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さよなら歌舞伎町 インタビュー: 平成生まれの染谷将太×前田敦子「さよなら歌舞伎町」で体感した廣木隆一監督の熱量 - 映画.com

劇場げきじょう公開こうかい 2015ねん1がつ24にち

  • 予告編よこくへん

さよなら歌舞伎町かぶきちょう : インタビュー

2015ねん1がつ22にち更新こうしん
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平成へいせいまれの染谷そめや将太しょうた×前田まえだ敦子あつこ「さよなら歌舞伎町かぶきちょう」で体感たいかんした廣木ひろき隆一りゅういち監督かんとく熱量ねつりょう

平成へいせいまれの染谷そめや将太しょうた前田まえだ敦子あつこが、2015ねん日本にっぽん映画えいがかいをけんいんする。昨年さくねん9ほん出演しゅつえん作品さくひん公開こうかいされた染谷そめやは、今年ことしすでに6ほん封切ふうきりを待機たいきちゅう一方いっぽう前田まえだ昨年さくねん、タイプのことなる3にん監督かんとく仕事しごとをし、さらなる意欲いよくやしている。そんな2人ふたりにとって、15ねんのスタートを作品さくひんが、廣木ひろき隆一りゅういち監督かんとくがメガホンをとった「さよなら歌舞伎町かぶきちょう」だ。(取材しゅざいぶん編集へんしゅう写真しゃしん江藤えとううみ彦)

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いまさくは、メジャーからインディペンデントまで幅広はばひろ作品さくひんがけてきた廣木ひろき監督かんとくが、「ヴァイブレータ」(03)、「やわらかい生活せいかつ」(06)につづき、脚本きゃくほん荒井あらい晴彦はるひこと3度目どめのタッグをんだ意欲いよくさく染谷そめや一流いちりゅうのホテルマンになれなかった歌舞伎町かぶきちょうのラブホテル店長てんちょうとおる前田まえだ有名ゆうめいミュージシャンになるゆめをかなえようともがく沙耶さや息吹いぶきあたえ、けん怠期たいきむかえた同棲どうせいカップルをえんじている。

92(平成へいせい4)ねんまれの染谷そめやと91(平成へいせい3)ねんまれの前田まえだは、いまさくはつ共演きょうえん。ここにいたるまでの道筋みちすじおおきくことなり、いちまじわることはなかったが、映画えいがをこよなくあいする2人ふたりでしか成立せいりつしえないアンサンブルを本編ほんぺんかなでている。廣木ひろき監督かんとく作品さくひんなか自転車じてんしゃ多用たようすることでられているが、いまさくでも染谷そめや前田まえだ2人ふたりりでまちながすカットなどいくつか用意よういされており、そのどれもがもの脳裏のうり明確めいかく意味合いみあいをきざむものとなっている。

そんな2人ふたり撮影さつえいちゅう会話かいわわすことはなかったそうだが、以下いかのやりりからも現場げんばごした時間じかんがいかに濃密のうみつなものであったかがうかがえる。共演きょうえんしてみての印象いんしょういてみると……

染谷そめやなにかんがえているのか、まったくからないひとでした(笑)」
 前田まえだ「そっくりそのままおかえしいたします(笑)」
 染谷そめや現場げんばではまったくしゃべらなかったんですよ。お芝居しばいをしてみて発見はっけんすることがおおかったというか、いろいろと自分じぶんげてみると、毎回まいかいちがうおかえしがあって。それは非常ひじょう面白おもしろかったですね」

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撮影さつえい終了しゅうりょう染谷そめや廣木ひろぎぐみについて「だれ無理むりをしていることもなく、いたって自然しぜん廣木ひろきさんについていっている現場げんば感動かんどうおぼえました」とかたっている。2人ふたりあらためて現場げんばでの廣木ひろき監督かんとくについてかえってもらった。

染谷そめや群像ぐんぞうげきだったので、廣木ひろきさんがいろんな役者やくしゃさんにせっしている部分ぶぶん垣間見かいまみることができたんです。役者やくしゃさんそれぞれにたいして方法ほうほうろんまったちがっていて、演出えんしゅつことなっていたんです。それが新鮮しんせんでしたね。自分じぶんはあまりわれることはなかったのですが、結構けっこう言葉ことばびせられるほうもいらっしゃいましたし」
 前田まえだわたし冷静れいせいってくださる監督かんとくだなとかんじました。時間じかんがないのにもかかわらず、時間じかんしみなくくださるほうでしたね。リテイクもしてくださいましたし、なんて役者やくしゃたいしてやさしいんだろうっておもっていました」

いまさく筆者ひっしゃかぎり、社会しゃかいてきなテーマもまれているが、近年きんねん廣木ひろき作品さくひんなか一番いちばんのエンタテインメントさくだといえる。てっ沙耶さやじくに、5くみ男女だんじょ人生じんせい歌舞伎町かぶきちょうのラブホテルで交錯こうさくしていくわけだが、染谷そめや前田まえだのほか、みなみ果歩かほ(ラブホテルのベテラン清掃せいそうじん)、松重まつしげゆたか(そのおっと時効じこう指名しめい手配てはいはん)、大森おおもりみなみとも音楽おんがくプロデューサー)、村上むらかみあつし(デリヘルじょうれあげるサラリーマン)、しのぶしげる修吾しゅうご風俗ふうぞくじょうのスカウトマン)、田口たぐちトモロヲ(デリヘル店長てんちょう)らげい達者たっしゃ個性こせいわきかためていることも心強こころづよい。2人ふたりは、登場とうじょう人物じんぶつのなかでだれ感情かんじょう移入いにゅうしたのだろうか。

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前田まえだわたし果歩かほさんがえんじられたやく鈴木すずき里美さとみ)がきです。あのサバサバしたかんじがすくわれますよね。若者わかものたちを見守みまもっている位置いちにいるじゃないですか。実際じっさい結構けっこうなものをかかえているのに、それをかんじさせないところがきです」
 染谷そめやぼく自分じぶんえんじたとおるですね。てっにとっては散々さんざんな1にちですよね。ぼく経験けいけんしたことがないですけれど、おとこらしいなっておもいました。プライドがたかくて自意識じいしきもすごくつよいけれど、いろんなうことでそれがくずれ、維持いじできなくなるさまがおとこよわ部分ぶぶんだなあって。ひどいうシーンをえんじているときこそ、おかしみをかんじました」

2人ふたりのコメントからも、いまさく登場とうじょう人物じんぶつたちが「不器用ぶきようあいおしい人々ひとびと」であることがうかがえる。舞台ぶたいがラブホテルであることにスポットがてられがちだが、オファーをけた俳優はいゆうじん荒井あらい脚本きゃくほんにいかにまれ、出演しゅつえん決意けついしたかという真意しんいけてえてくる。

染谷そめや群像ぐんぞうげきだから、いろいろ比較ひかくされているわけじゃないですか。ているひと登場とうじょう人物じんぶつ比較ひかくしてちゃうとおもうんですよ。社会しゃかいてき地位ちいとかまった関係かんけいなくなる瞬間しゅんかんがいっぱいあるわけで。そうすると、とても動物どうぶつてきえてきますよね。“かみ目線めせんることになるとおもうのですが、自分じぶんだってそこの一員いちいんだっていうことにづかされる。そこがとても素敵すてきで、とても意味いみのある映画えいがだなとかんじたんです」
 前田まえだ普通ふつう登場とうじょう人物じんぶつがいないんですよね。でも、実際じっさいのところなにもないひとなんていないじゃないですか。いろいろあるけれど、それでも普通ふつうきているのがたりまえなかだよなあって、わたしおもいますね」

また、どころのひとつとして、現在げんざい歌舞伎町かぶきちょう街並まちなみをっていることがげられる。廣木ひろき監督かんとくはこれまでにも、「やわらかい生活せいかつ」では蒲田かまた、「RIVER(2011)」では秋葉原あきはばらと、まち主人公しゅじんこうといもいうべき作品さくひんのこしている。コマ劇場げきじょうがなくなり、今年ことしは4がつにTOHOシネマズ新宿しんじゅく開業かいぎょうするなど、わりゆく歌舞伎町かぶきちょう映像えいぞうにおさめたことは特筆とくひつすべきことだ。

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2人ふたり歌舞伎町かぶきちょうにどのようなおもれがあるのだろうか。前田まえだはあまり馴染なじみがないとしながらも、「先日せんじつ花園はなぞの神社じんじゃとりいちにはきましたよ!」とかす。染谷そめやも、「ぼくもあんまりかないけど、最初さいしょおもちかくで撮影さつえいをしていて、そのながれでラーメンをべにったんですよ。『こんながい日本にっぽんにあるんだ!』っていう印象いんしょうけましたね。あと、ゴールデンがいったこともあります」と述懐じゅっかい。さらに、「ずっと歌舞伎町かぶきちょう撮影さつえいってしてみたかったんですよ。映画えいがとして、映像えいぞうがきれいにはまるイメージがあったんです。いろんなドラマをんでも成立せいりつするまちだなとおもっていたので」とはなすと、よこすわ前田まえだつよ同調どうちょうしていた。

染谷そめや前田まえだは、わずとれたシネフィル。本人ほんにんたちもメジャーからインディーズまで幅広はばひろ出演しゅつえんし、バジェットの大小だいしょうなどかいさないだけに、日常にちじょうてきにどのような作品さくひんているのかはになるところ。きな映画えいがについてかた2人ふたり様子ようすからも、いまさく空気くうきかんつたわってくるはずだ。

前田まえだ最近さいきん、いい映画えいががいっぱいありますよね」
 染谷そめやぼく昨日きのう、TOHOシネマズ日本橋にほんばしで『寄生きせいじゅう』をてきました(笑)。でかいスクリーンで、1かいておきたいなあとおもって。湾曲わんきょくしたでかいスクリーンがあって、たのしかったです。あと、おきゃくさんのはい具合ぐあいちゃいました(笑)」
 前田まえだ「そういうところをかくさないところがいいですよね。わたし最近さいきんだと、『6さいのボクが、大人おとなになるまで。』『天才てんさいスピヴェット』『ショート・ターム』です! この3ほんがいいかんじでした」
 染谷そめや「あと衝撃しょうげきてきだったのは、『ジャージー・ボーイズ』。(クリント・イーストウッド監督かんとくは)あの年齢ねんれいで、あんな映画えいがれるんだ! わかいなあってビックリさせられました」

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