トレヴィの泉いずみで二に度目どめの恋こいを

シャーリー・マクレーンが主演しゅえんしてるだけで
笑わらえる事ことは保証ほしょうされてる作品さくひんですが
その笑わらいの中なかに散ちりばめられた
過すぎ去さりし日々ひびへの後悔こうかいや痛いたみ
叶かなえられなかった夢ゆめへのホロ苦にがい憧あこがれ等とう
なかなかにビターな後味あとあじが隠かくされてる映画えいが。

物語ものがたりの設定せってい年齢ねんれいより、
主演しゅえんのお二に人にんの実じつ年齢ねんれいの方ほうが５〜６歳さい上じょうのようですが
この年代ねんだいの５〜６歳上としうえと言いうのは結構けっこう見みた目めも
体力たいりょく的てきにも差さが大おおきい気きがしますね。
役者やくしゃ魂たましいとは言いえ、つらく無ないかな？と思おもえるシーンもありました。

その実じつ年齢ねんれいの高たかさ故ゆえか、良よい話はなしで終おわるはずが、
私わたしにはちょっと堪こたえられない終おわり方かたに見みえました。
感かんじ方かたは人ひとそれぞれですけど〜〜

シャーリー・マクレーンとクリストファー・プラマー。
共ともに半はん世紀せいき以上いじょうのキャリアを誇ほこる二人ふたりが魅みせる老おいらくの恋こい。
この二人ふたりだからこその軽妙けいみょうなやり取とり、ユーモア、愛あいらしさ、ハートフル、そしてしみじみとした味あじわいと切せつなさ…。

役柄やくがらも二に人にんにぴったり。
妻つまを亡なくし、アパートに引ひっ越こした頑固がんこなフレッド。
隣室りんしつの自由じゆう奔放ほんぽうなエルサにしつこく迫せまられ…。

当初とうしょはうんざりのフレッド。
やたらとお喋しゃべりで、若わかい頃ころピカソに画がを描えがいて貰もらったなどの虚言きょげん癖へき。
が、次第しだいにエルサの明あかるさがフレッドのお堅かたい心しんを解かいしていく。
高級こうきゅうレストランで無む銭ぜに飲食いんしょくなどいい歳とししてオイオイ！…と思おもいつつ、一緒いっしょに居いてハラハラゲラゲラ飽あきさせない。
仏頂面ぶっちょうづらだったフレッドに笑顔えがおが戻もどる。

そんな明あかるさとは裏腹うらはらに、エルサは実じつは…。
そして、ある嘘うそも…。
が、二人ふたりの恋こいは本物ほんものだった。
エルサにはある夢ゆめと憧あこがれがあった。フェリーニの『甘あまい生活せいかつ』の大だいファンで、ローマに行いき、映画えいがのようにトレヴィの泉いずみに入はいりたい。

その夢ゆめを叶かなうべく、二人ふたりでローマへ。
人生じんせい最高さいこうの瞬間しゅんかんかもしれない。
長年ながねんの夢ゆめが叶かなったローマ旅行りょこう。
お洒落しゃれして、ダンス。
しっとりした大人おとなのロマンス。
人生じんせいを楽たのしむのも恋こいも、歳としなんて関係かんけいない。

ラストはあまりにも唐突とうとつに。
が、フレッドの元もとに届とどいたあるプレゼントに、切せつなくも心しん温あたたかく。

原題げんだいは『エルサ＆フレッド』だが、邦題ほうだいの方ほうがお洒落しゃれ。

年老としおいてもこんな恋こいの奇跡きせきが起おこるなら、旦那だんなよりは長生ながいきしたいものです。こんなこと夢見ゆめみて楽たのしい老後ろうごを思おもい描えがくの、悪わるくない。

歳としを取とっても、名優めいゆうは色気いろけがありますねー。
最後さいごのはちょっと反則はんそくです。