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アンナ・カレーニナ : 映画評論・批評 - 映画.com

劇場げきじょう公開こうかい 2013ねん3がつ29にち

  • 予告編よこくへん

アンナ・カレーニナ : 映画えいが評論ひょうろん批評ひひょう

2013ねん3がつ26にち更新こうしん

2013ねん3がつ29にちよりTOHOシネマズげきほかにてロードショー

けれんの演出えんしゅつ正統せいとう脚本きゃくほんでつづる文芸ぶんげいドラマ

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だい劇場げきじょうえんじられる舞台劇ぶたいげきがセット撮影さつえいのドラマにてんじていく。ローレンス・オリビエの「ヘンリィせい」(1944)に導入どうにゅうは、ロシア文学ぶんがくをシェイクスピア経由けいゆでイギリス映画えいが変貌へんぼうさせたような印象いんしょういだかせる。劇場げきじょう空間くうかんを19世紀せいきロシアの貴族きぞく社会しゃかいになぞらえたジョー・ライト監督かんとく演出えんしゅつは、バレエや人形にんぎょうげき様式ようしきみ、けれんみたっぷりだ。

が、その外見がいけんとは裏腹うらはらに、げき作家さっかトム・ストッパードがけた脚本きゃくほんは、トルストイの原作げんさくたましいんだ正統せいとうだ。最大さいだい特徴とくちょうは、トルストイの分身ぶんしんである地方ちほう地主じぬしリョーヴィン(ドーナル・グリーソン)のエピソードにボリュームをたせ、ヒロインのアンナ(キーラ・ナイトレイ)とのコントラストを際立きわだたせたてん

こい絶頂ぜっちょうから悲劇ひげきかってすすむアンナと、失恋しつれんのどんぞこからハッピーエンドにかっておだやかにあゆむリョーヴィン。2人ふたり人生じんせいのベクトルはせい反対はんたい軌跡きせきえがく。アンナが社交しゃこうかいわれるとき、リョーヴィンは農民のうみん社会しゃかいれられる。アンナが居場所いばしょ家族かぞくうしなうのにたいし、リョーヴィンはあいしん平安へいあんれる。そんな2人ふたり対比たいひを、ストッパードは的確てきかく採録さいろく。さらに、監督かんとくのライトが、アンナの世界せかい舞台劇ぶたいげき調ちょうのセット、リョーヴィンの世界せかい牧歌ぼっかてきなロケーションを使つかい、あざやかにえがけた。

そういえば、とおもいだしたのが、ストッパードの壮大そうだいな3さく戯曲ぎきょく「コースト・オブ・ユートピア」。「アンナ・カレーニナ」よりすこまえのロシアを背景はいけいに、理想りそう社会しゃかい実現じつげんさせようと葛藤かっとうする知識ちしきじん肖像しょうぞうえが群像ぐんぞうげきだが、この登場とうじょう人物じんぶつたちとリョーヴィンはおな地平ちへいでつながっていたのだと、映画えいがづかされた。

矢崎やさき由紀子ゆきこ

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