関東かんとう義兄弟ぎきょうだい

解説かいせつ

「さくら盃さかずき　仁義じんぎ」の内川うちかわ清一郎せいいちろうと八はち洲しゅう僕ぼくが共同きょうどう執筆しっぴつした脚本きゃくほんを、内川うちかわが監督かんとくした任侠にんきょうもの。撮影さつえいは「やくざ番外地ばんがいち　抹殺まっさつ」の萩原はぎはら泉いずみが担当たんとうした。

1970年ねん製作せいさく／83分ふん／日本にっぽん
配給はいきゅう：日活にっかつ
劇場げきじょう公開こうかい日び：1970年ねん1月がつ15日にち

ストーリー

昭和しょうわの初はじめ。関東かんとうのある町まち。秋祭あきまつりの最中さいちゅう、大宝寺だいほうじ仙せん蔵ぞうの車くるまが子供こどもをはねて去さった。それを聞きいた千せん場じょう正せい五郎ごろう親分おやぶんはひかれた健けん坊ぼうの治療ちりょう費ひを払はらわせようとしたが、仙せん蔵ぞうは、逆ぎゃくに子分こぶんの源みなもと太郎たろうに命めいじて車くるまの損害そんがい賠償ばいしょうを請求せいきゅうし、正せい五ご郎ろうの賭場とばを荒あらさせた。健けん坊ぼうの姉あね佳代子かよこはそのため芸者げいしゃになる決心けっしんをした。佳代子かよこを励はげましたのは刑務所けいむしょ帰がえりの御所車ごしょぐるま宗四郎そうしろうだった。御所車ごしょぐるまは正せい五ご郎ろうの子分こぶん一いち点てん喜三郎きさぶろうに襲おそわれた。二人ふたりは激闘げきとうの末すえ小川おがわに落おち、ずぶ濡ぬれになったが、なぜか本当ほんとうの敵意てきいが湧わかなかった。その頃ころ、仙せん蔵ぞうは大だい工場こうじょう建設けんせつの仕事しごとを得えるため有力ゆうりょく者しゃ・諏訪すわに佳代子かよこを取とりもつ策さくを巡めぐらしていた。又また賭場とばで喜三郎きさぶろうが代だい貸かしの勝かち三さんと差さしの勝負しょうぶになった時とき、壷つぼ振ぶりの源みなもと太郎たろうの手てをとめたのは御所車ごしょぐるまだった。彼かれはイカサマを見破みやぶった喜三郎きさぶろうの背せを狙ねらう拳銃けんじゅうに気付きづいたのである。帰途きと、二人ふたりは源みなもと太郎たろう、辰吉たつよし一味いちみに襲おそわれて、喜三郎きさぶろうは逆ぎゃくに辰吉たつよしを殺ころしてしまった。喜三郎きさぶろうは自首じしゅした。佳代子かよこへの陰謀いんぼうが御所車ごしょぐるまによって失敗しっぱいし工事こうじが正せい五ご郎ろうに決きまりそうになり、仙せん蔵ぞうは正せい五ご郎ろうを闇やみ討うちした。臨終りんじゅうの床ゆかで正せい五ご郎ろうは、実みの息子むすこである、源みなもと太郎たろうの事ことを、御所車ごしょぐるまに託たくして死しんだ。源みなもと太郎たろうはそれを知しると、大宝寺だいほうじ一家いっかへ単身たんしん乗のり込こみ、盃さかずきを投なげ返がえした。そこへ御所車ごしょぐるまが助すけっ人とに現あらわれ、たちまち三さん人にんを斬きり伏ぶせた。仙せん蔵ぞうがピストルで御所車ごしょぐるまを狙ねらっていたが、気きづいた源太郎げんたろうが咄嗟とっさに御所車ごしょぐるまの仕込杖しこみづえを投なげ、仙せん蔵ぞうの胸板むないたを深々ふかぶかと貫つらぬいた。二人ふたりは固かたく手てを握にぎり義兄弟ぎきょうだいの誓ちかいを交かわした。