SR サイタマノラッパー

採点さいてん3.4
埼玉さいたまの中なかでもローカルな舞台ぶたいで繰くり広ひろげる、ラッパーを目指めざすパッとしない若者わかものたちの青春せいしゅん偶像ぐうぞう劇げき。
行いったこと無ないけど深谷ふかや市しってあんな感かんじなんですね？
出でてるキャラみんなパッとしないけど、仙人せんにんみたいな武田たけだ先輩せんぱいが良よいですね。途中とちゅうで消きえるけど。
とにかく終始しゅうし、悩なやめる若者わかもののグダグダした日常にちじょうです。
でも居酒屋いざかやでのライムがすごい格好かっこうよかった。
結局けっきょく何なにも進すすんで無むいし変かわっても無ないのだけど、ラストはしっかりグッときたし中ちゅう々アツい作品さくひんでした。

ラスト7分ぶんの魂たましいのぶつけ合あいと唐突とうとつな終幕しゅうまくはかなりグッときた。あと市民しみん会館かいかんで曲きょくを披露ひろうしてる時ときのカメラワーク。カメラはIKKUたちのやぶれかぶれの勇姿ゆうしを遠巻とおまきに映うつし出だすが、そこには市しのお偉方えらがたの後頭部こうとうぶも映うつり込こむ。しかし顔かおは見みえない。俺おれたちの声こえは届とどくんだろうか、というIKKUたちの不安ふあんがカメラワークを通つうじてうまく表現ひょうげんされていたと思おもう。

しかしこんなことを言いうのもアレなんだけど、埼玉さいたま県けん深谷ふかや市しをまるで文明ぶんめい社会しゃかいの末端まったんかのように描えがくのはどうなんだと思おもう。私わたし自身じしんが『楢山節考ならやまぶしこう』のごとき山中さんちゅうの寒村かんそん生うまれなので、登場とうじょう人物じんぶつたちがしきりに開陳かいちんする「でも埼玉さいたまだし…」的てきなシニシズムにいまいち寄より添そえなかった。いや、言ゆうて駅えきあんじゃん、河川敷かせんしきあんじゃん、みたいな。

と、このように「(物理ぶつり的てきであれ精神せいしん的てきであれ)俺おれは世界せかいで一番いちばん不幸ふこうだ！」という地点ちてんに登場とうじょう人物じんぶつを追おい込こむことで物語ものがたりに緩急かんきゅうをつけようとすると、画面がめんの外側そとがわにいるそれより「ひどい」人々ひとびとがワーワーと文句もんくをつけてくる。私わたしだってできればつけたくないけど。だからやるやらもっと徹底的てっていてきにやる(あるいは登場とうじょう人物じんぶつの自我じがそのものに強力きょうりょくな磁力じりょくを纏まとわせる)必要ひつようがある。「埼玉さいたま県けん深谷ふかや市し」という土地とちはやっぱりちょっと徹底てってい性せいに欠かけるんじゃないかなというのが正直しょうじきなところ。

ー　イックは仕事しごとがなく家族かぞくから邪魔じゃま者しゃ扱あつかいされているニートラッパー。
　　ー　彼かれは親友しんゆうのトム、後輩こうはいのマイティと共ともに、病弱びょうじゃくなタケダ先輩せんぱいらの力ちからを借かりて自分じぶんたちの曲きょくを作つくってライブをしようとしていた。
　　そんなある日ひ、高校こうこうの同級生どうきゅうせい・千夏ちなつが東京とうきょうから帰かえって来きて…。彼女かのじょは高校こうこう三さん年生ねんせいの時ときにアダルトビデオに出でていた・・。－

◆感想かんそう

　・正直しょうじきに書かけば、観みていてイックやトムはイタイ若者わかもの達たちである。

　・そんな彼かれらは、予定よていしていたライブも開あけずに鬱屈うっくつした思おもいをライムを効きかせたラップで、表現ひょうげんする。

＜夢ゆめ叶かなわずに、イックは食堂しょくどうで働はたらき始はじめた日ひに、偶々店みせに来きた、交通こうつう整理せいりの仕事しごとを始はじめたトムにラップで、”夢ゆめを諦あきらめてはいないぜ”と歌うたいかけるシーンは印象いんしょう的てきな作品さくひん。＞

何なんで星ほし5なんだよと言いわれても知しらねーよという作品さくひん
シュシュシュの流ながれで監督かんとくの舞台ぶたい挨拶あいさつがあるというのでポレポレへ
隣となりの隣となりにトムさんがいたというオチ