへの軍事ぐんじ介入かいにゅうである。
　そして、結果けっかとしてサダム・フセインは捕とらえられたが、大量たいりょう破壊はかい兵器へいきの存在そんざいは確認かくにんされず、有耶無耶うやむやにされた。結果けっかとして、米べい軍ぐん、イラクの人民じんみんも含ふくめて多数たすうの死者ししゃが出で、ムスリムのジハード思想しそうにより、今いま作さくでも描えがかれた通とおり自爆じばくテロが行おこなわれた事ことは、周知しゅうちの事実じじつである。
　キャスリン・ビグロー監督かんとくはジョージ・ブッシュの行為こういに対たいし、イラク戦争せんそうをリアルに、米べい軍ぐんを英雄えいゆう視しせずに描えがくことで、強烈きょうれつな怒いかりを表明ひょうめいしたのである。

　・物語ものがたりは、2004年ねん夏なつ。イラク・バグダッド郊外こうがいから始はじまる。
　米べい陸軍りくぐんの爆発ばくはつ物ぶつ処理しょり班はん・ブラボー中隊ちゅうたいに、新あらたな爆発ばくはつ物ぶつ処理しょり班はん班長はんちょう・ジェームズ（ジェレミー・レナー）が赴任ふにんする。型破かたやぶりなジェームズのやり方かたに戸惑とまどうサンボーン（アンソニー・マッキー）とエルドリッジ技術ぎじゅつ兵へい（ブライアン・ジェラティ）
　”ブラボー中隊ちゅうたい任務にんむ終了しゅうりょうまで〇〇日にち”と度々たびたびテロップが出でる中なか、3人にんは時ときに対立たいりつしながらも、過酷かこくな任務にんむを切きり抜ぬけていく。
　－　灼熱しゃくねつの砂漠さばくの中なかでの、急襲きゅうしゅうを受うけた後のちの、イラク兵へいスナイパー達たちとの持久じきゅう戦せんのシーンや、人間にんげん爆ばく弾だんとして使つかわれるイラクの子供こどもの死体したい。
　そして、彼かれらの動うごきを建物たてものから見みつめるイラクの民みんたちの視線しせんも印象いんしょう的てきである。－

＜今いま作さくは、イラク戦争せんそうで闘たたかう米べい軍ぐんを全まったく美化びかせずにリアルに描えがいている所ところが、真骨頂しんこっちょうである。そして、米べい軍ぐんに対抗たいこうしてくるイラクの民みんたちの自爆じばくをも厭いとわない、ジハード思想しそうの描えがき方かた。
　キャスリン・ビグロー監督かんとくは今いま作さくと、以降いこうの「ゼロ・ダーク・サーティ」「デトロイト」（この２作品さくひんの緊迫きんぱく感かんも尋常じんじょうではない。）により、ジェームズ・キャメロンの元もと妻つまというレッテルを剥はぎ取とり、戦争せんそう及および米国べいこくの負まけの歴史れきしを美化びかせずに描えがく第一人者だいいちにんしゃとなったのである。＞

単独たんどく行動こうどうが過すぎる爆ばく弾だん処理しょり班長はんちょうを中心ちゅうしんにイラク戦争せんそうを淡々たんたんと描えがく。事件じけんはいくつか起おこるものの、どれも大おおきな変化へんかや感動かんどうをもたらすものではない。戦争せんそうは麻薬まやくってことなんですね。ということは冒頭ぼうとうでネタバレしてたってことか（笑）
アカデミー作品さくひん、私わたしにとっては面白おもしろい作品さくひんがあまりない。
BS12字幕じまく版ばん鑑賞かんしょう

女性じょせい監督かんとくによる戦争せんそう映画えいがが珍めずらしく、しかもアカデミー賞しょう受賞じゅしょうということで、映画えいが館かんに行いき鑑賞かんしょうした覚おぼえがある。

キャサリン・ビグロー監督かんとくによる2009年ねん公開こうかいの米国べいこく映画えいが。脚本きゃくほんはマーク・ボール（製作せいさく兼任けんにん）で、撮影さつえいはバリー・アクロイド。

イラク戦争せんそうにおけるジェレミー・レナー演えんずる爆ばく弾だん処理しょり班はん班長はんちょうが主人公しゅじんこう。

彼かれは解体かいたいした爆ばく弾だんは800以上いじょう。死しと直結ちょっけつの仕事しごとで恐おそろしいはずだが、通常つうじょうの精神せいしんがいかれて麻痺まひしてしまっているのか、全まったく危険きけんを顧かえりみない行動こうどうを取とる。

戦争せんそうの中なか、人知ひとしれず国家こっかのために頑張がんばっている人間にんげんに光ひかりを当あてた映画えいがということかもしれないが、むしろ戦争せんそうにより否応いやおうなしに兵士へいしにもたらされた狂気きょうきそのものを感かんじさせられた。

画像がぞうの粗あらさと砂塵さじん舞まう過酷かこくな戦場せんじょう風景ふうけいも相あいまってか、優やさしさやヒューマンニズムのかけらも無ない死しと直結ちょっけつするリアルな戦争せんそうの本質ほんしつを、独特どくとくの映像えいぞうにより体験たいけんさせられた思おもいがした。

ほぼドキュメンタリーとして見みれば間違まちがいありません。ただひたすら爆ばく弾だん処理しょりの緊迫きんぱくした場面ばめんが延々えんえんと続つづきます。映画えいがなので一応いちおうストーリーありますが、なくてもいいです。脚本きゃくほんは必要ひつよう最小限さいしょうげん、爆ばく弾だん処理しょり事態じたいが主役しゅやくなので役者やくしゃの演技えんぎにも重要じゅうよう性せいありません。人物じんぶつの背景はいけいとか人間にんげん描写びょうしゃに主題しゅだいはありません。反戦はんせんと捉とらえるか、単たんに爆ばく弾だん処理しょり班はんカッコいいなあ、と思おもうかは見みた人ひとが勝手かってに考かんがえれば、っていう突つき放はなした態度たいどが大変たいへんよろしい。それでも2時間じかん保たもたせる演出えんしゅつは大たいしたもんです。
但ただし、ダメな人ひとには全まったくダメな映画えいがなので30分ふん見みてダメなら、話はなしは進展しんてんしないので止とめちゃった方ほうが時間じかんの節約せつやくです。

中毒ちゅうどくの理由りゆうは、単純たんじゅんにサイコパスな場合ばあいと、「ここでなら自分じぶんにできることがある」と思おもえる場合ばあいがあるのかも。
「誰だれかに必要ひつようとされてる。自分じぶんは役やくに立たつ」って思おもえることが大事だいじなのかもね。