カルテル・ランド

個人こじん評価ひょうか:3.7
ボーダーラインで学まなんだメキシコ社会しゃかいの裏側うらがわを、さらに教おしえてくれる本ほん作さく。
出来事できごとを部分ぶぶん的てきにスポットで捉とらえると、悪あくの麻薬まやく組織そしきと、家族かぞくを守まもる為ために立たち上あがる自衛じえい団だんの構図こうずだが、物事ものごとを大おおきくひいて捉とらえると、警察けいさつ・国くにをも認みとめる必要ひつよう悪あくとしての構図こうずが浮うかび上あがる。それが現実げんじつのメキシコの実態じったいだと教おしえてくれる本ほん作さくにゾッとせずにいられない。
キャスリン・ビグロー製作せいさくならではの社会しゃかいの闇やみにメスを入いれる重おもすぎる題材だいざいだ。

人ひとは銃じゅうを持もつと快感かいかん物質ぶっしつがでるのではないだろうか。それは麻薬まやくや金かねと同おなじで人ひとをかしづかせ、コントロールができるから。だから、カルテルも自警じけい団だんも銃じゅうを使つかって人ひとを支配しはいするのだ。だけど、ここには大だい悪党あくとうは登場とうじょうしない。麻薬まやくカルテルを餌えさに大儲おおもうけしている大だい悪党あくとうの連中れんちゅうは、多分たぶんまともな職しょくについている大金持おおがねもちのエリートなのだろう。彼かれらの為ためにカルテルは存在そんざいし続つづけるだろうし、解決かいけつ策さくも見当みあたらない。絶望ぜつぼう的てきになった。

　主人公しゅじんこうである自警じけい団だんのリーダーの医師いしが聖人せいじん君主くんしゅでなく、若わかいきれいな女おんなをカメラの前まえでもお構かまいなしに口説くどいているのがよかった。あの女おんなもありえないエロい服ふくを着きていて、あけすけな風通かぜとおしのいい漫画まんがみたいな文化ぶんかを感かんじた。

　また軍隊ぐんたいレベルの武装ぶそうをする自警じけい団だんも、カルテルも漫画まんがみたいな世界せかいだった。首吊くびつりの死体したいが街まちにぶら下さがっているなど、現代げんだい社会しゃかいとは思おもえない。

　内容ないようはとんでもないのだけど表現ひょうげんは非常ひじょうに淡々たんたんとしててDVDで見みていたため中断ちゅうだんして寝ねて3日にち掛かかりで見み終おえた。

途中とちゅうまではうまくいっていた。

組織そしきがでかくなり『権力けんりょくの乱用らんよう』がおきた。

国くには機能きのうしていない。

微かすかな希望きぼうと絶望ぜつぼう